葬式時に着る着物のマナー
身内の葬式に参加する場合、喪服を着るのが一般的ですが女性の場合には着物を着ていくことがあります。
そこで、正しい着物の着用の仕方を知っておきましょう。
色は一体どのようなものにしたらよいのか、あるいは帯の色や種類そして化粧の仕方も同時に見ていきましょう。
着物の色を理解することが大事になる
普段洋服を着ているとなかなか気がつきませんが、着物にはそれぞれ格と呼ばれるものが存在しています。
どのようなものが葬式にふさわしいかといえば、それは黒喪服といわれるものです。黒いことが大前提でそれに加えて光沢などがないことが重要です。
地紋を必要としないことも忘れないようにしましょう。
ただ、足袋に関しては黒にする必要がなく一般的には白いものが利用されています。黒色以外でも例外的にねずみ色やあずき色あるいは藤色といったものを着用しても問題ありません。
羽二重は避けるようにして、光沢のないものを選ぶのが普通です。この時、縁起の良い動物や植物などが描かれているもの、例えば鶴の模様は避けなければなりません。
季節によっても生地の種類を使い分けることが必要ですが、生地の種類は3種類ありそれが袷、単衣、絽と呼ばれるものになります。袷を着用する季節は10月から5月位までが妥当で6月と9月は単衣、7月と8月は比較的生地が薄い絽を利用します。
着物着用する場合の注意点ですが、洋服の場合と同じように可能な限り肌を見せないようにするのが一般的になります。
特に、胸元の辺りは肌が露出しがちになりますのでしっかりと帯を締めて可能な限り隙間を作らないことが重要になります。また、着物を着用する場合でも普段から着用していない場合は崩れやすくなる傾向があります。
ただあまりきつくしすぎても身動きしにくくなったり、体調が悪くなってしまう恐れもあります。そこで、実際に着付けをしたときに動きやすいかどうかを確認しておかなければなりません。
着付けをしておしまいではなく、実際に椅子に座ることや歩いてみることも重要です。その段階で着物が崩れるようならば少しきつめにしておかなければならないでしょう。
一方で、座った姿勢でお腹の辺りがきついと感じるならば、苦しくない程度に緩めていく必要があります。特に、お経をあげているときなどは1時間前後椅子に座っていなければなりません。そのため、座っているときの姿勢でお腹が圧迫されてしまうと集中力がなくなる可能性もありますので注意しましょう。
帯の種類も知っておく必要がある
喪服を着用する場合には、帯の色やデザインなども意識しなければなりません。
帯は2種類で構成されていますが、これは黒喪帯と色喪帯と呼ばれるものになります。喪服との組み合わせ方ですが、1番格式が高いものは黒喪帯と黒喪服です。
おそらく喪服を持っている人ならば大抵帯も黒いものになっているはずです。よくわからなければ両方とも黒くしていけば間違いないです。
次に、黒喪服と色喪帯の組み合わせが2番目に格が高いものとされています。それ以外の格は、黒喪服と黒喪帯、色喪服と黒喪帯、色喪服と色喪服の順番になっていることを知っておきましょう。
色喪帯を利用するときの注意点ですが、一重太鼓と呼ばれる結び方をするのが基本になります。二重太鼓で結ぶのはマナー違反になりますので、気をつけなければなりません。
小物や化粧の仕方も学んでおこう
着物着用するときには、小物がセットになっていることがほとんどです。
例えば草履などがこれにあたりますが一般的には黒いものが用いられています。それ以外でもグレーならば特に問題はないとされています。白は可能な限り避けた方がよく、めでたい結婚式などで利用するものですのでマナー違反といえます。
もしこれから購入する場合には、セットで購入するのが1番になるでしょう。着物に合わせて化粧するときには、普段通りの化粧をするよりも葬式に合わせた化粧を考えた方が良いです。
基本的には薄化粧が原則になります。ベースメイクはそれほどしっかり作りこまないことが大事で、ナチュラルに仕上げることを頭に入れておきましょう。リップの色も、濃いものは使わず薄い色のものを使っていくのが基本です。
女性の場合には、マニュキアや香水を普段からつけている人もいますが、お葬式の時はつけないのが無難といえるでしょう。
特に、マニキュアは自分では目立たないと感じることが多いですが、お葬式の場面では全身の色が地味なので手元が目立ってしまうことが多いです。もし塗る場合でも、ベージュなどの目立たない色を利用する必要があります。
葬式の時には、着物を着ていく女性も多いですが基本的に黒喪服と呼ばれるものが一般的に用いられています。
季節によって使い分けもありますので理解しておくと良いでしょう。帯や小物なども黒を中心とした地味なものを利用する必要があります。化粧も、可能な限り薄く仕上げるのが良いです。