世界的に認められている結城紬！最高級織物の魅力をご紹介！
結城紬という織物をご存知でしょうか？着物を着る方にとっては、よく知れ渡った名前かもしれません。着物の生地は品を表す重要な役割を持っています。最高級の織物であり、世界的にも認められている、歴史ある結城紬は、人気と共に、実用性も高い織物です。今回は結城紬の歴史と魅力について迫っていきます。
上質な糸で紡がれる結城紬
結城紬は織物の中で、高級品とされている、絹の織物になります。茨城県と栃木県にまたがる、鬼怒川流域で生産されています。
すべて手作業でつくっている結城紬は、ユネスコ無形文化遺産にも指定されており、国内だけではなく、世界から認められている織物です。もちろん、国内でも評価は高く、伝統工芸品に指定されています。
生地の特徴としては、軽さと丈夫さ、心地よさを兼ね備えた生地が特徴的です。軽さの秘密は、使用している紬糸にあり、空気を多く含んだ糸によってつくられた生地で、軽さが実現しています。また、空気を多く含むことによって、手触りや、やわらかさがとても上質なものに仕上がっています。
丈夫で着やすいというのも、結城紬の代表的な特徴で、三代着て味が出ると言われるほど、着るほどに味わいが深くなる織物なのです。また、保温性も高いことから、実用性も高く、多くの人から愛されてきました。
本場の結城紬は、布を織る際も特徴的で、経糸と緯糸、両方に、紬糸を使用します。こうすることで、結城紬のもとである、蚕の特性が、存分に発揮され、あたたかみのある、とても丈夫な生地に仕上がるのです。長く愛されるには、長く使用できないといけないため、丈夫な生地というのは、長く愛される条件でもあるのです。
ユネスコ無形文化遺産に登録された結城紬の作り方
本場の結城紬は、独特な作り方によって作られています。そしてその作り方は、とても高く評価されており、長い月日をかけてつくる結城紬は、最高級と言われています。
結城紬を作る工程は、全部で30工程あり、すべて手作業で、分担して行われています。その中でも、糸紡ぎ、絣くくり、地機織りの3つの工程が、国の重要無形文化財に指定されており、国内や世界から絶賛されています。歴史ある絹の織物、その３つの工程を詳しくみていきます。
糸紡ぎ
糸紡ぎは、真綿を紡ぎやすく加工し、つくしと呼ばれる、棒状の道具にかけて、糸を指で引き出していく工程になります。良質でやわらかさを感じることのできる糸を紡げるまでに、3年かかると言われており、綿かけには8年と言われるほど長期間熟練された技術が必要になっています。
絣くくり
目印をつけた部分を真綿で縛り、その部分は色が染み込まないようにして染色します。このことを絣くくりと言います。絣くくりは、糸を縛る力を均一にする必要があるため、作業は1人で行います。模様によっては、1か月、複雑な模様の場合は、半年以上必要な場合があります。
地機織り
染色し、出来上がった糸は、地機織りで織り上げていきます。一反織るのに、1か月かかるものもあれば、1年以上かかるものもあります。紡いだ糸は、人によって癖があるため、その癖を調節しながら地機織りで織っていく必要があります。どの工程も、繊細で熟練の技と技術が必要なため、出来上がった織物が最上級の仕上がりになるのです。
長きにわたり愛され続ける結城紬の歴史
結城紬の歴史は古く、日本最古の絹織物と言われています。奈良時代、朝廷に上納されたとされており、当時は「あしぎぬ」と呼ばれていました。
鎌倉時代に入ると、結城紬と呼ばれるようになり、知名度や人気が高まっていきました。そして、新たな染法や技法が取り入れられ、製品の品質がさらなる向上を遂げ、現代にいたります。
品質の向上に伴い、軽量化にも成功し、長きにわたり愛されている結城紬は、職人の高い技術がいるものの、最高級な織物に仕上がっているのです。そして、経年変化により、味わいが増す結城紬は長く愛される織物なのです。そして、現代では、結城紬に関する資料館や反物の展示館などもあり、より多くの人に魅力を伝え続けています。
また、結城紬を身近に感じられるよう、染色体験や、機織体験ができる施設もあります。結城紬がどのように作られたのか実際に体験できるので、本場の結城紬に触れてみたい人は、体験施設や展示館に行ってみるのもよいかもしれません。着物を普段着ない人でも、結城紬のよさや、愛される理由がわかるはずです。よいものは長く愛される、そんな結城紬を体感できます。
まとめ
結城紬は、日本最古の絹織物であり、結城紬を完成させるには、多くの工程と人の手による作業が必要になってきます。手作業では、職人の熟練の技術が必要で、上質な結城紬を織ることができるまでに、長い年月が必要になります。
やわらかく、丈夫な、結城紬は、着心地もよく、何代にも渡って着ることができるので、どの世代からも長く愛されてきました。結城紬は、現在、さまざまな製法が行われており、種類も豊富になっていますが、本場の結城紬には結というマークが指定されています。
最上級の結城紬であるかどうかは、このマークでわかります。上質な織物は、着るだけで人の心を豊かにしてくれる、そんな素敵な効果があります。
