薔薇文様は華やかで人気!着用するのにおすすめの季節は?
薔薇の花は、古くから世界中で愛されています。しかし、薔薇を文様として用いるイメージはあまりないかもしれません。薔薇文様は華やかな印象を与えるので、着物に取り入れてみましょう。この記事では、薔薇文様の着物を着用するときのポイント、薔薇文様の着物を着用するのにおすすめの季節について紹介します。
古くから世界中で愛される薔薇の花
薔薇の花は、古くから世界中で愛されています。ギリシャ神話では、愛の女神であるアフロディーテを飾るために作られたという記述があるのです。薔薇は美や愛の象徴としても愛されています。クレオパトラが薔薇を愛し、薔薇の花や香油を使用していたという伝えも。
ほかにもマリー・アントワネットの肖像画にピンクの薔薇が描かれるなど、世界の歴史の中に薔薇が存在しているのです。日本は薔薇の自生地ということが世界的に広まっています。
日本原産の薔薇には、ノイバラやテリハノイバラなどがあります。日本でも古くから愛されていて、万葉集や古今集などでも詠まれているのです。現在のように花の女王として愛されるようになったのは明治以降だといわれています。昔は桜や梅のように、文様のモチーフになることは多くありませんでした。華麗で豪華なイメージをもつ薔薇の花は、昔の日本では敬遠されていたようです。
しかし、西洋の文化が日本に伝わってくるようになったことで、日本でも薔薇を栽培するようになりました。その後、薔薇文様として着物や帯などにも使われるようになったのです。日本では、華麗で豪華な姿が、春の訪れを告げると共に、新しい時代が来ることを告げる象徴になったのだといわれています。
薔薇文様の着物を着用するときのポイント
薔薇は人気の花ではありますが、着物の柄としてイメージする方は少ないのではないでしょうか。最近では、多様なデザインが求められるようになり、豪華は薔薇文様の着物が増えているのです。薔薇文様の着物を着用するときのポイントを見ていきましょう。
色によって花言葉が異なる
薔薇に、色によって花言葉が異なります。赤は愛、白は純潔、青は奇跡というように色によって異なる意味をもちます。単純に好きな色の薔薇を選ぶことも間違いではありませんが、自分の願いを込めた色を選んでみてはいかがでしょうか。
同系色でまとめる
大きな薔薇が描かれている着物を選ぶと、インパクトが強くなりすぎてしまいます。白、ピンク、赤などの同系色でまとまっているデザインを選ぶと、インパクトが強くなりすぎず可愛らしさが演出できるのです。さらに、全体のイメージがぼやけないようにするために、帯に黒を配するなどの工夫をするとよいでしょう。
帯にも薔薇を取り入れる
着物だけでなく、薔薇柄の帯もあります。あえて着物は薔薇が控えめに描かれているものを選び、帯で大胆な薔薇柄を取り入れる方法もおすすめです。そうすることによって、薔薇がもつ気品さを感じさせられるでしょう。
着用する場の雰囲気に合わせる
着物を着用する際は、季節感を演出することが大切です。ただし、薔薇は華やかなイメージが強いため、着用する場面にも注目しましょう。結婚式に出席する際には、派手なものや目立ってしまう柄の着物は避けなくてはいけません。着用する場の雰囲気に合わせて、適切な色合いや柄の着物を選ぶようにしましょう。
薔薇文様の着物を着るなら春がおすすめ
薔薇文様の着物は、基本的に季節の指定はないとされています。昭和初期頃までは、洋花は通年着用してもよいといわれてきたのです。薔薇は、春と秋の2回咲く花。ただし、5月の薔薇と表現されることが多いため、一般的に春頃に着用することをおすすめします。
薔薇が写実的で茎や葉と共に描かれている場合、薔薇が単独で描かれている場合は、薔薇が咲く半月前に着るようにしましょう。薔薇がデザイン化されている場合や総柄となっている場合は、通年着用することが可能です。振袖に薔薇文様を取り入れたいと考える人も多いでしょう。薔薇は色が多い花なので、バリエーションが豊富にそろっています。地色が何色の振袖でもよいので、薔薇柄の振袖は人気が高いのです。
薔薇の大きさや色、組み合わせ方によってさまざまな印象を演出できます。可憐なイメージから大胆でゴージャスなものまで幅広いのです。地色と薔薇の色の組み合わせ次第で、周りの人とは違う個性的な着こなしもできるでしょう。また、蝶やりぼん、動物柄など、薔薇はどんな柄でも馴染みます。小物類とも上手に組み合わせながら、薔薇文様の着物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
薔薇は、世界中で愛されている花です。西洋の文化が日本に伝わってきたことで、日本でも薔薇を栽培するようになりました。その後、薔薇文様として着物や帯などにも使われるようになったのです。薔薇文様の着物は、成人式で着用されることが多いでしょう。薔薇は色がたくさんあり、大きさや描かれ方によってもさまざまな印象を演出できます。薔薇文様の着物は、基本的に季節に関係なく着用することが可能です。季節感にこだわりたい方は、薔薇が咲く春頃に着用することをおすすめします。