
リサイクル着物の選び方

リサイクル着物は比較的安価に購入できるため、気軽に着物を楽しみたい人にとってありがたい存在です。しかし、リサイクル着物はすでに使用済みであることから、いくつかのポイントに注意して購入を検討しなければいけません。本記事では、そんなリサイクル着物の選び方を3つのポイントに分けて解説します。
ポイント①サイズ確認
リサイクル着物を選ぶ際には、まず最初に「サイズの確認」が大切です。特に昭和期までに仕立てられたアンティーク着物は、当時の女性の体格に合わせて作られているため、現代の女性には小さめであるケースが多く見られます。そのため、見た目の美しさだけで判断せず、着物特有の寸法である「裄丈」「身幅」「身丈」をしっかりチェックすることが重要です。
裄丈
まず重視すべきなのは「裄丈(ゆきたけ)」で、首の付け根から手首までの長さを示します。裄丈が短いと腕が窮屈に見えたり、全体のバランスが崩れたりするため、着物選びの最優先ポイントとされています。少し短い程度であれば、半襟を多めに出すなどの工夫で着こなすこともできますが、訪問着など格式の高い着物では長めの裄丈を選ぶと、より上品な印象になるでしょう。
身幅
次に確認したいのが「身幅(みはば)」で、体の胴回りに関わる寸法です。着物は布を体に巻き付けて着るため、身幅が大きすぎると布が余って歩きにくくなり、逆に小さすぎるとはだけやすくなってしまいます。多少の差であれば、着付けの際に足を前後に重ねるようにして調整できますが、極端に合わない場合は見た目にも大きく影響します。
身丈
最後に「身丈(みたけ)」ですが、これは着物の縦の長さを示し、一般的には身長と同じくらいが最適とされています。ただし、身丈は調整が比較的しやすい部分で、多少短くても腰ひもの位置を調節しておはしょりを整えれば、見た目に違和感なく着ることができます。前後5cm程度の差であれば、着付けに慣れた方なら問題なく着こなせることが多いようです。
ポイント②生地・糸の強さ
リサイクル着物を選ぶ際には、サイズだけでなく、生地や糸の状態をしっかり確認することも重要です。年代物のアンティーク着物に限らず、リサイクル品は長く着用されたり保管されたりしていることで、布や糸が弱っている場合が多いからです。特に動作の負荷がかかりやすいヒップ周りは傷みが出やすく、こすれによって布が薄くなっているケースが少なくありません。
そのため、購入前に裏側を含めて丁寧にチェックすることをおすすめします。また、一度も着られていない未使用のリサイクル着物であっても、長期間保存されているうちに糸が劣化してしまうことがあります。糸は時間の経過とともに強度が落ち、引っ張るだけで切れるような状態になっていることも少なくありません。
見た目が美しくても、縫い目が弱っていると着用中にほつれたり破けたりする可能性があるため、状態の確認は欠かせません。もしお気に入りのリサイクル着物が見つかったものの、糸の弱りが気になる場合は、補修によって対応できることもあります。糸の劣化だけなら、元の縫い目の上から新しい糸で重ねて縫い直すことで補強が可能です。この程度の修繕であれば、自分でお直しする方もいれば、和裁士やお直し店に依頼することもできます。
ポイント③汚れ具合
リサイクル着物を選ぶ際には、生地の状態やサイズと同様に、汚れの有無やその程度を確かめることも大切なポイントです。基本的に未使用品を除けば、リサイクル着物は誰かが実際に袖を通したものです。そのため、新品のような完璧な状態を期待するよりも、多少の経年による汚れや使用感があるものとして見ておいた方が安心といえます。
特に汚れが出やすい部分として挙げられるのが、胴裏・襟元・袖口の3箇所です。これらは肌や衣類と頻繁に触れる場所であり、日常的な摩擦や汗、メイクなどの影響を受けやすい部分です。なかでも襟元は皮脂汚れやファンデーションが付着しやすく、丁寧に手入れをしても完全には落ちないケースがあるため、事前のチェックが欠かせません。
また、どの程度の汚れを許容できるかは人それぞれで、大きな個人差があります。少しの変色なら気にならない方もいれば、肌が触れる部分の汚れに抵抗を感じる方もいます。そのため、購入前には実際に着物を手に取って、自分の感覚で「着ていて気にならないか」「身につけても不快に思わないか」を確認することがとても重要です。
もし実店舗で購入できず、ネットショッピングを利用する場合には、写真だけでは汚れの状態が分かりにくいことがあります。そのような際は、気になる部分について店舗へ問い合わせ「襟元に変色はあるか」「袖口の汚れ具合はどの程度か」「胴裏にシミはあるか」など、具体的な状態を確認すると安心です。
多くのショップでは丁寧に対応してくれますし、追加で写真を送ってくれることもあります。リサイクル着物は一点ものが多く、多少の汚れがあってもデザインや色柄が気に入って購入する方も少なくありません。しかし、後から後悔しないためには、自分の許容範囲を理解し、汚れの位置や程度をしっかり確認したうえで選ぶことが大切です。
まとめ
リサイクル着物は、手軽に和装のおしゃれを楽しめる魅力的なアイテムです。しかし一点ものゆえに、サイズや状態を見極めることが心から満足できる一枚に出会うための鍵となります。本記事では、まず裄丈・身幅・身丈といった基本寸法のチェックから始まり、生地や縫い糸の強度、さらに使用感が出やすい汚れの確認まで、失敗しない選び方を3つの視点から丁寧に解説しました。どれもリサイクル品ならではの特性を踏まえた、実用的で安心できるポイントばかりです。デザインに心惹かれつつも、購入後に後悔しないためには、これらのチェックが不可欠です。



















