不器用でも着付けは覚えられる?
着物はなかなか簡単には着られないという人も少なくありません。もちろん自己流で簡単に着てしまう人もいますが、どれだけ頑張っても着崩れてしまうという人もいるのではないでしょうか。では教室に通う場合、器用な人であれば簡単に習得できそうですが、不器用な人の場合も習得することはできるのかどうか見ていきましょう。
不器用って一体どういう状態なのだろう
そもそも不器用とは、手先で何かをしたとしてもイメージ通りに出来上がらず、うまくいかない状態のことを言います。何か作業をする場合もその手つきは非常にぎこちなく、どれだけ頑張ってもうまくいかない経験がある人もいるでしょう。
しかし、実は自分のことを不器用と言っている人の中には、自分のことを過小評価している人も決して少なくないのです。そして本当に手先の動きがぎこちない人でも、しっかりと基礎とかを教えてもらうことができれば、案外技術を習得できる場合も少なくありません。
不器用だからと言って着られないわけではない
着物を自分で着ることができるとかっこいいと感じている人は決して少なくないのですが、そもそも着物自体敷居が高いと感じている人もいるでしょう。そのため、憧れは抱いていたとしてもなかなか着つけ教室に通うことはできず、結局着物と疎遠になってしまっている人もいるはずです。
ただ、たしかに洋服のように立体構造となっているわけではなく平面構造なので、なかなかうまく最初は着られないかもしれません。しかし、日本の歴史をよく考えてみると、日本自体は今では洋服を着ている人のほうが多くなっていますが、江戸時代まではほとんどの人が着物でした。
ではこの時代に生きていた人が全て手先が器用だったかというと決してそういうわけではなく、現代社会と同じで器用な人もいれば不器用な人だっていたのです。しかしこれらの人が自分で着物を着ずに誰かに着せてもらっていたかと言ったらそういうわけではなく、しっかりと自分で着ることができていました。つまり、不器用というのは着物を着ることができない理由にはならないと言っても決して過言ではないでしょう。
準備と基礎と慣れが重要になってくる
不器用な人でも着つけをしっかりと習えば自分で着物を着ることだってできるようになりますが、いくつか知っておきたいことがあります。最初にすべきなのは、着物を着るためにはいろいろなものを用意しておかなければならないので、それらの準備を怠らないということです。
準備が足りないと、高い技術を持っていたとしてもなかなかきれいに着ることができないということにもなりえます。したがって必要なものはその必要数しっかりと用意し、いざ着物を着ようというときに足りないということがないように注意しましょう。着つけ教室に通う場合、自分で用意するものと教室のほうでレンタルできるものなどがいろいろとあるので、何を用意すべきか聞いておきましょう。
そしていざ教室で習う場合は、しっかりと基礎を身につけるようにするのを心がけるのがポイントです。最初からきれいに着ることができれば問題はないのですが、やはり基礎を知っておかないときれいに着ることは難しくなります。自己流でなんとかなる場合もありますが、やはりきれいに着るためには基礎をしっかりと身につけること、これが重要になってくるでしょう。また帯の締め方ですが、実際にはいろいろなデザインがありますが、最初から欲張っていろいろとチャレンジしないのも重要です。
まずは基本的な一重太鼓結びを見につけ、そこからどんどんいろいろなデザインの結び方を身につけていくと良いでしょう。そして、教室でいろいろと習ったら自分で自宅でも練習してみて、自分の手足が頭の中で描いたように動くまでコツコツ試してみるのをおすすめします。
人間の動きは脳で制御されていますが、慣れていない動きに関しては脳がうまく指令を出すことができないため、なかなか思ったように体が動いてくれません。反対に練習を繰り返すと脳の中にその指示を出す経路が出来上がるので、その状態になれば思ったように手足が動いてくれるようになります。
つまり、着付けに関しても練習すれば次第に自分の想像したように体が動いてくれるようになるので、少しずつ上手になっていくというわけです。もちろん習得のスピードは人によって違いますが、なかなかうまくいかないからと言って諦めてしまうのではなく、いずれできるようになると練習をし続けることを忘れないようにします。
着物は洋服のように立体構造ではなく平面構造なのでなかなかうまく着られない人もいますが、基礎を身につければ着ることは十分可能です。また不器用な人だから着られないということはなく、基礎を身につければ、必要な道具をしっかりと用意すれば次第に着られるようになっていきます。
ただ習得のスピード自体はその人によって違っているので、なかなか着付けができないという人も決して珍しくありません。しかし絶対に無理ということはないので、なかなかうまくいかないからと諦めずに、まずは練習を繰り返して着つけの基礎を身につけることから始めてみましょう。