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有松・鳴海絞りとはどんな着物?絞りの種類や特徴、歴史を解説!

公開日:2023/03/15  最終更新日:2023/02/13

夏の浴衣生地や手ぬぐいなどに用いられる絞り染め。インドや中国から日本へ伝来し、奈良時代には多種多様な絞り染めがつくられてきました。東大寺献物帳にその記録もあり、正倉院にも保存されてきました。今回は、日本の絞り染め生産地、愛知県名古屋市の有松・鳴海絞りの特徴や歴史についてご紹介します。

そもそも絞りとは

絞りとは、布地を縫う、たたむ、ヒダをとって糸で巻く、板で挟んで除染するなどして模様を表現する伝統的な染色技法のひとつです。絞りの表面には凹凸があるため、布が肌にまとわりつくことがありません。着心地がよいため、夏の時期には、浴衣としても重宝されてきました。

有松・鳴海絞りの特徴

ここでは日本の代表的な絞り染め生産地、愛知県名古屋市の有松・鳴海絞りの特徴についてみてみましょう。絞りには大きく分けて4種類の代表的な柄があります。

手蜘蛛絞り(てくもしぼり)

生地をかぎ針にかけて、中心から傘を巻くように、生地の根元部分に糸を巻いて絞ります。染色の下絵は描かず、職人の感覚にまかせて手作業で染められます。

三浦絞り(みうらしぼり)

生地下から指で布を持ちあげて、糸を巻き、引っ張りながら一粒ずつ絞ります。三浦絞りは、バリエーションも豊富。平三浦絞り、やたら三浦絞り、石垣三浦絞りは下絵を描かずに染色し、疋田三浦絞りは下絵を描いて染色しています。

嵐絞り(あらししぼり)

嵐絞りは、嵐の雨のような斜めに細い筋状の線が入った柄です。男性の浴衣で主に使用されています。染色は別名、棒絞りや棒巻き絞りと呼ばれ、棒の片側に布を斜めに巻き、上から綿糸をぐるぐる巻きつけて、棒ごと染液の中に浸して染めていくのが特徴的です。

筋絞り(すじしぼり)

筋絞りは、女性の浴衣で多く使用されます。布を縫い、ひだをとって巻き上げ、筋を染め出します。染めたものは嵐絞りと似ていますが、柄が斜めではないのが特徴。筋絞りの種類は養老絞り、柳絞りなどがあります。

このほかにも、かつては100を超える絞りの種類があり国の伝統工芸品にも指定されましたが、その技法を継承するのは難しく、現在絞りは70種類ほどの種類が存在します。

有松・鳴海絞りの歴史

さまざまな絞りの種類や特徴がある有松・鳴海絞り。では、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。ここでみていきましょう。

竹田庄九郎の功績

有松・鳴海絞りに深く関わった人物に竹田庄九郎の名前があげられます。江戸時代初期、約400年前に、名古屋城築城に関わった現在の大分県(豊後)の人々が絞り染めを身に着けていました。それを竹田庄九郎が着目したのが始まりといわれています。

もともと、東海道の有松・鳴海地区は、1608年に徳川家尾張藩の布告による移住政策で作られた町でした。参勤交代で江戸へ行く西の大名が立ち寄る町でしたが、耕作する土地が少なかったため、農業を主産業にするのは難しく、村人たちは、農業以外の収入源を求めていました。そこで、有松・鳴海絞りを特産品として考えだしたといわれています。

竹田庄九郎を中心に8名で絞り染めの手法を研究し、有松・鳴海絞りを完成させました。その後、現在の愛知県(尾張藩)が、有松・鳴海絞りをこの地区の専売制として保護したのをきっかけに、地域に根づいて、分業化した産業として発展。

木綿の生産地でもある知多郡とも近いこともあり、資材や商品を運ぶ必要もなく商いができました。三河木綿を使って絞った手筋絞りや蜘蛛絞りの手ぬぐいを有松・鳴海の特産品とし、竹田庄九郎を御用商人に立て、販売したのがそのルーツです。

有松・鳴海絞りの手ぬぐいは、東海道の旅人たちに人気を博し、街道の中でも名産品となりました。歌川広重や葛飾北斎の浮世絵にも有松・鳴海絞りは描かれています。絵の中には有松・鳴海の町並みが登場し、現在でも美しい町並みは貴重な文化財として残っています。

2代目武田庄九郎と技術の確立

17世紀後半には浴衣が一般にも広がり、絞りの需要が拡大し、有松・鳴海絞りの技術も発達しました。2代目武田庄九郎は、染色技術の開発や衣料品として絞り製品を開発し、技術の発展に貢献。藍染め以外にも紅染め、紫染めなど染色技術も開発しました。

明治時代、全国的に絞りの生産が活発化され、一時的に有松・鳴海での産業は衰退します。その後、改良開発の取り組みは精力的に行われ、1897年から約45年間で絞り染め技術の改良や新しい意匠の登録、特許取得を行い、絞り染め産地としての地位は確立されました。

第二次世界大戦前から現代

戦前の有松・鳴海絞りの生産高は年間100から120反にもおよび、産業として栄えていました。しかし、戦時中は徴兵や徴用に参加した大部分の業者が転廃業に追い込まれます。

戦後には生産量が回復しましたが、職人の高齢化や染色技法の種類の減少で、後継者へ技術の伝承にも課題は残っています。直接の伝承が難しくなってきた現代において、50年あまりにわたって日本の絞りの伝統的な技の研究をしてきた第一人者が榊原あさ子氏です。

彼女が後世に伝えるべく、1999年に発行したのが「日本伝統絞りの技」。この本には、初心者にもすぐに始められるように、有松・鳴海絞りの伝統的技法、約50種の絞り染めを用具による技法別に収録し、解説しています。

まとめ

今回は有松・鳴海絞りについて、絞りの種類や特徴、歴史についてお伝えしました。江戸時代には、竹田庄九郎の功績があり、東海道を行き交う旅人へのお土産としても人気を博し、その後も精力的に技術改良を行い、技術が継承され栄えてきました。

現代においては後継者への技術の伝承など課題もありますが、伝統や魅力を未来へと引き継げるように模索されています。

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