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素朴さが魅力の置賜紬とは?伝統的な制作工程をご紹介!

公開日:2023/01/15  最終更新日:2022/12/16


山形県の特産物の置賜紬という織物はご存じでしょうか。置賜紬は、置賜地方の米沢・白鷹・長井に伝わる紬の総称です。それぞれの地域で別々に発展していった紬を、ひとつの名称に統合したという歴史があるのです。そこで本記事では、置賜紬とはどのような織物なのかと歴史、特徴について紹介します。

置賜紬(おいたまつむぎ)とは

置賜紬とは、山形県南部にある米沢市、白鷹市、長井市一帯で作られている織物を指します。同じ名前であっても、米沢市、白鷹市、長井市の地域ごとに、受け継がれている技術や技法は違っています。

米沢市は、県花である紅花や藍、刈安といった自然から採れる染料を用いた「草木染紬」や「紅花染紬」、白鷹市は、国内ではほかでは見られない「板締(いたじめ)染色技法」、長井市は「緯総絣(よこそうがすり)」と「経緯併用絣(たてよこへいようがすり)」、琉球織物の影響を強く受けている「米琉絣(よねりゅうかすり)」という技法が伝承されてきました。

各技法によって工程は異なるものの、どれも先に糸を染めてから織りあげる先染めを取り入れており、平織りで織るという点は同じです。手間をかけて作られたことによってできた素朴な風合いは、長年多くの人に愛されています。また、米沢市の草木染紬、長井市の緯総絣・経緯併用絣、白鷹市の米琉板締小絣・白鷹板締小絣は経済産業省の伝統的工芸品に指定されています。

米沢藩初代藩主の上杉景勝が推奨したという歴史

米沢では、江戸時代の初期には、青苧(あおそ)や紅花など織物の原料に使われる植物が栽培されていました。1601年に、米沢の初代藩主を務めていた上杉景勝がこれに目をつけ、米沢の特産物として奨励し、織物の原料として、越後方面などに出荷を始めました。

そして江戸時代中期には、第9代藩主の上杉鷹山は、原料の生産のみならず米沢を、青苧を使って自分たちで織物の形にするところまでまかなうことで、織物の産地にするという目標を掲げます。1776年には越後から職人を招いて織物の研究を進め、女子に技術を習得させました。研究を始めたころは青苧を原料とした麻織物を生産していましたが、凶作によって、青苧を原料とした織物作りが難しくなったことをきっかけに、上杉鷹山による藩政改革が行われ、領内に桑が植えられます。

養蚕が盛んになっていくと、少しずつ麻織物から絹織物の生産へと移行していく流れになりました。さらに明治時代に入ると、米沢だけでなく、養蚕が盛んであった白鷹や長井でも織物が生産されるようになり、米琉絣や板締小絣が全国的にも知られていったのです。

一方で、昔から使用されてきた手織機の代わりに力織機が導入され、機械化が進んでいきます。品物も、着物の反物だけでなく、ニーズの変化に伴い洋服地も作られるようになっていきました。そうした新しいものを導入しようという世の中の流れの中、1974年に伝統的工芸品産業の振興に関する法律が交付されたことにより、この地域の紬を「置賜紬」と名付けて保護し、発展させようとする動きが起こり、1976年に、国の伝統的工芸品の指定を受け、3つの地域の紬を合わせて「置賜紬」と統一することになりました。

伝統的な技法で作られているのが特徴

置賜紬の素材は生糸や玉糸、真綿つむぎ糸です。地域ごとに違った技術や特徴的なやり方があり、それぞれ伝統的な技法で生産されています。

米沢織の草木染紬

米沢織の草木染紬は紅花、カリヤス、ログウッドなどといった植物由来の染料で染めた糸を使用します。代表的な柄は、縞柄や格子柄です。

長井紬の緯総絣・経緯併用絣

長井紬は、かすり糸を手作業で柄合わせします。かすり糸の染色法は、かすり模様になるところを先に糸でくくっておいて、染料が模様部分に染みこまないようにする染色法の手くくりや、竹ヘラで糸に染料をすり込んで模様をつける染色法の手すり込み、模様が彫られた型紙を用いて染め出す方法である型紙捺染(かたがみなせん)の3種類です。緯総絣(よこそうがすり)は緯糸(よこいと)にかすり糸を使用し、経緯併用絣(たてよこへいようがすり)は経緯(たてよこ)のかすり糸でかすり模様を織り出します。

白鷹紬の板締小絣・米琉板締小絣・白鷹板締小絣

白鷹紬の板締小絣(いたじめこがすり)は、水よりした糸を用いて作ります。水よりとは、水の中でよりをかけてより戻りを防止することです。経糸と緯糸に使うかすり糸は、糸を細い溝のついた板ではさみ、そこに熱した染料を1時間ほど注ぎ続ける、板締めというやり方で色を染めます。米琉板締小絣は、名前に琉球の琉の字が入っていることからも分かるように、琉球からの影響を強く受けた織物です。かすり柄が琉球紬に似ています。白鷹板締小絣は、緯糸によりを多くして強い糸にする追撚(ついねん)と、織り面に湯もみをし、しぼと呼ばれるしわを出すという工程があります。

まとめ

本記事では、置賜紬の特徴や歴史について解説しました。時代の変化により、素材は化学繊維や輸入品になり、織り技術も機械化していきましたが、その一方で昔ながらの草木染を手織りで行う染織家が存在し続けていたため、今でも伝統的な技術は絶えることなく受け継がれているのです。一見、名前が同じ織物であれば一括りにしてしまいがちです。ところが地域によって技法が違い、特徴も違います。本記事が、置賜紬について知りたい方の参考になれば幸いです。

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