着物を自宅で洗うことができる!?洗える着物の種類と見分け方
着物に汗染みや目立つ汚れをつけてしまった際、多くの人は専門店にクリーニングを依頼するでしょう。しかし、着物は意外にも自宅で洗える素材が多く、家庭用の洗濯機で丸洗いすることが可能です。今回は自宅で洗える着物の種類や洗濯時の注意点、洗濯後の保管方法について詳しく解説するため、着物の汚れが気になる人はぜひ参考にしてください。
自宅で洗える着物の種類
着物は生地や装飾により、自宅で洗えるもの・洗えないものがあります。
たとえば、ウール素材の着物は表面の縮みが起こりやすいため、自宅で洗うのは避けるのが無難です。
また、金箔・銀箔や刺繍が施されている着物も自宅で洗うのは難しく、着物専用のクリーニングに出すのがおすすめとなります。ここでは、自宅で洗える着物の種類を紹介します。
️綿の着物
綿素材で作られた着物は自宅で洗うことが可能です。近年注目が集まっているデニム生地の着物についても、素材は綿であるため家庭で洗濯できます。
ポリエステルの着物
ポリエステルは丈夫で扱いやすい化学繊維素材です。基本的には自宅の洗濯機で洗えますが、金箔・銀箔などの装飾の種類によっては洗えないものもあります。心配な場合は、着物の購入店舗で事前にお手入れ方法を確認しておくのがおすすめです。
「自宅洗い可」の表記がある着物
近年では、化学繊維と綿が合わさった新素材の着物も増えています。自宅で洗濯可能であるかどうかは着物ごとに異なりますが、自宅洗い可の表記があるものもあります。
着物はこんなときに洗ったほうがよい
着物は普段着る洋服とは異なり、1回着るごとに洗うものではありません。普段着の中でいえば、着物は上着やジャケットのような感覚です。
日常のお手入れは陰干しで、汚れやシミがひどい場合や、全体が薄汚れてきた場合のみ洗濯機で丸洗いするのがおすすめです。
自宅で着物を洗うときに気をつけること
自宅で着物を洗う際は、いくつかの注意点があります。ここでは、着物を洗うときに気をつけるべきことを6つ紹介します。
シワ防止のため畳んで洗う
着物を洗濯する際は、きれいに折り畳んでから洗濯機に入れましょう。そのままの状態で無造作に入れてしまうと、シワがつく原因となり得ます。また、畳んだ着物は洗濯ネットに入れてください。
洗濯機はドライコースを選ぶ
着物を洗うコースがついた洗濯機はほとんどありませんが、普通の洗濯機のドライコースまたはデリケートコースなどで洗えば問題ありません。
さらに、洗剤は着物の色落ち・色褪せを防ぐため、おしゃれ着専用の商品を使用することもポイントとなります。
️目立つ汚れはつまみ洗いする
着物を洗濯機で丸洗いしても、目立つ汚れやシミなどは完全には落ちないでしょう。
気になる汚れがある場合は、洗濯機で洗う前におしゃれ着専用洗剤でつまみ洗いしておくのがおすすめです。
️和服用ハンガーを使って干す
着物は干し方が悪いと型崩れしてしまいます。和服用ハンガーかバスタオル用の大きいサイズのハンガーを使用して、直射日光の当たらない場所に陰干ししましょう。
️アイロンをかける場合は必ずあて布をする
「着物にアイロンをかけてもよいのか」と疑問に思う人も多いですが、実際にはほとんどの着物にはアイロンの使用が可能です。
陰干し後にシワが気になる場合には、着物の素材に合わせて温度を設定することで、問題なくアイロンをかけられます。
ただし、あて布をせずに直接アイロンがけをすると色移りする可能性が高いため、必ず白いあて布をしてシワを伸ばしてください。
️帯は洗わない
着物を洗う際は帯も一緒に洗いたくなりますが、基本的に帯は洗えないと考えておきましょう。使用後のお手入れは室内で干すのみで十分です。
自宅で着物を洗ったあとの保管方法
着物を家で洗ったあとは、折り目に合わせて丁寧に畳みます。雑に畳んでしまうと着用時の畳ジワが目立つため、まっすぐ折り畳めていることを確認しながら作業しましょう。
また、基本的にポリエステルなどの着物は湿気の影響を受けにくく、虫食い被害などもほとんどありません。
絹の着物であれば湿気・虫食い対策が必要ですが、ポリエステルの着物はそのままタンスや衣装ケースに収納してよいでしょう。
注意点として、タンスや衣装ケースいっぱいに着物を詰めてしまうと、シワがつく原因となります。余裕を持って収納できるよう、1段に対して1〜2着程度に留めておくのが無難です。
まとめ
今回は、自宅で洗濯できる着物の見分け方や洗うタイミング、洗う際の注意点や保管方法についても詳しく解説しました。着物を自宅で洗濯できるかどうかは、着物の素材や装飾によって異なります。自宅で洗えるのは綿やポリエステル、洗濯可の表示がある新素材の着物などです。ただし、金箔・銀箔や刺繍があるものは洗濯できないため注意してください。また、自宅で着物を洗う際は着物を畳んで洗濯ネットに入れること、ドライコース・デリケートコースを選択することなども重要なポイントです。洗濯後はシワがつかないよう丁寧に畳み、タンスや衣装ケースに収納して保管してください。