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雅楽の舞曲が起源の青海波とはどんな柄?文様に込められた意味とは

公開日:2023/04/01  


日本の伝統文様は世界からも高い評価を受けていますが、込められた意味には日本独特のものがあります。行事や風習から生まれたものが多く、昔の人の想いが伝わってきます。文様に込められた意味はさまざまであり、そのどれも幸が根本にあります。今回は、青海波という柄に焦点を当て、特徴などを探っていきましょう。

青海波文様とは

青海波模様は波頭を幾何学的にとらえた文様とされ、日本だけでなく世界各地で見られます。古くから用いられていた青海波模様は、大陸から日本に伝わったとされています。雅楽の舞曲が起源であるとし、陶器や蒔絵などさまざまなものに使われていました。江戸時代の舞人の衣装にはこのような波形の文様がつけられており、おめでたい柄として広まっていきました。

青海波模様にはさまざまなバリエーションがあり、色も青色だけでなく多くの色を使っています。工芸の世界では広く用いられていて、日本の代表的な工芸品にも使われ、和のイメージを引き立てているのも特徴的です。和柄のイメージが強い青海波を使った商品も多く、着物や帯だけでなく巾着の柄としても見られます。おめでたい柄なので贈り物にも適しており、インテリア雑貨として使われることも少なくありません。

青海波の種類

青海波にはさまざまなバリエーションがあり、扇形の部分を変えた青海波模様があります。菊青海波は扇形の部分を菊の花で表現し、松青海波は扇形の部分が松になっています。菱青海波という柄もあって、扇形の部分が菱形になっています。また現代ではアレンジされたものも多く、いろいろなアイテムがあります。

青海波文様に込められた意味

青海波文様には、「無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願い」が込められています。吉祥文様のひとつで縁起がよいとされており、動植物などの図柄と合わせたりします。特にアジアで好まれ、着物や調度品にあしらわれることが多く、凶事には決して使われることはありません。縁起がよいとされている文様なので、着物のような和のもの以外に取り入れるのもよいかもしれません。

意味を知ることでイメージは大きく変わるので、日本の伝統文様をより深く知る必要があるでしょう。特に由来を調べると、どのような想いで作られたのかがよく理解できます。青海波と聞いただけで広い海をイメージし、無限に広がる大海原が浮かんできます。かつて人々は青海波文様に未来永劫へと続く幸せを願い、平和な暮らしを求めたのでしょう。

青海波文様の品

青海波文様がついている製品はいろいろありますが、縁起の良い文様とされているため、何かひとつでも持っておくと運気があがるかもしれません。縁起のよいものを持っていると気分もよいので、運気アップにつながるとされたのでしょう。着物や帯は常に身に着けるものではないので、青海波文様をあしらった財布やバッグがよいでしょう。最近はインテリアとして壁紙に使ったり、置物の柄にも使われていたりします。

青海波文様の着物は通年着られる

青海波文様の着物が愛されているのは縁起がよいというだけでなく、着物に溶け込んだ柄を楽しんでいるからでしょう。波のイメージは涼しげで夏を感じさせるため、夏に単衣の着物として着用するのが望ましいです。けれど青海波文様のようなデザイン化されたものは、通年着用することが可能です。

果てがない波は永遠や長寿を意味し、また荒々しい波は強さをイメージします。つまり同じ波の文様であっても、人の感性によって描かれ方は異なります。ただ伝統文様に多い魔除けなどの文様ではなく、縁起のよいものとして受け継がれています。

青海波文様と組み合わせる着物の柄

着物の柄として青海波文様だけを使う場合もありますが、動植物の柄を組み合わせることも少なくありません。たとえば紅葉と組み合わせると秋に着用するのが望ましいです。また紅葉と流水を組み合わせると、5月にも着用可能となります。紅葉と桜の組み合わせは通年着用できます。着物の柄というのは単一ではなくさまざまな柄と組み合わせるため、通年着用ができることが多いです。

縁起のよい柄

着物の柄には青海波文様と同じように縁起のよい柄が多く使われており、松竹梅はおめでたい柄として通年着用可能で、お正月にはピッタリの柄となっています。唐草はどこまでもツルが伸びる生命力の強いイメージなので、繁栄、永遠を表現しています。またオシドリの柄は夫婦の変わらぬ愛をイメージします。このように着物の柄には縁起のよい柄が多く使われています。

まとめ

青海波についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?着物の柄は連続しているものが多く、連続することで存在感が増します。青海波文様も波が連続し、着物にふさわしい柄となっています。そして波が無限に広がる様から、縁起のよいおめでたい柄として受け継がれています。青海波文様をメインとし、動物や植物を組み合わせることで、着物を着用する季節が変わってきます。これは四季がある日本だからこそであって、着物の世界も四季を楽しむ風習のようなものが根付いています。そして四季折々の草花を着物の柄にあしらい、意味が込められた伝統文様と組み合わせることで、さまざま季節感を楽しめます。

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