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着物の名札「落款」とは?

公開日:2020/09/01   最終更新日:2020/09/09

落款(らっかん)という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。掛け軸などの芸術品に記されている作者の銘、という認識が一般的ですが、実は着物にも落款はあります。いわゆる「名札」と言われるものですが、いったいどのようなものなのか、和装を楽しむならぜひ一度学んでおきましょう。

着物の落款とはどういったものでしょうか

落款は略語であり、正式には「落成款識(らくせいかんしき)」といいます。芸術的な作品に記す作者や作成日時などの詳しい情報ですが、実は着物にもこれが記されていることはあまり知られていないでしょう。それを見れば製作工房がわかったり、織り方などがわかったりするのが特徴で、見る人が見ればどの作家がどのようにいつ仕立てたかがわかる証拠です。

中には類似品もありますが、落成款識を見ればきちんと見分けることもできるため、とても重要な印と言えます。もし巧妙に真似たものがあったとすると、素人が見分けることは難しいです。また同じ作家でもデザインが異なる場合もあり、時代によっても変化が見られることがあるため、専門知識を要する場合も少なくありません。

例えば同じ工房、つまり同じブランドであっても、初代と二代目とではデザインが変わるのが一般的です。その意味を知ることで和装について深く知ることができるようになりますし、より愛着が湧き、名工の手によるよい着物だと自信を持つこともできるでしょう。

つまり落成款識は作家がしっかり仕立てたという職人の仕事の証であり、価値を裏付けるエビデンスでもあるのです。見た覚えがないという人もいるかもしれませんが、位置はおおむね、おくみか衿先にありますので是非注目してみてください。

専門家でなければ誰のものかわからない場合もあります

新しい着物であればまず問題にはなりませんが、とても古いもので、どういった経路で手元に入ってきたかもわからない場合もあるでしょう。落成款識らしきものはあっても、読めなかったり破損していたり、誰の作かまったくわからないというケースも少なくありません。本来は名札であり、作家名はもちろん、工房や産地まで調べられるとても役立つものです。

ただ、素人が簡単に識別できるものでもなければ、すべてについているものでもないため、情報を得ることが難しい場合もあります。落成款識はそもそもデザイン化されているロゴマークのようなものです。読んで識別できる文字ではなく、書体が難しい印鑑のようなマークになっていることもよくあります。

誰が見てもすぐにどの作家の手によるものかがわかるというわけにはいかず、どうしても調べたい場合は着物の専門家に相談する必要があるでしょう。もちろん専門家は豊富な知識を持っているので、有名な作家であれば一目で断定できるケースも多いです。

専門家の優れた点は、すぐに誰のものかが判明しなくても、初代作家で似たデザインのものがある、この一門の作に似ているというように、独自に推理推測ができることです。正しい価値を知りたいなら、やはり専門家に実物を見てもらうのが一番ですので、単純に「誰のものか」「なんと読むのか」と質問してもなかなか識別することは難しいでしょう。

証紙とはなにが違うのでしょうか

注意したいのは、別に「証紙」がついていることがある点です。証紙には、それがどんな製品でどんな価値を持つものなのかが書かれていて、一般的には高級な着物だということを証明する書類として捉えられます。ブランド品の保証書、貴金属の鑑定書と同じだと考えればよいでしょう。価値を確定する資料という意味では、落成款識も証紙もどちらも役割は同じです。

ただ強いて言えば、落成款識のほうは作家や工房の情報を明確にするもの、証紙は着物の価値やブランド力まで示すものという違いがあります。落成款識でどこの誰がいつ頃作ったものかがわかったところで、そこに価値を見出せるかどうかはまた別問題です。

それに比べて証紙は、経済産業大臣が指定する検査を受け、正式に合格したブランド力を持つ保証になります。フランスワインの格付けのようなもので、証紙を発行する組合が設けた厳しい基準をクリアし、高い品質を有するお墨付きを得ている証拠なのです。

つまり証紙がついている着物は例外なく高級であり、自信を持って所有できる品物だと言えます。基準はいくつかあり、絹100%であることを前提に、機械織りか手織りか、染色方法はどのようなものかなど、詳細な情報とともに記載されています。

ただ大きな違いは、落成款識は作家がわかるのに対し、証紙では誰が作ったのかがわからないということです。同じ柄や素材で作られた有名ブランドの着物には同じ証紙がつけられることになり、例え作家が違ってもそれを知ることは適いません。それだけに落成款識は「名札」であり、作家を知るうえでとても大切な意味を持つことになります。

 

落款(落成款識)は着物の名札とも言われる大切な情報です。素人が見分けることはなかなか難しいですが、古いものでも作家の銘や工房を知る手掛かりとなり、品質や由来を知るうえでとても奥深い情報を与えてくれます。

価値やブランド力を知るためには証紙を確認することが一番ですが、証紙からは作家の銘はうかがい知ることはできません。落款は見れば誰でもわかるようなものではないため、正確に知るには着物の専門家に実物を見てもらうのが一番です。

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