着物の着付けに必要な器具とは?
着付け教室で着付けを学ぶときには、持っていたほうが役に立つ器具がいくつかあります。
なくても着ることができることもありますが、着物を着慣れていない人にとっては持っていたほうがより着やすくなりますのでご紹介していきます。
帯の前面を整えるために使用される帯板
着物の着付けをする場合に必要となる器具には、着物をきれいに着る目的で使用されるものがあります。
着るだけならば、こうした道具は不必要ですが、できるだけ形を整えて着るためには、こうした道具はあったほうが非常に便利です。
着物を着る場合には、通常の場合にまず着物を体に羽織ってから、腰の周りに帯を締めるという手順が取られますが、帯の形は着物の形を抑えるというだけでなくて、全体を引き締めるという意味でも重要です。
帯をきれいに結ぶために役立つのが帯板という道具です。
帯板はパット状の横長の形状になっていて、布で作られた道具で、帯を体に巻くときに帯の前面部に当てて使用されます。
帯板を帯にあててから帯を巻くことで、帯の前面部の型崩れがしにくくなるために、初心者でもきれいに帯を結びやすくなります。
帯板を入れる場所はやり方によって異なりますが、着物と帯の間に直接入れる方法だけでなく、帯を何周か巻きつけた後で、帯の前面部に挟み込む方法もあります。
帯板を選ぶ場合に重要になるのが、しっかりと形を整えることができるように、帯の太さにあったものを選ぶことです。
ですが太すぎると帯の下から帯板がはみ出して、見た目が悪くなってしまうので、帯よりも若干細いものを選ぶことも重要です。
形や素材などもさまざまなものがありますが、使い慣れていない人のために、体に巻きつけることができるベルトがついているタイプもあります。
こうしたタイプの帯板は簡単に取り外しができるので調整がしやすくなっています。
衿を開きにくくする着付けベルト
着物をきれいに着る場合には、衿の部分をきれいに整えることも非常に重要です。
衿の形を整える場合にあると役に立つのが着付けベルトという器具です。
着物の場合には、着付けをしているときは気にならなくても動きまわっていると、形がだんだんと崩れやすくなりますが、特に衿の部分は動くことで開きやすくなってしまうので、そのままにしていると見た目の印象がだらしなくなってしまいます。
こうした事態を効果的に防ぐことができるのが着付けベルトです。
着付けベルトは通常のベルトと同じように横に長いひも状のものですがゴムでできているものが多いです。
衿の周囲につけておくことで、衿が開いてくるのを防ぐことができるので便利なアイテムです。
通常のベルトと異なっているのはベルトの両端についたクリップで止めることができるようになっていることです。
そのため誰でも簡単に使うことができるようになっています。
着付けベルトは衿を整えるために使用されるだけでなく、長襦袢を着る際にも使用できます。
着付けベルトは着物を着た上から体に巻きつけるように使用しますが、しっかりと型崩れを防止するために重要になるのが、ベルトの長さです。
体全体にしっかりと巻きつけることができるように、着物を着た状態で体に巻ける程度の長さの余裕のあるものを使用するのが最適です。
あまり強く締め付けるとかえって動きにくくなってしまうので、つけるときにはある程度の余裕をもって巻きつけるほうが使いやすいです。
衿の後ろ側をきれいに見せる着付けクリップ
初心者が着物の着付けをする場合には、細かな器具を着付けの最中に使用することで、着付けをしやすくできます。
そうしたアイテムの代表的なものが着付けクリップです。
着付けクリップは着物を着るときのために作られた専用の器具です。
着付けクリップは通常のクリップと同じように、クリップの間に着物を挟んで使用します。
着物を着る際に便利なようにさまざまな面で工夫されて作られているのが、着付けクリップの特徴です。
着付けの際に着付けクリップがよく使用されるのが衿の部分です。
衿は着物の中でも特に形が崩れやすい部分ですが、目立ちやすい前面部だけでなく、自分では見ることができない後ろの部分も、気をつけないと型崩れしやすくなります。
そうした場合に役立つのが着付けクリップで、衿の後部をクリップでとめておくことで型崩れを防止することができ、移動もしやすくなります。
着付けクリップは着物と合わせられるように、色やデザインもさまざまなものがあるのも特徴です。
和風のデザインで作られているものも多いので、気軽に着物と合わせて使用することができます。
衿を固定させる使用法以外に、帯を結ぶときなどにも着付けクリップは非常に役立ちます。
両手がふさがっているときなどにも、形を一時的に固定させることができるので帯が結びやすくなります。
初心者が着付け教室で着付けを学ぶときには、準備できるものはあらかじめ用意しておいたほうが、なにかと便利です。
なくても着付けはできますが、よりきれいに着物を着られるようになるためには、こうした器具の使用は欠かせないものになります。