簡単にできる帯の結び方とは
着物を着るのは難しいというイメージがありますが、その大きな要因に帯があるのは確かです。
舞妓さんはだらりの帯として知られる独特の帯の結び方をしますが、これなどは男衆と呼ばれる専門の帯締めの職人がいるくらいです。
振袖や留め袖といった着物を着る際には、そこまでの職人は必要としませんが、それでも着付けの知識がある人に着せてもらわないと、襟元が開いてきたり、帯が緩んできたりします。
自分で着られないということは、直すこともできないことがほとんどですので、しっかりと着せてもらわないといけません。
とはいえ、もし自分で帯を結ぶことが出来れば、着物の中ではもっとも簡単な浴衣なら気軽に着ていけるようになるでしょう。
着物にしても、帯の結び方さえわかれば、自分で着られるようになります。
何度かトライしているうちにだんだん上手になれたら、着物での外出が依然ほど大変と思わなくなるかもしれず、そうなればおしゃれの幅もうんと広がることでしょう。
まずはもっとも簡単な結び方からトライ
着物と一口に言っても、振袖や留袖といった具合にいろいろな種類がありますが、全体に同じ柄が入り、反物に上下の区別がないことから着るのがもっとも簡単な着物といえば小紋です。
〇小紋とは
小紋は正装には適しませんが、ちょっとした外出に着るには最適な、いわばおしゃれ着といった感覚で着こなせる着物です。
着物をジャンルで分けるなら小紋は普段着といった立ち位置ですが、着物を着ることそのものがなくなった現代人にとっては、着物を着ること自体がかなり頑張ってトライするおしゃれになります。
そのため、まずは初心者でも着やすい小紋から挑戦するのがおすすめです。
小紋は浴衣とも共通する感じですので、浴衣で慣れてから小紋に移るのもいいかもしれません。
①まずは帯の結び方に慣れるため、浴衣で使う半巾帯からスタートします。
②最初に巻く位置を決めるため、帯の端から手巾3つ分くらいの位置を測ります。
〇手巾とは
手巾は、手のひらを広げたときの親指の先から小指の先までで、これをメジャーのように帯に当て、ひとつ、二つ、三つといった感じで幅を測る方法です。
①この手巾三つ分の位置が帯を持ち、立った状態の時にお腹の真ん中に来る部分になります。
②この位置をおなかに当てたら、端部分は肩にかけ、長い方の帯を胴に二週巻き付けます。
巻き付けるときは反時計回りに巻くのが正解ですので、くれぐれも逆にならないように注意しましょう。
巻けたらいよいよ難関の結びへ突入
①胴回りに帯を二周巻き付けたら、肩にかけていた端を取り、一度結びます。
②短い方が下に来るようにクロスさせ、上へもってきてひと結びさせますが、この時の注意点はぎゅっとしっかり締めることです。
さらにほどけにくいように結び目はねじっておきましょう。
〇結びのやり方
次いでいよいよ結んでいきますが、半巾帯でもっとも簡単と言われるのがリボン結びという結び方です。
①手前から三角形になるように帯を折り、真ん中の部分を寄せてリボンの襞になるように形を作ります。
②短い方の帯をリボンの中心に来るように巻き込んで、端を下にぎゅっと引っ張ったら、リボンが完成します。
③端はそのまま垂らしておきます。
④次いで、長い方の帯を同じく隣でリボンを結ぶように作ったら、端を上にかぶせるようにして結び目を隠します。
⑤結び部分を膨らますようにして形を整えたら出来上がりですので、おなかを引っ込めて帯を回し、背中に来るように位置を整えます。
★半巾帯の場合は帯紐などがいらないため、コツをつかめば結び方も自分好みにアレンジしてかまわないところが、浴衣には最適です。
小紋ならどちらでも使えるところが魅力
〇小紋の場合
浴衣の半巾帯を使って結んでも構いません。
ボリュームが出るように結べば、ちょっとした外出であれば見栄えもしますし、何より自分でできれば緩んできたときにも自分で直せます。
〇仮紐を使って帯を結ぶ場合
一重太鼓という結び方が一番簡単でしょう。
ただし、浴衣の半巾帯と違って前で結んで後ろに回すということはできませんので、背中に手をまわして結ぶことから、慣れないとちょっと難しいと感じます。
とはいえ、基本となる巻き方は半巾帯の場合と同じです。
〇仮紐の結び方
①帯を巻いたら仮紐を通し、しっかりと結びます。
②次に背中の腰部分に帯枕を結び、長く垂れた帯をそのうえにかぶせたら仮紐を外し、枕を帯揚げで包みます。
③さらに帯の下の線当たりに仮紐を通し、これを軸にしてたれを内側に織り込んでいきます。
④たれ先が10センチほど出るくらいの位置にお太鼓の下線を整えたら仮紐を前で結び、お太鼓と折り上がったあまり部分の間に、前に残っていた手先を後ろへ回し、右へ通します。
⑤最後に帯締めを通してしっかり結んだら、仮紐を外して完成です。
〇まとめ
帯が結べたら、もっと着物が身近なものになるのは間違いなく、そのためには何度も自分で結んで慣れていく必要があります。
まずは半巾帯で帯を結ぶことに慣れ、上手に結べるようになったら、帯を結ぶのに使うアイテムを増やすことでカジュアルな雰囲気の半巾帯の小紋姿を、より正装に近い雰囲気にする一重太鼓へとレベルアップさせていけるでしょう。