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昔の着物の一種「水干」とは?平安時代の男の子が着ていた衣装

公開日:2023/02/15  


平安時代の衣装の1つ「水干」(すいかん)。この名前を知らなくても、お祭りや神社、時代劇などで見たことがあるでしょう。現在では神社の巫女が着ているイメージがありますが、もとは男性の衣装でした。なぜ現在は女性が着ているのでしょうか。今回はどんな時に着ていたのか、なぜ女性が着るようになったのか、着付け方法について解説します。

水干(すいかん)とは

水干とは、平安時代の男性の装束の1種です。形は同じ時代に男性貴族が着ていた「狩衣」(かりぎぬ)とよく似ています。水干は丸えりで一つ身、つまり背縫いがない仕立てです。もとは一般庶民が着る装束で、下級の官人や武士に広まりました。庶民が着ていた証拠として、胸元と袖の菊綴(きくとじ)があります。当時の絵巻物を見ると、男の子の衣装にポンポンのような飾りがついているのを見たことがありませんか?

この菊綴は組紐をほぐして作る、菊の花に似た形の装飾ですが、もとは縫い合わせのほころびを補強し、縫った糸を房状にほぐしていた役目を持っていました。また「水干」という名は「水で洗って乾かした」ことに由来します。貴族が生地に使用していた絹は水に弱いですが、庶民は麻の生地を使用。麻は丈夫で水にも強いため、当時の人はガシガシ洗っていたでしょうね。

時代を経るにつれ、水干は派手になるように。「附けもの」と呼ばれ、華やかな飾りをつけた人も現れました。その後公家、鎌倉時代には武家が着用するに。鎌倉時代から室町時代には、元服前の男子の正装に使われ、その装束は「童水干」(わらわすいかん)と呼ばれました。また寺院の稚児は「掛水干」(かけすいかん)といって、袴の上に着て帯を締める姿も一般的になりました。同時期に、武士の間では着用時の決まりも生まれました。

その1つが「垂り首」(たりくび)。Vネックのように着ることで、庶民と差をつけながらも、カジュアルな着こなしを楽しみました。対して首元をしっかり止めるスタイルを「上げ首」(あげくび)と呼び、フォーマルな着方となっています。このように水干は日常着として使われていましたが、時代を経るにつれ「直垂」(ひたたれ)が広まったことで、童水干を除いて武士は着なくなりました。現在では男性が着るのは、祭りの童水干と流鏑馬の時のみ用いられています。

女性が男装して着ることも

水干は男性の装束ですが、女性の中でも唯一「白拍子」(しらびょうし)と呼ばれる舞妓が着ていました。白拍子は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて流行した歌舞。水干や立烏帽子、白鞘巻(しろさやまき)と呼ばれる銀で飾ったつばがついた短刀をさして舞うのが特徴。その姿から「男舞」(おとこまい)と呼ばれました。現在でいうところの宝塚歌劇団の男役ですね。アニメや漫画などでも、白い水干に赤い長袴で踊っている絵を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

彼女たちは貴族の屋敷に出入りすることが多かったことから、若さと美しさだけでなく知識の多さで勝負。中には当時の権力者に寵愛された人も多かったそうです。平家の興亡を描いた「平家物語」では、白拍子が数多く登場。平清盛に愛された祇王と祇女、源義経に愛された静御前などが有名ですね。

現在では巫女の装束としてのみ、女性が着ることができます。基本的には神職として働くしか水干を着る方法はありませんが、お正月やお祭りなどでの神社のアルバイトでは、着るチャンスがあります。興味がある方はこれらに参加すれば、もしかしたら着られるかもしれませんよ。

水干の着付け方

水干の着付け方法は基本的に狩衣と同じですが、その着付け方法には2種類あります。

「襟元を紐で結ぶ方法」と「襟を内側に折りこみ、右肩から回した紐と左脇から回した紐をたすきのようにして結ぶ方法」です。水干袴にすそを入れるかどうかは、流派によって異なります。現在の巫女は袴に入れることはありません。頭には烏帽子をかぶっていたそうです。作業をする時は袖についている紐を引っ張ります。そうすると巾着のように袖口がすぼまり、手首周りがスッキリします。

現在の巫女がそのようにすることはありませんが、時代劇を見ていると、戦いの時や書きものをする時に袖口をすぼめている場面がまれに出てきますよ。袴のすそも同様にすぼめることができます。とくに子どもは活発に動くので、絵巻物を見るとすぼめていることが多いです。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、着物の一種である水干についてご紹介しました。水干は、平安時代の下級男子の衣装であり、その後武士の衣装となりました。また男装の舞妓である白拍子が着ていました。胸や肩の菊綴は、もとは装飾ではないことには驚きですね。現在では流鏑馬や巫女の衣装として目にできるので、皆さんも気軽に見ることができるでしょう。もし近くで見る機会があったら、ぜひじっくり見てみてください。

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