身幅が大きい方のための着付けノウハウ
身幅とは着物を広げたときの左端から右端までの幅のことです。
実は身幅が大きい方は着物を選ぶのも少し注意が必要です。
実際に着付け教室に行くとこの身幅や着丈などの合わせ方を教えてくれますが、やはり徐々に自分の身幅に慣れていくことが大切です。
ここでは身幅が大きい方のための着付けについて解説します。
もし身幅が大きいということで悩んでいるならそれは今すぐやめてください。
上手に着るテクニックがあります。
まずは着物のサイズの合わせ方を知る
現代人は着物を着るのは年に1回あればよいほうではないでしょうか。
若いときは花火大会や成人式、友人の結婚式、お祝いなどで着る機会があるでしょう。
また結婚してからもお子さんの入学祝いや卒業祝いで着る機会があるかもしれません。
しかし実際に着物のサイズ(身幅、着丈、裄)の合わせ方を考えると、本当にわからないことが多いはずです。
それは洋服のようにできていないので、実際は着物に体を合わせるしかないこともあります。
もちろん自分用に購入するなら自分のサイズに合ったものを最初から買えばいいのです。
でも中古の場合は?
既製品で身幅が大きいと着丈も大きい場合がある?
といった悩みもあるでしょう。
着物の仕立ては、
リサイクル品を購入する
レンタルする
新品を買う
などいろいろな場合あります。
そして自分の体のサイズも3か所を押さえておけば確実に合います。
身幅、着丈、裄だけ押さえておくとほぼ着物は着られるということです。
一度ご自分の正確な寸法を測っておくとよいでしょう。
身幅とはどの部分か?
身幅というとよくある着物の図解にも載っていないことがあります。
端的に言うと身幅とはヒップです。
腰回りで最も出たところのことを言います。
どんな着物でも背中心という、体の真ん中にまっすぐ縫い目があります。
この縫い目の左右の背面にあたる部分が後ろ幅といいます。
そして再度から前にも縫い目がありますが、それが前幅といいます。
そして残り前部分がおくみ幅(衽幅)と呼んでいます。
つまり身幅とは後ろ幅の左右に箇所と前幅とおくみ幅を足したものをいいます。
そして着物を着る時にはお襦袢などをして調整することを考えると体にぴったりしたサイズは小さくなるはずです。
そのために本来は少し大きめにするのが普通です。
身幅が大きいのに着物の身幅が狭いときはどうするのか?
身幅が大きいのに狭い(着丈、裄は合うという場合)着物にあたってしまうということがあります。
これは身幅が大きい人ばかりとは限りません。
というのも年代物の着物なら、小柄なこともあるので身幅が狭いということもあります。
着付けするときは下前の合わせを少な目にすることで多少対処できます。
ただし前の合わせが浅くなるように着付けるということになるので、歩くときは裾がひるがえるようになり、長襦袢がそのまま見えるということもあります。
これだけは右手で上前を押さえて歩く、歩幅を狭くするというように歩くしかありません。
身幅が大きい人の着付けテクニック
また身幅が大きいと上半身も狭く感じることがあります。
これは上半身が太いというよりも着物自体が小さいという可能性もあります。
ただし広衿なら、いつもより胸のところの衿幅を広めにとるようにしてみるとよいでしょう。
そして半衿もたっぷり出すようにしてみてください。
そうすると左右に2センチ(広いときは3センチ程度)までゆとりができてせまくかんじないはずです。
見た目もきつそうに見えません。
ただし着物の選び方の中で身幅は10㎝以上差があるとかなり苦しいはずです。
5㎝以内で調節できるものを選びましょう。
また身幅が広い方はどうしても腰の部分の布が足りないはずです。
つまり上前の褄下線(上前の一番端部分)がはみ出すのでとても太って見えることがあります。
そこで上前をもう少しかぶるように右に引きます。
ただしここの記事の上段で上前の合わせ目を少なくすると着られるといっておきながら、今太って見えるということを言っています。
実は着物によっても見え方が違うので、太って見えるのが嫌な場合の回避方法をお伝えしています。
少し話を戻しますと、上前をさらに右に引っ張るということは脇線がズレるということになります。
これはその方の美意識にもよりますが、
右側がはみ出すほうが良いか
左側の脇線が前に出るほうが良いのか
どちらがよいかという話です。
もちろん右に引くとどうしても中心がズレるので、下半身は背中がズレることになります。
これは着付け教室の教え方によっても差がありますが、前身頃を合わせる着付けを教わると、前身頃に合わせて右に引くと背中心がズレて、下半身の背中心はズレます(身幅が広い人)。
逆に背中心で合わせると前身頃がズレます。
これは着物がジャストサイズならこのようなことは起きませんが、体型が違う人も大勢いるのでどうしても仕方のないことです。
そしてどちらを優先するのかはその方の感覚ですが、今習っている着付け教室がどちらを優先するのかを一度確認してみてください。
実は背中心で帯から下と上でラインがズレるという着付けが失敗だという方もいます。
しかし教室によっては下半身の背中心はズレても良いというところもあります(それは教室次第です)。
しかし着物の選び方や背中心が目立ちにくい縦縞の着物、小紋柄の着物を選んでいくと目立たなくなります。