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夏にピッタリ!?薄物ってどんな着物?知っておきマナーとは

公開日:2022/08/01   最終更新日:2022/08/02


暑い時期はなるべく薄着で涼しく過ごしたいですよね。着物を着る際も同じです。風通しのよい着物で快適に過ごせることが理想的ですが、そんな理想にピッタリの着物があります。みなさんは薄手の着物がある事をご存知でしょうか?今回は、暑い時期にピッタリの薄物の着物についてご紹介します。

薄物は夏にピッタリの着物

気温が高く湿度の高い日本の夏は快適とはいえないです。着ているものは汗でベタベタと張り付き不快な思いをした経験もあるのではないでしょうか。着物を着る際は尚のことです。通常の着物は風通しがよいとは言い難いですが、風通しがよく生地も薄いものがあります。それが、夏にピッタリな薄物の着物です。

薄物の着物とは、透け感のある生地で裏地を付けず単衣に仕立てた着物のことを言います。単衣の着物との違いは、簡単にいえば透け感があるかないかです。基本的な着用時期は、7月と8月の一番暑い時期になります。しかし、現在は真夏の気温になるのが早いことから、自身の体感温度によって7・8月以外でも着用することは問題ありません。

薄物の素材は絽・紗・麻の3種類

薄物の着物の基本的な生地は、絽・紗・麻の3種類あります。

絽は、絽目と呼ばれる細かな穴が縞状に入っているのが特徴です。夏物としてはどんなシーンでも利用可能なので王道といえるでしょう。フォーマルのシーンでも着用可能なのでとても使い勝手がいいです。生地には透け感があり、風通しもよく暑い夏でも涼しく着ることが可能です。また、着物だけではなく帯や襦袢にも使われることがあるくらい万能な生地です。絽は、からみ織またはもみじ織といわれる技法で織られており、生地の目が大きく通気性がよいのが特徴です。平織を混ぜて織れば、繊細な柄を描くことも可能で訪問着や留袖に仕立てることも多くなっています。

紗は、生地の間に隙間を作って織る技法を用いており、絽よりも透け感のある生地になっています。通気性に優れており薄いため、雅楽の衣装や夏の着物にも使われます。最近ではおしゃれな絞りや染めを施したものが増えてきており、さまざまな着こなしを楽しむことが可能です。そして、紗の着物には6月9月の単衣の時期に着用する、紗と紗・絽と紗を合わせて縫われた紗袷という着物もあります。紗の着物は上品な色や柄のものを選べば、ホテルのランチやカジュアルなパーティーにも着て行くことが可能です。しかし、基本的にはカジュアル向きの着物であるため、着ていくのはセミフォーマルまでにとどめておきましょう。格を重んじるフォーマルの場面では、絽の着物にするのが鉄則です。

麻は、吸水性や通気性にも優れており夏の普段着として人気があります。ほかの生地とは違い自宅で洗濯ができるのも魅力のひとつです。カジュアルに着られるのが魅力な一方で、上質な麻糸を使って織った生地を上布と呼び、国の重要無形文化財に指定されるほどの高級な麻の着物もあります。縮と呼ばれる麻の着物もあり、さらっとした着心地なので夏でも涼しく着ることが可能です。注意する点は、どんなに高価な麻の着物であっても、あくまでも普段着ということです。高価な麻の着物は嗜好品という一面もあるので、フォーマルシーンでの着用は認められませんが、夏のちょっとしたお出かけに最適な着物です。

薄物の着物を着るときのポイント

薄物の着物では、透け感への対策を整えましょう。暑い時期を快適に過ごすために生地自体が透け感のあるものになっているので、色や着るものに合わせて襦袢や半衿を選ばなければいけません。色の濃いものを着るときは長襦袢も色の濃いものにし、胸元の透け防止のために色のある半衿を避けるといった配慮が必要です。

そして、襦袢には居敷当がついているものを選びましょう。下半身の透けを防止できます。居敷当だけでなく、長襦袢の下に和装用のステテコを履くという手もあり、薄手の着物の透け感を損なうことなく涼しさも兼ね備えているという点でとても利便性があります。また、二部式の襦袢は避け、ジャストサイズのものを選ぶようにしましょう。

二部式の襦袢は動きやすく着るのも楽というメリットはありますが、腰の切り替え部分がはっきり見えてしまうため透け感のある薄手の着物では不向きです。丈の短い長襦袢も避けるようにしましょう。袷着物ではわざと短く仕立てる場合もありますが、薄手の着物では手首や足首がくっきり見えてしまうので見栄えが悪くなります。自身に合った丈を選ぶことがおしゃれな着こなしにつながります。着こなしが合っているのかいまいち自信がないという方は、一度着付け教室に行き教えてもらうとよいかもしれません。

まとめ

薄手の着物は涼しく通気性があって、夏にはとても重宝します。透け感が出ることによって、女性の魅力を引き出してくれる面もあります。しかし、着方を間違えると中が丸見えで恥をかくということも起こりかねません。初歩的なミスを防ぐために、評判のよい着付け教室に通うという手もあるので、ぜひ一度プロに教わってみることをおすすめします。

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