着付け教室に通わずに独学でも習得できる?
1000年以上の歴史を誇る着物は、今もなお職人の手によってその伝統が受け継がれています。
製織や染色職人の技術は非常にレベルが高く、一子相伝の秘伝を守って作り続けているという職人もいるほどです。
そんな伝統や歴史の詰まった着物を自分でも着てみたい、と思うのは日本にゆかりのある人ならある種当たり前のことといえるかもしれません。
正しい知識を身に着けたいなら教室が1番
動画投稿サイトやSNSには数多くの情報があり、書籍やこれらの情報を参考にしながら着物の着方を練習しようとしている人も少なくありません。
しかしながら、着物は着るだけではなく着て生活し長い時間を過ごすものです。
独学だと一見着られたように見えても歩いている内に着崩れしてしまったり、帯の締め方がきつすぎて体調を悪くしてしまうということもよくあります。
やはりしっかりと基本知識から学びたいのであれば、着付け教室に通って学ぶのが最も良い方法でしょう。
自分自身の着姿を360度、自分で見ることはできません。
だからこそ、自分では気付かない崩れや乱れなどがあるわけです。
これらは実際に講師に見てもらって指導してもらうのが効率も良いですし、崩れや乱れはそのときどきによって出方が違いますから、状況に合わせた指導を受けられる着付け教室のほうが無駄がはないといえるのではないでしょうか。
さらに、いまは着付け教室で着物に関する様々な催しが開催されていることも多く、昔ながらの技法や織り方、制作現場などを見学できることもあります。
実際の造り手に触れたり、言葉を聞くことで着物に対しての考え方が変わったり、間違った知識を正すこともできるでしょう。
百聞は一見にしかずということわざもあるように、実際に見なければわからないことはたくさんあります。
だからこそ、教室に通って様々な経験に触れることが、着物への研鑽を積む意味でも良いのではないか、といえるのです。
教室を決める時は評判や口コミもチェックしよう
さて、実際にどの着付け教室に通おうかと悩み始めると、なかなか決め手に欠けてしまい、決めかねるということもあるでしょう。
一番に目が行くのはやはり月謝・料金でしょう。
料金が高すぎるとどんなに楽しくても通い続けられないですし、無理に通ったとしても精神的に楽しむ余裕がなくなってしまいます。
嬉しいことに、最近は0円で参加できる着付け教室も増えてきているため、こうした所を選んでみるのはいかがでしょうか。
「無料なんて怪しいかも」と不安かもしれませんが、こうした教室では定期的に着物の販売などが行われているため料金が無料になっているだけですから、怪しい要素はないといえるでしょう。
さらに、実際にこのような教室に参加した体験記を書いているブログなども参考になりますし、SNSなどの書き込みや評判を見ながらであれば、実態もつかみやすくなります。
しかも、そもそもが無料なのですから、1度だけ参加してみてイマイチだったらその後は辞退するという形でも良いでしょう。
ちなみに、すでに自分で着付けができる人やある程度覚えている人に関しては、無料教室では求めているレベルに及ばないこともあります。
その場合は追加料金を払って上位クラスに進んでみたり、月謝が少し高めの教室も選択肢に入れてみると良いかもしれません。
教室で学べるアレコレを知っておこう
着付けの教室といえば着付けができるようになる、というのは当たり前ですが、他にも色々なことを知ったり学べる場であることを知っておきましょう。
たとえば着物にも洋服と同じように組み合わせやコーディネート術が存在することをご存知でしょうか。
小物の組み合わせ方ひとつで雰囲気はずいぶん変わりますし、その時その時に合わせて選ぶべき着物の種類や着こなし方もあります。
保管方法や手入れの方法に関しては洋服とは異なり、虫食いなどに注意して管理する必要があるのです。
またシワにならないような着物のたたみ方や、着物を持ち運ぶ時のコツなどもあり、これらはなかなか雑誌や動画などで知ることはできません。
特に注意しなければいけないのは立ち居振る舞いで、階段を登る時や椅子に座るときなどは、帯が潰れないようにあるいは裾がずれないように注意して動く必要がありません。
一見面倒くさいと思われがちですが、こうした動きが日本女性らしくたおやかなふるまいになるため、結婚式やパーティーと言った場でも恥ずかしくない振る舞いを身につけることができます。
着物を着られるようになるということは、それだけでなく着物の組み合わせ方やその歴史、伝えられてきた伝統などを知るということも意味します。
自分の親や祖母が持っていた着物を着てみたい、という人や家族・友人と揃って出かけるのに着られるようになりたいなど、着付けを学ぶきっかけは人それぞれです。
だからこそ、着ることだけを目的にせずに、着物にまつわる色々なことを知って、自分と他の人とのつながりや知識の輪を広げてみるためにも、レベルの高い教室に通ってみるのは非常に良い選択といえるでしょう。