
着物の帯の種類は4つ!それぞれの特徴を紹介
着物の帯の選定は、理想の着物ファッションを実現する上で欠かせません。着物帯は主に、丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯の4種類です。本記事では、それらの4種類の帯の特徴や結び方、シーンごとの帯の選び方をまとめて解説します。本記事を参考に、自分好みかつTPOに沿った帯を選んでみてください。
着物帯の種類とその特徴
着物に合わせる帯にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。
以下に、それぞれの帯の特徴について説明します。
丸帯の特徴
丸帯は数ある帯のなかで最も格の高い帯で、フォーマルなシーンで用いられます。
金銀をあしらった豪華かつ上品な柄が特徴で、重厚感があるため結ぶのにも高い技術が必要です。表裏に柄が施されているため、どの部分にも柄が現れるのが特長的です。
袋帯の特徴
袋帯は丸帯に次いで格が高く、フォーマルシーンでよく使用されます。
成人式の振袖にも一般的に合わせられます。袋帯の格は、色柄や素材によって異なる点が特徴的です。そして、金銀の刺しゅうが施されたものはとくに格が高いとされます。
一部の袋帯はカジュアルな着物にも合わせられますが、格の高い袋帯をカジュアルな場で使うのは不適切です。しゃれ袋帯というカジュアル向けの袋帯もあり、小紋や付け下げに合わせて用います。
名古屋帯の特徴
名古屋帯は主にカジュアルシーンで使用され、付け下げや色無地などに合わせられることが多い帯です。
ただし、付け下げや色無地には袋帯を合わせてもよいため、帯の選択で着物の格を調整できます。名古屋帯には「織り」と「染め」の種類があり、フォーマルには織り、カジュアルには染めを用いるのが一般的です。価格は数万円から数十万円とさまざまです。
半幅帯の特徴
半幅帯は普段着に使われる帯で、小紋や紬といったカジュアルな着物に合わせることが一般的です。
素材には正絹、木綿、麻などがあり、用途や雰囲気に応じて選びます。フォーマルシーンには用いられませんが、錦織の半幅帯はよそ行き用として使用することもあります。価格は数千円から数十万円と幅広いです。
着物帯の結び方
着物に合わせる帯の結び方はさまざまです。以下に、それぞれの帯に適した結び方について説明します。
丸帯の結び方
丸帯は、一重太鼓で結ぶことが一般的です。フォーマルシーンで使用される丸帯は厚みがあり、二重太鼓には向かないことも多いです。
とくに昔の丸帯は長さが短いものが多いため、二重太鼓ではなく一重太鼓を選ぶ場合が一般的となります。両面に柄が施されている丸帯は、一重太鼓で結んでも十分に上品で豪華な印象を与えます。
袋帯の結び方
袋帯は、主に二重太鼓で結ばれます。
二重太鼓は、お太鼓部分が二重になっており、一重太鼓よりも格が高いとされます。この結び方は「うれしいことが重なる」という意味もあり、とくにお祝いの場で重宝されやすいです。
また、振袖に袋帯を合わせる場合には、立て矢結び、文庫結び、ふくら雀結びなどの変わり結びがよく用いられます。
名古屋帯の結び方
名古屋帯は、袋帯に比べて短い長さで仕立てられているため、一重太鼓で結ぶことが基本です。
二重太鼓には長さが足りないため、普段着に適した一重太鼓が標準となります。また、銀座結びという変わり結びが名古屋帯でよく使われ、カジュアルな場で華やかな印象を与えられます。
半幅帯の結び方
半幅帯は、結び方のバリエーションが豊富で、カジュアルシーンで広く用いられます。
文庫結びや貝の口結びは浴衣で定番の結び方であり、気軽に使えます。みやこ結びは優雅な雰囲気を演出し、カルタ結びは自宅での着物にぴったりです。ほかにもリボン結びや矢の字結びなど、気分やシーンに応じた結び方を楽しめるのが特徴です。
これらの結び方は実用性と装飾性を兼ね備えており、多彩なアレンジができます。
シーン別に見る着物帯の選び方
着物の帯は、シーンに応じた選び方と結び方が重要です。
結婚式などのフォーマルな場面
結婚式などのフォーマルな場では、格の高い帯を選ぶのが基本です。
花嫁は丸帯を使用し、両家の母親は黒留袖に袋帯を合わせ、結び方は二重太鼓が一般的です。金銀をあしらった袋帯を選ぶと、よりフォーマル感が増します。ゲストの場合、既婚者は訪問着に袋帯を合わせ、未婚者は振袖や訪問着に袋帯を結びます。
弔辞の場
一方、弔辞の場では、悲しみが重ならないという意味を込め、一重太鼓が用いられます。
喪服には、黒供帯を合わせるのが一般的ですが、近年では黒の袋帯を使うことも増えています。
カジュアルシーン
カジュアルなシーンでは、名古屋帯や半幅帯が選ばれます。
名古屋帯はセミフォーマルからカジュアルまで幅広い場面で使用可能で、種類や柄を着物に合わせて選びます。半幅帯は結び方が多彩で、文庫結びやカルタ結びなどで個性を出しながらコーディネートを楽しめるでしょう。
まとめ
着物の帯は、丸帯、袋帯、名古屋帯、半幅帯の4種類があります。それぞれの特徴や用途に応じて帯を選ぶことで、TPOに合った着こなしを楽しめます。丸帯は最も格が高く、フォーマルな場面で重厚感ある一重太鼓で結ぶのが一般的です。袋帯は結婚式や成人式で活躍し、二重太鼓や華やかな変わり結びでお祝いの席を彩ります。名古屋帯はカジュアルシーンに最適で、銀座結びなどで気軽におしゃれを楽しめます。半幅帯は普段着にぴったりで、多彩な結び方で個性を演出可能です。また、結婚式には豪華な袋帯、弔辞には控えめな一重太鼓、カジュアルには名古屋帯や半幅帯など、場面ごとの選び方も重要です。帯の選び方や結び方で、着物姿にさらなる魅力を加えましょう。