着物の袖口から長襦袢が出てしまうときは?
ちゃんと着物を着たはずなのに、なぜか袖口から長襦袢が出てしまうということはあります。
実はこれは決して珍しいことではなく、実際に着物を着ているといつの間にか出て着てしまうということは起きる可能性が十分あります。
ではどうしてこのようなことになってしまうのでしょうか。そしてその場合はどうすれば良いのでしょうか。
長襦袢が袖口から出てしまう原因を知ろう
着付けをするときは裄の寸法を合わせて綺麗に着ることになるのですが、実は裄寸法だけが合っていたからと言って綺麗に着られるわけではありません。
実は袖幅や肩幅が合っていないと、結果としてズレが生じ、身八つ口などにそのズレが見える状態になってしまいます。
例えば、長襦袢の方が着物に比べると肩幅が狭い場合、襦袢の袖が身頃の方に引き寄せられてしまいます。しかし着物の方は引き寄せられることがないので、袖の振りのところから襦袢がはみ出たような状態になってしまうのです。
また反対に長襦袢の方の肩幅が広い場合、中で余った状態になってしまうため、身八つ口から中に来ている襦袢がはみ出てしまいます。
また長襦袢の方が裄が長い場合、袖の中だけには止まらせることができず、結果的に袖口からはじ出てしまいます。
実際にはみ出た状態になってしまった場合
実際に着付けをする場合、襦袢に腕を通した後に、袖口の山をつまんで左右に引っ張ることで、着物と襦袢を綺麗に揃えることができるようになります。
実は着るときにそれを行うだけで、袖口から出てしまう状態をある程度防ぐことは可能です。とは言っても、やはり外出先で気がついたら出てしまっていることも珍しくありません。
少し程度なら許容範囲という意見もありますが、やはり内側から見えてしまっている状態は決して良いとは言えないので、直したいと考える人も少なくありません。
ではその場合はどうすれば良いでしょうか。そもそも着物と長襦袢の寸法が合っていれば袖口から少し出てしまうことはある程度防ぐことができるのですが、外出先で急に出てきてしまった場合は最初から着付け直すということは無理なので、その場合は安全ピンで簡易的に留める方法がおすすめです。
手前の方を止めてしまうと目立つので、ある程度奥の方を止めることで、袖口から出てきてしまうのをスマートに直すことができます。また、いつも出てしまって困るというときは、少しつまんで縫っておく方法がおすすめです。ちょうど長襦袢の肩と袖が繋がっている部分を糸で簡単につまんで留めておくか、安全ピンで留めれば問題はありません。
ただ肩でつまむとどうしても振りに影響が出てしまうこともあるので、まずは振りを確認することをおすすめします。
ただこの方法は針を刺すのは少しためらうという人にはあまりおすすめできません。さらに、鏡でどのような状態になっているかをチェックするのも良いでしょう。
見ていただきたいのは肩のところで、どちらかにシワが寄っていないか、またずれていないかということを確認します。これらの場合は、袖口をつまんで両手を伸ばすことで、ある程度直すことが可能です。
購入する際はサイズをよく見て買おう
人によっても意見が変わってきますが、着物と長襦袢は同じサイズというよりは、襦袢の方が少しだけ小さいサイズを選ぶ方が袖口から、また身八つ口などから出てしまう状態を防ぎやすくなります。
とは言ってもあまりに小さすぎると今度は袖のところから出てしまうことになるので、少しだけ小さなサイズを選ぶようにしましょう。
だいたいその目安は8mm程度から1cm程度です。それくらいであれば小さすぎることはないので、綺麗に着ることができます。
着物を着ているとどうしても袖口から長襦袢が出てしまうということがあります。
基本的にはそれぞれの長さは合わせて用意するのですが、着方などによってはどうしても着崩れてしまったりすることもあり得ます。少々出る程度であれば許容範囲と言われることもありますが、やはりみっともないと感じる人も少なくありません。
まずは見つけたら直すようにしましょう。まだ購入していなくてこれから購入するという人は、ぜひ着物よりも長襦袢を少しだけ小さなサイズで購入することをおすすめします。その方が袖口から出てしまいにくいというメリットがあるからです。