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幻の織物といわれる越後上布!小千谷縮との違いや特徴をご紹介!

公開日:2023/02/01  


着物を着たいと考えている方、幻の織物といわれる越後上布はご存じでしょうか。越後上布は新潟県魚沼市で生産される、生産数が少ない貴重な麻織物です。よく似た麻織物に「小千谷縮」がありますが、違いがわかりにくいかもしれません。この記事では、越後上布と小千谷縮について詳しく解説しているため参考にしてみてください。

越後上布とは

越後上布とは、新潟県魚沼市において、越後上布小千谷縮技術保存協会の会員により生産される麻織物です。新潟といえば米の生産が盛んですが、米の生産がない冬場に、女性の仕事として南魚沼地方に受け継がれてきました。南魚沼地方は湿度が高く保たれているため、乾燥に弱い上布の生産に適しているのです。魚沼地方の麻織物の歴史は古く、奈良時代までさかのぼります。1200年前から塩沢地方で生産されており、朝廷や将軍へ献上されていました。

越後上布は奈良東大寺正倉院に「宝物」として保存されているほどの貴重な織物です。「蝉の羽」に例えられることもある繊細な織物である越後上布の生地は、とても薄いものです。しかし、吸水性、撥水性と通気性に優れる性質を示し、夏物としては最高級の麻織物といわれています。「宮古上布」と並び、北の「越後上布」、南の「宮古上布」と称されています。国の重要無形文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録されているなど、世界的な評価を持ち合わせている織物です。

越後上布の糸は、苧麻を細く裂いてつなぎ合わせたものです。上布の上質さを保つためには、糸の細さが必要不可欠です。口で湿らせながら少しずつ撚っていく作業は非常に時間がかかるもので、熟練者でも1日に5~6グラムしか生産できません。越後上布一反に使われる量は800グラム以上ですので、どれほど大変な作業なのかがおわかりいただけると思います。糸が細くなればなるほど上質になりますが、その分繊細になるため、質と技術を比例させるには高い技術が必要です。

その高い技術は、織物に施される絣柄を実現する際にも使われています。絣柄のための「手くびり」という技法は、染色の工程で色を入れたくない部分に関して、紐で縛り染色されないようにするというものです。紐の強弱によりでき上がりが左右されるため、繊細さが求められる作業です。こうした高い技術が投入された越後上布は、江戸時代には20万から30万反の生産を誇りましたが、今は80反ほどに衰退してしまいました。原料である苧麻の生産数減少や、後継者の老齢化が原因とされています。

越後上布は、使用する糸によって明確に名称が区分されていることも特徴です。経糸緯糸両方に手績み糸を使った「重要無形文化財指定の越後上布」はとくに数が少なく、貴重なものとされています。「古代越後上布」は経糸に紡績糸、緯糸には苧麻の手績み糸を使ったもので「越後上布」は経糸緯糸ともに紡績糸を使用したものです。

小千谷縮との違い

越後上布と小千谷縮は、どちらも新潟県南魚沼市で作られた麻織物です。両者の一番の違いは、小千谷縮は緯糸に強い撚りの糸を使用するのに対し、越後上布は弱い撚りの糸を使用しているところです。また、小千谷縮は、織りが終了した生地を湯もみするのが特徴です。この湯もみをすることにより、小千谷縮独特のしぼが作られるのです。

越後上布の歴史

越後上布の歴史は、平安時代の延喜式や、鎌倉時代の吾妻鏡にも登場するなど、古くから記録に残されています。室町時代には、武家の普段着には越後上布を使うとされており、幅広く流通していたことを記録から読み取ることができます。

新潟県魚沼市は多湿であるため、麻織物の生産に適しており、朝廷や将軍への献上品として献上されました。桃山時代に越後を支配した上杉家が、麻布の生産奨励を行いました。江戸時代に撚りの技術が伝えられたことにより「越後縮」が誕生することになったのです。江戸時代には幕府御用となり、最盛期には20万反もの生産が行われ、最盛期を迎えました。明治時代になると、工業化が進み、昔ながらの形態で手間ひまかけて生産される越後上布は衰退します。

しかし、その高い技術を保存するために、千谷と塩沢の生産地により技術保存協会が設立されることになりました。技術保存協会は、伝承者の養成を行うとともに、績み、織り、絣部門において技術伝承をはかる試みを続けてきました。地道に技術をつなぐことにより、昭和30年には国の重要無形文化財に指定されました。平成21年には、日本の染色技術として、初めてネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に著名な織物となったのです。

越後上布の着物の特徴

越後上布は、細い糸を使っているため、薄く涼しい織物です。暑さが増す7月、8月に合う着物といえるでしょう。また、落ち着いた色あいの物もあるため、9月に着ても違和感がありません。仕上がりは上質な透け感があり、肌触りはなめらかです。その上質さから、フォーマルな場に着ていけそうな感じも受けます。

しかし、麻素材である越後上布はカジュアルな織物であるため、フォーマルな場には適さないかもしれません。とはいえ、その上質さから、ラフさのない、ワンランク上の着回しに適した着物です。越後上布は、上質なカジュアルさを求める大人にマッチする夏の着物といえるでしょう。

まとめ

越後上布について詳しく解説しました。越後上布は、国の重要無形文化財だけでなく、日本の染色技術として、初めてユネスコ無形文化遺産登録となった、高い技術を結集した麻織物です。雪国ならではの高い湿度を生かして発展した越後上布は、最盛期には20万から30万反の生産をほこりましたが、その手間から大量生産には向きませんでした。近代化の波に押されながらも、手績み、手くびりといった高い技術を、技術伝承によって現代まで受け継いできたのです。越後上布は、ワンランク上の上質な普段着として、夏に活躍する着物です。越後上布を着る機会があれば、一度試してみることをおすすめします。

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