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八重山上布は清涼感のある織物!白地に浮かびあがる絣模様が特徴

公開日:2023/03/01  最終更新日:2023/02/13

沖縄県南部の八重山地方。観光地として多くの人に愛されるこの南国の地で古くから作られている八重山上布という織物があるのをご存知でしょうか。その歴史的背景から、独自の文化が育まれてきた沖縄では、織物の作り方も特徴的です。今回は八重山上布がどのような織物なのか、これまでの歴史や原料、製作工程とともに詳しく解説します。

八重山上布とは

八重山上布は沖縄の八重山郡を中心に作られている織物の名称です。イラクサ科の苧麻(ちょま)という植物を原材料にしています。すっきりとした白地に紬の模様が彩られていて、さらりとした肌触りと清涼感のある爽やかな見た目が特徴です。

植物から作られている織物の魅力はやはり素朴さにあります。南国の太陽をたっぷりと浴びてすくすくと育った苧麻を材料に、照りつける太陽の下で透き通る美しい海に海ざらしされて1枚1枚人の手で仕上げられる八重山上布には、シンプルながらも力強い自然の息吹が感じられます。

八重山上布は刷込捺染技法と呼ばれる技法を使って作られていますが、沖縄の織物でこの技法が使われているのは八重山上布だけです。

かつては琉球王国にも貢納されていた歴史ある織物

八重山上布が一体いつから作られていたのかははっきり判明していませんが、1400年初頭から編纂され始め李氏朝鮮の519年間の歴史を記した朝鮮王朝実録(別名李朝実録)にも八重山地方の織物に関する記述が載っていることから、その歴史はかなり古く、当時からこの地方では苧麻を用いて織物を作る文化があったのだろうと考えられています。

これが現在の八重山上布の起源です。八重山上布の歴史は、沖縄の歴史と同じく数々の波乱に満ちたものでした。やがて沖縄を琉球王朝がおさめる時代に入ると、王朝御用達の布として王朝が抱える絵師が考えた図案から上等な麻布が作られるようになり、これらは赤縞上布と呼ばれて重宝されるようになっていきます。

江戸時代に入ると、薩摩藩の島津氏が財源確保のために琉球への侵攻をもくろみはじめます。1609年、ついに幕府から正式に侵攻の許可をもらった島津氏が進軍し、その圧倒的な戦力差を前にどうすることもできなかった琉球王国は、王国として残ることにはなったものの実質薩摩藩の支配下にくだることになります。

薩摩藩の支配下になったことで、琉球王国の国民には人頭税と呼ばれる税制度が課されるようになりました。人頭税は、すべての人が一定の年齢に達すると職業に関係なく必ず支払わなければならないという制度で、当時の人たちにとってかなり負担の大きいものでした。

このとき女性に税金として納めさせていた織物の1つが八重山上布です。八重山上布は薩摩藩を介して江戸や大阪など主要な都市へと出荷され、このころから全国でその存在が知られるようになりました。

1886年に人頭税が廃止されたあと、短機という織機が考案され普及したことにより、八重山上布は産業として急速に発展していきました。さらに大正時代に入り「綾頭」が導入されると、張力によるムラがなくなり染色が均一になったため、より見た目が美しく高品質になっていきます。

順調に思えた八重山上布の発展ですが、第二次世界大戦による戦災で沖縄全土が壊滅的な被害を受けたことにより、一時は大きく衰退してしまいます。しかしその後、地域の人たちの地道な努力により再び復興し、1989年には国の伝統的工芸品に指定されるまでになりました。

八重山上布ができあがるまで

八重山上布の原料となる苧麻は日本各地に広く分布して生息していますが、亜熱帯気候の八重山では年に数回も収穫できます。

八重山上布を作るには、まず畑で1か月半程度育てられて1メートルを超えるほどの背丈に成長した苧麻の皮をはぎ、水に浸して柔らかくしたあと手作業で細く裂いていき、繊維同士をつないで糸にします。

そして刷込捺染技法により染色し、海水で余分な染料を落として色を定着させる「海ざらし」を行ったあと、10日間ほど天日干しします。この工程で八重山上布の白さがさらに鮮やかになり、絣の色も際立つようになります。

最後に真水で洗い干しした布を丸太に巻きつけて、さらにその上から木綿の布を巻き、杵で打ち付けます。これをすることによって肌に触れたときの感触がよくなるのです。

まとめ

苧麻を使い、八重山地方の美しい海と力強い太陽の光によって作られる八重山上布。その歴史は古く、さまざまな経緯を経て現在の形へと発展しました。その独特の風合いや爽やかな着心地は南国の気候ならではのものです。

人々が手作業で作り出してきたものにはほかにはない魅力があります。沖縄の息吹を感じられる八重山上布は、今や全国で愛されていて、人気作家のものは入手するのが困難なほどです。

着物の格としてはおしゃれ着にあたり、正式な場に着ていくことはできませんが、だからこそ気軽に楽しめるよさもあります。伝統工芸品につきものなのが後継者不足ですが、八重山上布は沖縄県や石垣市が後継者育成事業を立ち上げて支援するなど、存続に向けて前向きな動きも広がっています。

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