着物は自宅で洗濯できる？洗濯方法やクリーニングについて解説
着物は日本の美しい伝統的な衣装です。一般的には、専門のクリーニング店でのお手入れが必要ですが、一部の着物は自宅で洗濯できることもあるのです。本記事では、着物の種類や生地に応じた洗濯方法やクリーニングのポイントをご紹介します。大切な着物を長持ちさせ、美しさを保つために知っておきたい情報をお届けします。
もくじ
着物は自宅で洗濯できるのか
着物を自宅で洗濯できるかどうかは、着物の素材に大きく影響されます。
素材に合わない方法での洗濯は、着物を傷つける可能性があるため、注意が必要です。
着物の素材をチェック
着物は主に絹、麻、木綿、ウール、ポリエステルの5つの素材から作られています。
この中で、木綿とポリエステルの着物は自宅での洗濯が可能です。麻の着物も基本的には自宅で洗えますが、縫い糸の素材まで確認することや、洗濯後のアイロンが使えないなどの注意点があります。
それに対して、絹やウールの着物は自宅での洗濯は難しく、クリーニング店に出すことをおすすめします。絹の着物は非常に繊細で、水に弱いため、自宅での洗濯はできないと考えておきましょう。また、ウールの着物も水洗いには適さず、収縮や毛羽立ちのリスクが高まります。
洗濯マークをチェック
洋服と同様に、着物にも取り扱い絵表示があり、それぞれの衣類に適した洗濯方法、漂白方法、乾燥方法、アイロンのかけ方、クリーニングの種類が記載されています。
まず、家庭洗濯のマークが付いているかを確認しましょう。自宅での洗濯ができない着物には、家庭洗濯のマークにバツ印が入っています。可能な着物には、各項目に適切な温度や方法が示されています。家庭洗濯が可能な着物であれば、マークに従って洗濯しましょう。
洗濯前に準備するべきこと
着物を洗濯する前に、適切な準備が必要です。以下は、着物の洗濯前に準備すべきポイントです。
おしゃれ着用洗剤の用意
まず、おしゃれ着用洗剤を用意しましょう。
着物を綺麗に洗うためには、中性洗剤が適しています。アルカリ性の洗剤は洗浄力が強すぎて、着物の繊維を傷つける可能性があるため、避けるべきです。中性洗剤は柔らかく、色落ちやゴワつきのリスクを低減させます。洗剤を選ぶ際には、成分を確認し、中性洗剤を使用しましょう。
着物用ハンガーの準備
着物を洗濯後に乾かす際に、型崩れを防ぐために着物用ハンガーを用意しましょう。
一般的なハンガーでは着物の形状に合わせられず、シワやしわができる可能性が高まります。一方、着物用ハンガーは着物の形に適したデザインで、美しい形を保つのに役立ちます。着物用ハンガーを用いることで、着物のお手入れが効果的におこなえます。
大きめの洗濯ネットの用意
洗濯機を使用して着物を洗う場合は、大きめの洗濯ネットを用意しましょう。
洗濯ネットは着物の繊維を保護し、ダメージを最小限に抑える役割を果たします。着物を洗濯ネットに入れてから洗濯機に入れることで、摩擦やほつれを防ぎ、着物の長寿命につながります。
さらに、洗濯する際の注意点として、着物を洗濯する際には、一着ずつ洗濯しましょう。複数の着物を同時に洗濯してしまうことは、色落ちや色移りの原因となります。丁寧にお手入れすることで、着物の美しさを保つことが可能です。
着付け教室でクリーニング依頼できる？
上記でもお伝えした通り、絹やウールの着物は、自宅での洗濯が難しいため、クリーニング店に依頼する必要があります。
ただし、着物はどのクリーニング店でも受け入れてくれるわけではありません。着物のクリーニングをおこなっている専門のクリーニング店に頼むことが重要です。
しかし、着付け教室に通っている方であれば、一部の着付け教室では着物のクリーニングの受付もおこなっていることがあります。着付け教室でクリーニングを依頼できる場合、そのメリットは多岐にわたります。
普段、着物をお出かけや特別な機会で着用した後、着付け教室でクリーニングの依頼がスムーズにおこなえるという点が大きなメリットです。これにより、着物をその場で預けるだけで済み、手間が省けます。
また、着付け教室によっては、クリーニングだけでなく、シミ抜き、仕立て直し、染め直しといった修繕作業を受け付けていることもあります。これは、着物の寿命を長く保つことができ、常に美しく保つ手助けとなるでしょう。
なお、クリーニングの料金は一般的に1着あたり6,000～10,000円を目安として考えておきましょう。ただし、着物の種類や素材によって料金に差異が生じることがあるため、具体的な価格については事前に着付け教室やクリーニング店に確認することが必要です。
まとめ
着物の洗濯について、自宅でのお手入れの適応性やクリーニング依頼に関する情報をご紹介しました。まず、着物の素材によって洗濯の可否が異なり、中性洗剤を使用するなど細心の注意が必要です。一方、クリーニングは絹やウールのようなデリケートな着物に適しており、専門店での依頼がおすすめです。また、着付け教室がクリーニング受付を行っている場合もあり、便利な選択肢となります。クリーニングに際しては、価格についての事前確認が大切です。自宅でできるお手入れとプロのサポートを上手に組み合わせて、大切な着物をいつまでも輝かせていきましょう。
