読谷山花織ってどんなもの?幻の花織の特徴や歴史をご紹介!
読谷村で作られている織物が読谷山花織です。綺麗な幾何学模様と立体感ある図柄が特徴の着物を紹介します。織りは高度な作業となっており、ベテランの職人でも1日の作業量はおよそ40cmといわれています。模様には意味と願いが込められているので、興味のある人は記事を参考にしてください。その特徴を見ていきましょう。
読谷山花織(よみたんざんはなおり)とは
模様に意味と願いが込められているのが特徴です。沖縄の風習に合わせた模様もあります。織りは高度な作業が求められているので、大人用の着物が完成するまで時間を要します。
独特の風合いが表現されている
15世紀頃から織られていましたが、正確な時代は分かっていません。当時は中国や東南アジアと貿易が盛んだったこともあり、琉球に伝わったといわれています。沖縄の染料を使用して製造されており、およそ30を超える種類の織物を顧客に提供しています。
花や幾何学模様が綺麗に作られているのが特徴で、素材は絹が多く用いられています。綿で作られているものもあります。
模様の種類
基本の図柄があります。それぞれの図柄には意味が込められているので、図柄と意味を確認しながら見てみるとさらに楽しめるでしょう。
銭花はお金を連想させる模様なので、裕福になるように願いが込められています。扇花は子孫繁栄を意味します。末広がりを連想させるからです。風車花には長寿の願いが込められています。こちらは沖縄の風習ですが、沖縄では97歳になると風車を配るからです。
これらの基本の図柄に個性を発揮するために、さまざまな模様を入れていきます。アレンジすることで職人らしさが発揮されるので、読谷山花織の魅力がさらに増します。興味のある人は図柄の意味も調べてみましょう。
織りは高度な作業
織りながら模様を作っていくので、織る作業と模様を作る作業を同時にできる高いレベルが職人には求められています。ベテランの職人でも作業が難しいといわれており、1日の作業量はおよそ40cmです。そのため、大人用の着物を完成させるには2か月の期間を要します。
また、時代背景の影響などもあり現在は生産規模が縮小されているので、市場に多く流通していません。少量生産の体制はしばらく続く見込みです。それゆえに着物を保有していると希少価値が高くなります。
読谷山花織に用いられた技法
1つずつの工程に手間と時間をかけています。細かい作業が工程ごとに求められているので非常に繊細な作業といえます。
デザインの技法
独特の幾何学模様のデザインは、方眼紙に色鉛筆を使用して作成します。銭花、扇花、風車花の基本の図柄を中心にデザインを進めていきます。そこから職人のアレンジを加えることで30を超える織物のデザインが誕生します。
絣括りの技法
素材となる絹の糸に染色する部分と染色しない部分が存在します。染色しない部分には綿の糸に模様をつけていきます。綿の糸を使用することで染料がその部分だけ染み込まなくなるからです。読谷山花織は絹と綿で作られている理由がこれで分かります。
整経の技法
こちらは重要な作業になります。1cmの間に28本の糸を通す作業です。糸の緩みや模様の乱れが発生してしまうので、慎重に丁寧に作業します。
仮筬通し
織りの作業に入る前に行います。糸を1本ずつ割り振っていく細かい作業なので労力がかかります。
経巻の技法
一定の力加減で作業することが求められています。こちらも完成形を左右する大事な工程となります。絹の糸と綿の糸の張り具合を一定にすることで模様が美しくなります。
織りの技法
大変根気が求められる作業です。模様を作りながら足元のペダルを踏んで作業を進めていきます。大人用の着物を織るのに2か月程度の期間を必要とする理由が分かります。
読谷山花織でできた着物の特徴
模様の美しさと立体感が唯一無二の着物を演出しています。沖縄の伝統工芸品として、国内のみならず海外からも人気を集めています。
着物の特徴
図柄の美しさだけではなく、立体感を演出しています。着物、帯、手巾などが流通しています。また、着物には数々の願いが込められているのでロマンチックな気分を味わえます。幾何学模様の規則性は花のように美しいので人気を集めています。
湿気に弱い特徴がある
絹の糸でできているので湿気に弱くなっています。そのため、日頃から保管方法に気を付けるようにしてください。特に、虫食いやシミには十分注意しましょう。風通しの良いクローゼットなどに保管するか、湿気を吸収するアイテムを購入してクローゼットなどに保管すると良いでしょう。読谷山花織は希少価値が高く、あまり市場に流通していない着物です。少しでも長持ちできるように大切に扱ってください。
沖縄の伝統工芸品
日常生活で使用する工芸品として人々から愛されています。また、高度な手作業で丁寧に制作されているのが特徴です。
まとめ
沖縄県立博物館では、読谷山花織の着物や歴史に触れられます。営業時間や休館日などの施設の情報はホームページを確認してください。少量生産体制のため市場に多く流通していませんが、長い時間をかけて制作された着物です。興味がある人は購入してみましょう。素材の良さと手作りの温もりを体感して沖縄の歴史を感じてください。