着物の「染め」の種類と染料についてご紹介!
着付け教室で着付けの方法を学ぶことで、着物に関する興味が高まる方も多いでしょう。和服に関する知識の中でも、特に着付けを学ぶときに知っておくと良いのが染色の方法です。和服に鮮やかな色をつけるためには高い染色の技術が必要で、染色の方法だけでも複数の種類があるのです。
型紙を使って生地を染色する方法
着物の染色方法として一般的に用いられている技術の一つが型染めです。これは、型紙を使用して和服の生地に好きな色を染色する方法です。型染めにはさまざまな種類があり、型紙を直接生地の上において、色をつけていく方法もよく利用されています。接着剤を使用して色をつけるタイプの技術もあり、できあがりのイメージに合わせて染色の方法が決められています。
型紙を使用して和服を染色することの大きなメリットは、特別な技術を必要としないことです。型紙を使用して色をつけていくので、誰にでも簡単に行えるため同じようなデザインの着物を大量に作りたいときにも便利な方法です。使用する染料の種類を変えることで、同じデザインの型紙でも違う色の着物を作ることができます。色違いのものを大量に作りたいときにも、よく使用されています。
染色に使用される型紙は、繰り返し使用することができるため、経済的に生地に色をつけたいときにも利用しやすい方法です。染色に使用する型紙は、色を染色する部分の大きさによって異なったサイズのものが使用されます。和服のデザインにぴったりと合った大きさの型紙を選ぶことで、色がはみだしたりせず正確に染色できます。複数の型紙を使用して染色でき、複雑なデザインで染めることもできます。
職人が手描きで生地を染色する方法
着物に手描きで色を染める方法も、生地の染色方法として一般的におこなわれている方法です。手描きで色を染色する方法は、型紙を使う方法ではできないような細かい色のつけかたをすることもできます。人間の手作業によって、直接生地を染色していくために、高級な和服の中にも手描きで色を染色しているものが多くあります。
手描きで染色する方法は和服を染色するのに時間がかかる方法で、和服を大量生産する場合よりも、一枚一枚生産するような場合に向いています。染色をする職人に高い技術力が必要になることも、手描きで色をつける方法の特色で、型紙を使えば誰にでも同じようなデザインの染色ができる型染めと異なり、職人のセンスも求められる技術です。
そのため、高い技術を持っている手描きで染色した和服は非常に高い価値を持っていて、染色した職人が有名な人物ならば、非常に高額で取引されることもあります。染色するときに使用されるのは筆などの道具で、筆に染料をつけて生地に色をつけていくことで、型紙では作りにくい複雑なデザインを持った和服を作ることもできます。
生地の染色に使われる染料の種類
染色の技術とともに、完成した和服のイメージを大きく左右するのが、染色に使用される染料です。どのような染料を使用するかによっても、同じような系統の色でも微妙な違いが出る場合があります。和服の生地を染色するために使われている染料は、使用される材料によって大きく二つの種類に分類できます。
ひとつは天然の素材に由来するもので、もうひとつは化学的に合成された染料を使用して作られる染料です。どちらも、独特の色で染色することができ、和服のイメージに合わせて使用する染料が決められています。天然の材料を使う染料は日本でも昔から広く使用され、手に入りやすい材料を使用して作ることができる染料は、多くの和服を染色するために使われてきました。
天然の素材を使用して作られる染料の代表的なものが、植物を使用して作られる染料です。日本に自生している植物の中には、染料の材料に使用できるものがあり、お湯の中に入れて煮ることで色のついた染料を作ることができます。生物を材料に使用して染料が作られる場合もあり、代表的なものが貝を使って染料を作る方法です。貝の中には内臓に染色の材料となる色素を含んでいるものがあるために、染料の材料として使われてきました。
着物は染色の方法や使用される染料の種類によっても、できあがりのイメージが大きく異なります。染色の方法として広く用いられているのが、型紙を使用する方法です。生地に型紙を置いて色をつけるのが一般的な方法で、誰でも簡単に色をつけることができるため、同じデザインの着物を大量に作りたいときにも利用できる方法です。
型紙は繰り返し使用できるので、コストがかからないという利点もあり、複数の型紙を使えば複雑なデザインの染色もできます。手描きで色を染める方法も行われていて、型紙よりも細かい染色ができます。染料は天然の染料と化学合成された染料があり、どちらも独特の色合いで染めることができます。着物の染め方や染料に詳しくなると、今まで何気なく着ていた着物にも愛着が湧いてくるでしょう。