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一般市民に普段着として重宝された弓浜絣!現在は希少な着物?

公開日:2022/12/01  最終更新日:2022/11/21


鳥取県で生産されている弓浜絣という織物は、江戸時代から続く伝統工芸品です。当時は普段着としても広く使用されており、一般市民にとって親しみのある織物でしたが、今では希少なものになっています。そこで本記事では、弓浜絣がどんな織物なのかと、その歴史、魅力について解説します。

弓浜絣の特徴

まずは、弓浜絣がどのような織物なのかという特徴について紹介します。

名前の由来

弓浜絣(ゆみはまがすり)は単に浜絣とも呼ばれており、鳥取県境港市や米子市の一帯で作られている伝統工芸品の織物です。「弓浜」という名前の由来は、鳥取県境港市から米子市にかけて幅4kmほど、長さ20kmほど続く「弓ヶ浜」という弓のように湾曲した沿岸の名前からきています。弓浜絣は、倉吉絣、広瀬絣とともに山陰の三絵絣のひとつとされています。

作り方

弓浜絣の「絣」とは、絣糸と呼ばれるあらかじめ染めておいた糸を使って作る織物のことです。弓浜絣は藍色の糸で生地の土台を編み、編んだ土台に白色の糸でさまざまな柄を編みこんで作っていきます。弓浜絣を作る工程は、まず糸を紡ぐところから始まります。近年では機械による紡績糸を使う織元も多い中、弓浜絣は今でも紡ぎ糸を使って作られているのです。

紡いだ糸は、藍色と白に染め分ける作業へと進みます。染める前には、白く染め残す部分を作る、括りという非常に重要な作業が必要です。括った糸は藍で染められ、織元によって細かい微調整が行われながら、美しい絣に織り上げられます。

素朴で縁起がよい絵柄

弓浜絣は、藍色と白のコントラストが美しく、素朴な絵柄からは風情を感じられ、昔から地元の人々に親しまれてきました。弓浜絣はもともと、農家が自分たちの衣服にするために織り始めたことから、生活に関係した絵柄が多く、ほかには鼓や扇面、鯉、鶴亀、菊、七宝つなぎなどといった、縁起がよいものも人気です。

家族の幸せへの願いが込められたものだと、娘が結婚するときに嫁ぎ先でしっかり根付いていけるようにという意味を込めた「いかり」の柄や、子どもの誕生の記念に、未来へ思いきり羽ばたいていけるようにという意味を込めた「鷹」の柄、男の子が強く育つようにという「虎」の柄、腰が曲がるまでと長生きを願った「海老」の柄などがあります。また、文明開化の文字を絵にしたものや、戦時中には大砲の柄など、その時代ならではのさまざまな絵柄も存在し、現在まで伝わっているものだけでも数百種類に及びます。

弓浜絣の歴史

弓浜絣の歴史は200年ほどです。弓浜絣の主原料として使われる綿花の栽培が始められたのは江戸時代前期のことです。米作りには適していない砂地だったことから、綿花の栽培が盛んに行われていました。この地域特産の伯州綿という綿花は、繊維の長さが短く、弾力性や保温性に優れているという特徴があります。弓浜絣は、江戸時代中期の1751年頃から生産されています。鳥取や島根などの山陰地方ではその頃から絣を織る技術に長けており、広瀬絣・弓浜絣・倉吉絣などが作られ、絣の名産地として有名でした。

当時は、地元に住んでいる農家の主婦たちが本業である木綿織りをしながら、弓浜絣で自分たちが着る普段着や晴れ着、布団、生活小物などを作っていたのです。弓浜絣は素朴な絵絣が人気となり、江戸時代から大正時代にかけて最盛期を迎え、織元も多くあり、鳥取は絣織物の生産地として栄えました。1975年には国の伝統的工芸品に、1978年には鳥取県無形文化財に指定されており、評価を得ています。

現代では着物だけでなく、巾着袋やコースター、コインケース、手ぬぐいなどの小物も生産しており、幅広い人々の生活に取り入れられやすくなりました。また、若者にも手に取ってもらえるようにと、アパレルブランドのBEAMSで弓浜絣の製品を販売したり、スポーツファッションブランドのオニツカタイガーで弓浜絣を使用したスニーカーを販売したりするなどといった新しい試みもされています。

弓浜絣の魅力

弓浜絣の魅力は、素朴な絵柄に加えて、布のざっくりとした風合いです。手紡ぎで丁寧に作られている糸を使って作られていることから、あたたかみがあります。藍色に染められた布地は、洗えば洗うほど色が冴え、肌触りがやわらかくなり、そのうえ繊維が太くて丈夫でもあるため、長く使えるというよさもあります。吸水性や保温性にも優れている点も魅力のひとつです。

まとめ

本記事では弓浜絣の特徴と歴史、魅力について解説しました。弓浜絣は豊富な絵柄や素朴さ、そしてあたたかみのある風合いなど、さまざまな魅力があります。最盛期であった江戸時代から大正時代までは、普段着などに用いられ、一般市民にも愛されていた弓浜絣ですが、洋服の普及などにより絣自体の需要は激減してしまいました。

細かい工程を積み重ねて作られるものであることから、繊維業の機械化や量産化を進める波にも取り残されてしまい、弓浜絣は後継者不足に悩まされ、存続が危ぶまれていました。そのため現在では少ない量の絣しか作られておらず、希少な織物になっています。それでも、この手仕事の伝承を絶やすことがないよう、さまざまな支援が行われながら、人の手から手へ、細々と、昔ながらの技法が伝承されています。

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