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着物の寿命はどのくらい?

公開日:2020/04/15  

例えば、成人式でお母さんが着た着物を娘が自分の成人式のときに着るということは結構おこなわれているのではないでしょうか。また七五三のものも、いとこが着たものを貸してもらって着た、なんていうことも結構ある話ではないでしょうか。何世代にもわたって着ることができますが、実際にはどれくらいの寿命なのでしょうか。

何世代も着たいなら正しく保管して

親子で同じ着物を着るというのは決して珍しいわけではないのですが、実は長く着たいのであれば、できるだけ良い環境で保管しなければなりません。

例えば正絹の場合はその質感から非常に高価なものとして扱われていますが、保管状況が悪いとカビやシミが発生してしまいます。日本は他の国と比べても高温多湿な環境となっているので、どうしてもカビが生えやすくなってしまいます。

ではなぜ洋服にはカビが生えないのに、着物にはカビが生えてしまうことがあるのかというと、それに大きく関係しているのが地糊の存在です。地糊とは染色のときに利用する糊のことで、化学染料を混ぜて染めるときなどに利用するものです。

本来はきれいに湯通しするときに洗い流すのですが、着物に付着してしまったままになっている場合もないわけではありません。この地糊が湿気によってカビが生えやすくなってしまう、つまりカビの温床になってしまうということです。

またシミもカビと同じように湿気が大きく関係していますが、もう一つ、着用したときの汗も大きな影響を及ぼすので注意しましょう。1回しか着ていない場合でも汗が付着している可能性があり、それが数年後にシミとなってしまうこともあるのです。

これらを防ぐためには、まずは湿気がこもらないように風通しが良いところに保管し、さらに防虫剤や防湿剤も適宜利用するようにしましょう。また1年に1回くらいは虫干しをすることによって、風を通してカビにくい状態にすることができるようになります。

一般的な着物の寿命は大体100年

親子で同じ着物を成人式のときに着ることも珍しくなく、親子ではなく、孫までの三代でも十分着ることができるというのをご存知でしょうか。

ただあくまでもこれは目安の一つで、実はもっと長い期間着用ができ、実際には100年程度がその寿命だと言われています。これは正しい状態で管理した場合に限った話で、保管状況があまり良くなければ、着物の寿命はすぐにきてしまうので十分注意しておきましょう。

また着物で使われる素材はいろいろとありますが、正絹の場合は大体100年程度ですが、麻や綿の場合は100年以上もつと言われるほどなのです。現在市場に出ているものには正絹、麻、綿、ウール、ポリエステルの素材でできていますが、それぞれの素材で寿命が違ってきます

もしもシミとかカビとかの被害を発見したら

正しく保存していたとしても、高温多湿な日本の環境ではカビやシミができてしまうということは避けられないと言っても良いでしょう。十分注意していたとしても、どうしても発生してしまうということは起きているので、その場合は保管状況が良くないというわけではありません。

とはいえ、そのまま放置しておくとどんどん被害が拡大してしまう可能性もあり、最終的には捨てるしかない状態に陥ることもあり得ます。反対に被害を発見して早い段階で処置しておけば、それ以上被害が拡大することなくいつまでもきれいな状態を保つこともできるのです。

もしカビを発見した場合は、白く斑点が出ている程度であれば、クリーニングに出すだけでも十分きれいな状態にすることができます。黄色のカビになっているとすでに10年くらいはカビが生えた状態になっている可能性がありますが、この場合は洗い張りをすればなんとかなる場合も少なくありません。

洗い張りとは着物を一度全部解いてから洗って仕立て直すことで、専門の業者に依頼すれば対応してもらうことができます。黒い状態のカビになっているともうなんともできないので、元の色にすることはできないので諦めるほかない場合もあります。

しかしこれらのカビ自体は1年に1回虫干ししていれば発見することができる可能性も高くなるので、もしカビが生えていたとしても白か少し黄色くなっている程度の状態のはずです。したがってカビが生えていたからと言って捨てるしかないと落胆してしまう必要は全くないと言って良いでしょう。

またシミを発見した場合は、できるだけ早く対応するというのが基本になってくるので、それを良く理解しておきましょう。放置するとシミが取れにくくなってしまうので、まずは適切な処置をすること、そして必要に応じて専門業者に依頼して対応してもらいましょう。

このようにトラブルが起きた場合でも正しい対処をすれば、100年は無理だったとしても長く楽しむことは十分可能です。

 

一般的に3世代でも着ることができると言われている着物の寿命は、その素材によっても違いますが大体100年程度だと言われています。ただこれはあくまでも正しい保管方法で保管した場合に限った話で、適当に保管しているとカビやシミの被害が発生しやすくなります。

日本は高温多湿の環境なので、正しく保管していたとしてもどうしてもこれらの被害が発生しやすくなってしまうからです。ただ、カビやシミがあったとしてもすぐに捨てる必要はなく、クリーニングや洗い張り、しみ抜きなどをすればきれいに戻すこともできます。

したがってトラブルに合った正しい対処をすれば、100年は無理でも長い期間楽しむことは十分叶です。

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