着物の美しい座り方｜着崩れを防ぐための基本テクニック
着物は立ち姿だけでなく、座り方も非常に重要です。正しい座り方を身につけることで、着崩れやシワを防ぎ、美しい姿を保てます。本記事では、着物を着たときの基本の座り方や、着崩れを防ぐためのテクニックついて詳しく解説します。基本テクニックを押さえて、安心して着物を楽しみましょう。
着物を着たときの基本の座り方
着物を着たとき、立ち姿だけでなく、座り方も重要です。とくに初心者の方は、どう座ればよいのか迷う人も少なくありません。ここからは、着物を着たときに気をつけたい基本の座り方について、詳しくご紹介します。
着物で座る際の基本姿勢
着物で座る際に、まず意識すべきは背筋を伸ばし、優雅な姿勢を保つことです。座る前に、余裕を持って裾を手で軽く持ち上げ、膝の上に整えることがポイントです。膝を揃えてゆっくりと腰を下ろし、座った後も背筋を真っ直ぐに保つことを意識しましょう。
座る際に背中が丸まると、着物が崩れやすくなるので注意が必要です。姿勢を整えたら、体の重心を腰や太ももにしっかり乗せ、足元に負担をかけないようにします。これも、着物のラインが崩れにくくなるテクニックのひとつです。
正座とあぐらの違い
正座は、着物姿を最も美しく見せる伝統的な座り方です。男性の場合も、正座をすると裾が整い、着物の乱れが少なくなります。正座をする際には、膝を揃え、裾を整えてゆっくりと腰を下ろしましょう。
一方で、あぐらはリラックスした座り方ですが、着物を着た状態であぐらをかくと、裾が広がりやすく、見た目が乱れます。男性でもフォーマルな場では、正座や椅子に座るのが無難です。
どうしてもあぐらを取りたい場合は、裾を膝の上に乗せて広がらないよう工夫しましょう。
着崩れしないために意識したい座り方のコツ2選
美しく着こなしたつもりでも、座ったり立ち上がったりするたびに、着物が乱れてしまうこともあるでしょう。ここからは、着崩れを防ぐための準備や、座る際に心がけたいコツをご紹介します。
着崩れを防ぐための事前準備
まず、着物を着る前に、しっかりと準備することが大切です。着付けの際に紐をしっかり締め、帯や伊達締めが緩まないようにしましょう。とくに腰紐は、着物全体を支える要となるため、きちんと固定することが重要です。
また、座る前に着物の裾や襟を整えておくことも忘れないようにしましょう。裾が長いと座る際に引っ張られてしまい、着崩れやすくなります。座る前に裾を軽く持ち上げ、膝の上にきれいに乗せることで、着崩れを防ぎやすくなります。
着崩れを防ぐ座り方のテクニック
実際に座る際には、ゆっくりと動くことが大切です。急いで座ると、裾が乱れたり、帯がずれたりする原因になりかねません。まず、座る前に手で着物の裾を軽く持ち上げ、膝の上に整えておきます。
そして、両膝を揃えたまま、ゆっくりと腰を落として座りましょう。座った状態で体を左右にねじったり、足を組んだりするのはNGです。着物で座る際は、できるだけ動作を控えるよう、心がけましょう。
また、椅子に座る場合でも、膝を揃えて座ることが大切です。足を開くと着物の裾が広がり、乱れの原因となります。膝をしっかりと揃え、優雅な姿勢を保つことで、着崩れを防ぎながら美しい姿をキープできます。
【シーン別】着物での座り方のマナーとポイント
和室や椅子に座る場合では、姿勢や動作に違いがあり、初心者の方は戸惑うことも多いでしょう。ここからは、和室での座り方の基本マナーと、椅子に座る際のコツをご紹介します。
和室での座り方とマナー
和室で着物を着て座る場合、最も一般的な座り方は正座です。正座のときは、裾が乱れないよう、両膝を揃えてゆっくりと腰を下ろします。
背筋を伸ばし、足の甲を床に付けるようにして、静かに正座の姿勢を取ります。着物が乱れやすいのは、急な動作や背中が丸くなる姿勢です。しっかりと背筋を伸ばし、膝をつけて揃えるよう意識しましょう。
また、和室では立ち上がる際にも注意が必要です。立ち上がるときは、手で着物の裾を持ち上げ、少しずつ体を起こしていきます。急に立ち上がると裾が引っ張られて着崩れの原因となるため、焦らずゆっくりと行動することが大切です。
正座がつらい場合は、事前に小さな座布団や膝掛けを用意すると、体への負担を軽減できます。
椅子に座る場合のポイント
椅子に座る場合も、着物の裾が乱れないように注意が必要です。まず、座る前に裾を軽く持ち上げ、膝の上にきちんと乗せます。この時、裾が椅子の上に引きずられないように調整しましょう。
次に、椅子の高さに合わせてゆっくり腰を落とし、背筋をまっすぐに保ちます。座った後、両膝は揃えたままにしておきます。足を開くと、着物の裾が広がり乱れる原因になるからです。足元が見える座り方にならないよう、足元の姿勢も意識しましょう。
椅子に座る際も、できるだけ静かで優雅な動作を心がけると、着物の美しさを保てます。
まとめ
着物を美しく着こなすためには、座り方が非常に重要です。基本的に背筋を伸ばし、ゆっくりとした動作を心がけましょう。さらに裾の整え方や、座る際のコツを押さえることで、初心者でも安心して着物を楽しめます。もし、さらに詳しい着物の着方やマナーを学びたい場合は、着付け教室に参加することをおすすめします。プロの講師から直接指導を受けることで、着物での振る舞いもしっかりと身につけられ、自信を持てるようになるでしょう。ぜひ一度、着付け教室で美しい着物姿を学んでみませんか？
