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日本三大絣のひとつ「備後絣」とは?稀少性の高い織物について解説!

公開日:2022/11/15  最終更新日:2022/11/07


備後絣(びんごがすり)とは、現在の広島県福山市の伝統工芸であり、久留米絣、伊予絣と並んで日本三大絣として知られています。しかしながら「備後絣の特徴は何?ほかの絣と何が違うの?」と疑問を持っている人も多いことでしょう。そこで今回は備後絣の製作過程や魅力について迫ることとします。

江戸時代から受け継がれている備後絣

まず、備後絣とはどのようなものか紹介します。

備後絣の歴史

備後絣の歴史は江戸時代にまで遡ります。1790年、幕府が倹約政策を実施したことで、人々が絹織物を着用することに対して制限が設けられました。これを契機として、庶民は綿織物の可能性を探り始めます。江戸時代後期、福山市に生きた富田久三郎もその一人でした。彼は、キシ縞という絹織物から着想を得て、綿織物の研究に熱心に取り組みました。

その結果「井」の漢字に似た井桁模様という柄の絣を生み出したのです。当時はこの絣に名前はありませんでしたが、明治時代になるとその美しさと目新しさが日本中に知られようになり「備後絣」として全国に広まりました。最盛期の1960年代ごろには年間で330万反を生産することもあり、これは国内全体の絣生産のおよそ7割にも匹敵しました。

現代産業の礎

備後絣は誕生後、染色、縫製、厚手生地の扱いといったさまざまな技術を洗練させることにより発達しました。これらの蓄積されたノウハウは、現代にも確実に受け継がれており、その様子は現代の国内デニム産業に見ることができます。今日の備中・備後地域は、世界に誇れるデニムの産地となっており、その品質の高さが認められています。各国のファッションブランドからオファーをもらうこともめずらしくありません。

備後絣の制作工程

備後絣の製造工程は20~40にもおよびます。まずは「柄決め」といって、どのような模様の織物にするかを決定します。その後「絵紙」で、藍色に染める部分と染めない部分の作図を行います。染めないと決めた部分には糸を巻き付ける「括り」を行うことで、染料がつかないようにしておきます。ここまでの下準備が終わったら、実際に織物を染める工程に移ります。

「染色」では藍の染料に織物を漬け込み、それをしぼって太陽光のもとに干します。つづく「解糊乾燥」「解き」では、先ほど括っていた部分の糸を解き、乾燥させます。ここまで終わったら、次は柄を作り出す工程に移ります。「経分・引合」では、好みの柄になるように糸を分けて引く・合わせるという作業を行いその後「布巻本配り」で柄を作っていきます。

最後は「綜こう通し」です。備後絣の生産にはシャトル織機が使用されますが、このシャトル織機で織る前に、綜こうにたて糸を2,000本以上通すのです。シャトル織機の調子は、季節や天候などに左右されるため、うまく扱うには熟練したスキルが必要です。

このように、備後絣を生産する職人は「柄決め」から「綜こう通し」まで、一連の作業すべてに責任を持って取り組んでいます。工程数が多く非効率に見えるかもしれませんが、職人たちが長年の経験と勘を頼りにしながら真心を込めて作業を行なっているからこそ、備後絣の味わい深さが際立つのです。

備後絣の魅力

今日では、素晴らしい備後絣を将来に残そうと、県や市の多くの人が取り組みを行なっています。福山市には「福山市しんいち歴史民俗博物館」という施設もあり、一般の人が糸紡ぎや綿繰りといった体験ができるコーナーもあります。では、その備後絣の魅力とは何でしょうか。

扱いやすい素材

備後絣は、季節を問わず一年中着用に適しています。吸湿性が高く蒸れにくいため、たとえ夏に多くの汗をかいてもサラサラとした着心地を維持できます。一方、備後絣はあたたかい空気が外に放出されにくいという構造にもなっているため、冬でも快適に着用できます。

オールシーズン着られるというのは、大きな魅力だといえるでしょう。さらに、備後絣の生地は綿で作られているため、普段通り洗濯機で洗濯できます。むしろ何度も洗うにつれ、備後絣ならではといった味や風合いが生み出されます。この扱いやすさが、備後絣の人気の理由です。

さまざまな柄がある

備後絣の特徴として「糸から先に染める」ということが挙げられます。糸の模様にしたい部分を事前に括っておき、それから藍などの染料で染めるのです。糸の段階で染めるため、糸自体がしっかりと染色され、後染めにはできない深みのある色合いを生み出すことができます。

また、備後絣の織物の糸の染め方は一通りではありません。藍染、柿渋染、墨染といった複数の方法があります。このような染色方法の特殊性が、味わい深いさまざまな柄を作り出す秘密です。

希少性

備後絣は、日本でトップクラスの生産量を記録した時代もありましたが、洋服文化の流入や人々のライフスタイルの変化が原因となり、徐々に衰退していきました。1950年代には200を超える場所で生産されていましたが、現在では、残り2社のみが備後絣の生産を続けています。もはや大量生産は見込めない備後絣ですが、だからこそその希少性に価値があります。

まとめ

今回は広島県福山市の伝統工芸であり、日本三大絣としても有名な「備後絣」についてご紹介しました。備後絣は江戸時代に生まれ、その扱いやすさや味わい深いが多くの人を魅了しました。現在では、備後絣を使った和服を着る機会は少なくなってしまいましたが、備後絣の織物や染めの技術は、今日のデニム産業をはじめ、各種繊維産業の発展につながっています。備後絣について興味を持ったら、ぜひ現地に行って備後絣のよさを肌で感じてみてください。

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