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日本の三代紬のひとつとされる牛首紬とは?歴史やできるまでの流れを解説

公開日:2023/02/15  最終更新日:2023/01/16


牛首紬は日本三大紬の中でも実に特殊な紬織物です。牛首紬の着物は生地の表面に、糸の節が浮き出て不思議な世界感を作り出しています。同時にこの不思議な着物はどうやって作られるのだろう?と疑問も浮かぶでしょう。牛首紬の持つ不思議な魅力とは何でしょうか?ここでは石川県の伝統工芸品、牛首紬の不思議な魅力に迫ります。

牛首紬は石川県の白山市で作られている織物

牛首紬は石川県白山市で伝統的に織られている紬織物です。白山市白峰地方がかつては牛首村と呼ばれていたのが、名前の由来となっています。

牛首紬は着物に仕立てられると、表面に独特の糸の節が浮き上がり、色柄と一緒に着物を彩っている点が大きな特徴です。この糸の節は玉繭という複雑な繭を糸にしているため、生じるものです。玉繭は2頭の蚕が一度に一つの繭を作り、本来はくず繭と呼ばれた歓迎されない素材でした。2頭の蚕が吐いた糸は複雑に絡み合い、通常の糸を取るのがとても難しかったのです。牛首村の先人たちはこの玉繭から糸を取り、横糸にして織りあげる技法を編み出しました。玉繭から取られた糸は太く、節があり、取り出すのも織り上げるのも大変な技術を要します。

しかし織りあがった布地はほかに類を見ないほどの丈夫さと、絹糸の繊細な美しさを併せ持っていました。独自の技法で紡がれた糸は、強い撚りがかかり、丈夫で長く着られる着物となるのです。牛首紬はその丈夫さゆえに「着物を釘にひっかけても破れない」釘抜き紬とも呼ばれています。

染色は紬の基本、先染めが多く、バリエーションに富んだ縞模様です。なかでも人気のあるかつお縞は藍色に染めた糸が見事なグラデーションを描き、牛首紬の表面に浮き出る節がアクセントとなって活きています。牛首紬は先染めだけでなく、反物が織りあがったあとに色を染め、柄を描く、後染めの着物も作られているようです。先染めの牛首紬は普段着の扱いですが、後染めのものだと訪問着や付下げ、色無地に仕立てられ、結婚式などの冠婚葬祭に着用できます。

牛首紬の歴史

牛首紬の原形は平安時代の終わり頃に生まれたようです。平治の乱で敗れた源氏の武者が妻とともに、牛首村、桑島に落ちのびてきました。落ち武者大畠某の妻は、機織りに長けており、村の女性たちにその技を惜しみなく伝授したといいます。牛首村は山すその豪雪地帯です。冬場の現金収入を得る手段として、養蚕や製糸、織物の生産がさかんに行われました。耕地の少ない山村の生活は厳しく、貧しい村人は有力者から前借りし、繭や糸で返済したそうです。江戸時代に入ると牛首紬は更に改善され、技法にも新しい工夫が加わり、進化を遂げ、若狭の名産品と呼ばれるようになりました。

明治期に牛首村は白峰と改称されます。大正から昭和初期にかけて、白峰の紬織りはますますさかんになり、集落での総機織り数は100台を数えたそうです。雪深い山村に規則正しい機織りの音が、絶え間なく響いていたことでしょう。

日本が第二次世界大戦に突入すると、絹織物は贅沢品として定義されました。紬の生産、販売は禁止され、日本中の織元が廃業を余儀なくされます。食糧増産のために、蚕の食糧、桑畑は次々に野菜畑になりました。牛首の蚕は絶滅してしまったのです。戦後、牛首紬復活の活動が起こりましたが、国内はまだまだ混乱期にあり、織物工場は需要が伸びず、移転、廃業に追い込まれます。しかし集落の中でただ1件、加藤家が家庭内で養蚕を続け、糸を作っていたのです。

昭和50年代に入ると、牛首紬は最高の品質をもった伝統工芸品としてようやく再認識されます。昭和54年には石川県無形文化財に指定され、牛首紬技術保存会が設立されました。昭和63年には通商産業大臣指定伝統的工芸品として、国の指定も受けています。現在では牛首紬の技能伝承者を中心に、日本三大紬のひとつに数えられる、織物の逸品となりました。

牛首紬ができるまでの流れ

牛首紬はすべての製造工程を一か所の事業所で行っています。分業化が当然の衣類産業において、この方法は極めて珍しいものといえるでしょう。

繭より~煮繭

牛首紬の製造は蚕の繭を選別する所から始まります。通常の繭と2頭の蚕が入った玉繭を選り分けるのです。選別後の繭は製糸窯で煮ていきます。

製糸

窯に浮かんだ繭から糸を引き出します。糸の太さを均一にするために、熟練の技が必要です。

精錬

糸の外側にあるセルシンを取り除く作業です。練りあがった糸を丁寧に水洗いし、脱水後、糸をはたく、糸たたきを何度も繰り返します。

染色

天然材料、藍やクロユリなどで糸を染めていきます。

精織

経糸に通常の糸、横糸に玉繭の糸を使い、機織り機で織り上げていきます。両手、両足の使い方、力の配分や杼(ひ)を打つタイミングが、品質を左右するようです。

まとめ

牛首紬は石川県白山市を産地とする紬織物です。日本三大紬の一つに数えられ、類まれな伝統工芸品として高い評価を受けています。牛首紬の歴史は古く、平安時代に原型ができ、江戸時代に家庭内工業として大きく発展しました。戦時中は贅沢品とされ牛首紬は失われていきます。戦後の混乱期を経て、保存会が発足し、国の指定を受ける工芸品となりました。分業を拒否し、製造工程を一か所で行う姿勢を貫いています。

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