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博多織は日本の伝統工芸品のひとつ!その魅力と歴史をご紹介!

公開日:2022/10/01   最終更新日:2022/11/02

織物は日本に古くから伝わる工芸品です。さまざまな織物がありますが、その中でも、西陣織、桐生織に並ぶ、日本三大織物のひとつであり、経済産業大臣指定伝統工芸品にも指定されている、由緒ある伝統工芸品が博多織です。博多織は、その名の通り、福岡県の博多地区で特産とされている織物です。今回は博多織の魅力に迫っていきます。

博多織の特徴

織物というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?歴史が深いことから少し古臭いのではないかと思う方もいるかもしれません。ですが、織物は、長く愛されてきた理由があるのです。

日本三大織物と言われる織物の中に、博多織というものがあります。デザイン性が高く、いつの時代でもしっくりと当てはまり、愛用されてきました。

博多織の特徴といえば、多くの方が思い浮かべるのが、縦模様のデザインです。博多織の代表的なデザインである、献上柄は、老若男女問うこともないため、愛用する方が多く、一度は目にしたことがあるデザインです。現代では、さまざまな繊維で、さまざまな生地が流通していますが、デザイン性と丈夫さから人気が衰えない織物になっています。

博多織の生地は分厚く、一度締めたら緩まないという特徴があり、この特徴から、着物の帯に多く使用されています。着物の帯で緩まないことは重要なので、博多織は最適な織物なのです。

そして、その人気の高さから、財布やバッグ、ペンケース、ネクタイなど、さまざまな小物に加工され販売されています。では、博多織はいつ生まれたのでしょうか。

博多織の歩んできた歴史

博多織は、1235年、鎌倉時代が始まりと言われています。満田弥三右衛門という博多の商人が中国の宋に渡り、技術を学びました。

その時代の宋は、最先端の技術を取り入れており、弥三右衛門は、新しいビジネスの習得のために渡航したのです。そして、帰国後学んだ織物の技術を博多に広めました。

弥三右衛門は、僧侶と一緒に航海に臨みましたが、当時の航海は、とてつもなく大変で、命がけの渡航だったようです。弥三右衛門の子孫である、満田彦三郎という人物が、弥三右衛門の夢を受け継ぎ、明へと渡航します。

そして、彦三郎の帰国後、竹若藤兵衛、伊右衛門親子と研究と改を重ね、現代に継承される博多織の原点を完成させたのです。そして、博多織は、江戸時代に、黒田藩班から江戸幕府に献上され、その名が広く、一流品として広まりました。

また、歌舞伎役者の市川團十郎が講演で使用したことでさらに名が広まりました。このように、博多織は、長い歴史と、命がけの航海によって伝わってきたのです。

博多織の柄や色に込められた意味

博多織の代表的な柄に、献上柄というものがありますが、献上柄は、実はもともとそのような名前ではなかったのです。もともとは、独鈷、華皿浮け柄と言われていました。独鈷と華皿浮け柄は、仏具である、独鈷と華皿をモチーフにしたことからそう名付けられました。

そして、献上が始まって以来、献上柄と呼ばれるようになったのです。博多織は、複数のデザインが組み合わさって織られていますが、それぞれの模様の意味には、どのような意味があるのでしょうか。

独鈷

独鈷は、密教法具で使用される、仏具のひとつです。煩悩を打ち砕くとされており、細かなデザインになっています。

華皿浮け柄

華皿は、仏を供養するときに使用する華入れになります。こちらは、独鈷より少し幅が狭いデザインになっています。

親子縞

太い線が、細い線を守るように配置された親子縞は、親が子どもを守るという意味からその名がつきました。

孝行縞

それとは逆に、孝行縞は、細い線が、太い線をはさむように配置されていることから、子どもが親を慕うという意味から孝行縞と名付けられています。このようなデザインから博多織は成り立っています。

色の意味

献上時の博多織は、デザインの他に、色にもしっかりとした理由があります。色は、5色と決められており、古代中国の思想である、五行説からきています。五行説は、「木・火・土・金・水」の五つであり、それを表す色が、「紫・青・赤・黄・紺」となっています。

それぞれに意味があり、紫は、高貴な色とされ、皇帝から贈る色として、尊ばれてきました。また、青は平和を表す色とされ、赤は、幸福や富を表す色とされています。その他に、黄は皇帝の威力を表しており、中心のカラーとされています。そして、紺は、信用を与える色であり、知恵のカラーとされています。

まとめ

博多織は、古くから日本に伝わる、伝統的な織物です。日本三大織物と言われ、多くの方に愛されてきました。博多織の特徴である、厚くしっかりとした生地は、一度締めたら緩まないという特徴から着物の帯として愛用されることが多いのが特徴です。

博多織の柄は、献上柄が有名で、老若男女問わず人気のデザインになっています。博多織は、献上品としてさかえたため、品の高い織物として世に広まっています。

また、伝統工芸品にも選ばれている博多織は、模様や色にもそれぞれ意味があり、魅力が溢れる織物なのです。着物を着る機会は減っていますが、博多織の魅力を知ることで、着物へのチャレンジも魅力的なものになるのではないでしょうか。

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