実際の仕事のイメージを掴もう!着付け師の具体的な仕事の流れとは?
着付け師を志したとしても、着付け師がどのような場所で、どのような仕事をしているか知っている人はあまりいないのではないでしょうか。この記事では、着付け師がしている実際の仕事や、仕事の流れなどを説明します。着物教室に通っている人は、参考にしてみてくださいね。
そもそも着付け師とは?
着物を美しく、着崩れさせることなく着せるということが着付け師の仕事です。七五三やお宮参り、結婚式や成人式など、人生の節目となる大切な瞬間を飾る大きな役割があります。そのため、写真館や美容室、結婚式場や呉服店などで活動することが多いでしょう。
着付け師の具体的な仕事の流れ
では、着付け師は具体的にどのように仕事をこなしているのでしょうか。人によって、働く場所や時間には差がありますが、今回は結婚式場で働いている着付け師の1つのケースを紹介します。
まず、朝の7時には出勤して、スタッフとその日の結婚式の流れや、着付けの時間を確認します。その後、8時頃、いよいよ1組目の着付けがスタート。着付けは、基本的に式場の着替え室で行われます。場合によっては、結婚式に参加された親族や友人の着付けをすることも。10時頃、着付けが終わり新郎新婦を送り出します。
お昼休憩を挟み、14時から2組目の着付けをスタート。16時には着付けが終了して、本日の仕事も終わりとなり、帰宅します。場合によっては、結婚式のお直しに呼ばれることも。結婚式の数によっても着付ける人数は異なります。3〜5月、10月・11月は、忙しい時が多くなり、多い時では一日に6人の着付けをすることもあるようです。
着付け師に求められる能力
着付け師に求められる能力の1つ目は、着物の着付け技術です。これは、一番大切な能力だといえるのではないでしょうか。着付け師は、定められた時間内に、着崩れしにくく美しい、その人に合った着付けをするということが求められます。現場というのは人それぞれ違いますが、どの現場でも押さえておきたいポイントは同じです。結婚式や成人式などの場面でも、決められた時間内に着付けを終わらせなければなりません。
また、どれだけ早く着付けが終わったとしても、腰紐が緩かったり帯がしっかり締まっていなかったりすれば台無しになってしまうでしょう。
求められる能力の2つ目は、柔軟に対応できるということです。現場での仕事は、予想がつかないことが起きることもしばしば。担当する人には、細身の人やふくよかな人、お腹が出ている人など、さまざまな体型の人がいます。技術とも関係する点ですが、瞬時にどのような着付けをすればいいのかを判断しなければいけません。
たとえば、バストが大きな人に対してガーゼでおさえ、ふくよかな人の場合は、衿合わせをゆったりするなど人に合わせて着せていきます。持ち込んだ着物で着付けをする場合、小物が不足しているというトラブルも生じるかもしれません。そんな時も慌てずに、ある道具を使って着付けする柔軟性があるなら安心されるでしょう。
求められる能力の3つ目は、コミュニケーション能力です。さまざまなタイプの人と関わる仕事のため、コミュニケーション能力は必要不可欠だといえるでしょう。着付けは終わるまで、数時間立ちっぱなしの状況。その状況で何も喋らないなら、気まずくなってしまうでしょう。気を利かせて、「苦しくありませんか」「成人式楽しみですね」と適度な声かけをするなら、緊張を和らがせることもできます。
また、一つひとつの工程を終えるごとに、「気になることがないか」「きつくないか」など声掛けするなら確認し合って、進めていくことができるでしょう。また、印象をよくする効果もあるので「丁寧な着付けをしてくれた」という満足度もアップすること間違いありません。
着付け師になるにはどうすればいい?
着付け師になるためには、着物の技術が必要です。自分の着付けができることはもちろんの事、他の人の着付けも完璧に行えるようにならなければなりません。そのために、基礎からしっかりと着物の知識を学べる着付け教室に通うことをおすすめします。着付け教室にもさまざまなタイプがありますが、大手の教室なら、着付け師になるための、しっかりとしたカリキュラムが組まれていることでしょう。
教室によっては、最上級コースまで進むと、着付けの仕事を紹介してもらえることもあるのだとか。費用やコース内容などを、しっかりチェックして学校を選びましょう。また、当然ですが着付け師は、自分でも着物一式を持っておくことが必要です。現実的なことではありますが、費用がかなりかかります。長いスパンで捉えて計画的にステップアップしていきましょう。
着付け師は、人生の節目となる大切な瞬間を着物で飾る大きな役割のある仕事です。着物の着付け技術はもちろんのこと、柔軟性やコミュニケーション能力も求められます。有用な着付け師になるためには、しっかり学ぶことができる着付け教室に通うことがおすすめ。費用やコース内容などを、しっかりチェックして学校を選びましょう。