苦しくならない着付けのコツ
着物は現代人にとっては着る機会が少ないものです。
ただし花火大会や成人式、結婚式といった特別な時には着ることもあります。
しかしいざという時着ると、苦しくなる・気分が悪くなるという人が出てきます。
着付け教室に通っていてもどうしても着付けが苦しいという方がいらっしゃいます。
これはその方の体に合った着付けができていないということです。
本来は体に負担がかからないように着るのが良いのですが、上手に着付けができないとこのように苦しくなることがあります。
そこでここでは苦しくならない着付けのコツについてご紹介します。
着物を着ると苦しいという人
着物を着なれない現代人は洋服慣れしてしまっているので着物を着ると苦しく感じてしまいます。
それは着物を着るときに紐や帯を巻き付けるということが苦しい思いをさせてしまうこともあるからです。
でも昔の人は苦しかったのでしょうか?
苦しかったら生活できませんよね。
ということは着付けの仕方が間違っていると考えるのが普通です。
苦しくないように着付けることができるはずです。
しかもしっかりきれいに着付けている人に限って「苦しい」とか「気持ち悪くなった」という声が聞かれます。
そして腰紐を骨盤の位置にもってくるとおはしょりが長くなるのでどうしても上にもってきてしまう、という悩みもあります。
そして苦しいうえに帯もきついと感じるようです。
伊達締めになるとさらに苦しいという声もあります。
こうなるともう拷問です。
苦しくない着付けとはどういうものかわからなくなってしまいます。
しかし着物はきつく締めるとは限りません。
しっかり締めることで着崩れしないきれいなスタイルを維持できると思っている人がいるようですが、それは間違いです。
○きつく締める部分は多くない
実はきつく締める部分は着物のウエスト部分の紐と伊達締めしかありません。
しかもこれらは体の上に補正や長襦袢があるのでクッションされているためにけっこうきつく締めても苦しくないはずです。
実は伊達巻に関しても胸よりも下の腰回りに締めるはずなのできつくないはずです。
ただし礼装なら少し上になりますが、普段は一番楽な下の位置で締めてしまえば問題ありません。
このときに締めるなら長襦袢の伊達締めように、下のほうだけ締めるようにしてしまえば苦しく感じないはずです。
現代人の体型が苦しくさせてしまう
○ウエストが細いと着物体型には整いにくい
昔の日本人は今ほどメリハリがある体型ではありませんでした。
どちらかというとフラットな体つきであり、フラットだからこそ着物は楽だったはずです。
しかし現代人になるとメリハリがついた体になっているのでウエストが細い方だと着物体型には整いにくいというのが本当のところです。
そしてそのまま着付けると苦しいという結果になります。
○補正
そこでウエストや細い部分にタオルなどを巻いて補正していきます。
人によっては多少枚数が必要な方もいるでしょう。
またメリハリボディの方なら細い部分に紐が食い込むので余計に痛く感じるはずです。
和服はやはり寸胴な体型が似合うものなのです。
今の日本人が着物を着るにはやはり補正しなければ着こなせないというのが本当のところです。
胸が大きい人が補正する和装ブラというものもありますが、補正するグッズは多いものの、あまり普段から着ないならタオルを使うことをおすすめします。
最近出てきたアイテムを活用する
着物は中身に使うアイテムは決まっているものとは限りません。
つまり使いやすいもので代用することも可能だということです。
紐というのは苦しくなる代表格のようなものです。
体が寸胴だったころには万能ですが、今のようにウエストが細い体型の方が使うと余計苦しくなることもあります。
○ゴム製のアイテムを使う
そこでゴム製のアイテムなどを使ってみます。
多くの方の気分が悪くなる原因の一つが紐による締めすぎです。
きれいに着てみたい、着崩れしたくないという気持ちで締めるのでしょうが、それがかえって気分を悪くしてしまいます。
そこで紐を減らして代わりに最近出てきたゴム製のアイテムを使うのも手です。
○浴衣スリップ
また肌襦袢などもやめてしまい、浴衣スリップにしてみるのも良い方法です。
長襦袢は紐で縛って留める方法をやめてしまい、ゴムの伊達締めで留めてみましょう。
伊達締め(ゴム製)で襦袢を止めるので、紐で縛る必要がまずなくなります。
さらに着物の腰紐もゴム製のものがあるのでそれを使ってみましょう。
なければ普通の太目のゴムを使ってみてください(いわゆるパンツのゴムというやつです)。
これをウエストでなく腰紐の部分で縛ります。
そうすると腰骨が紐を支えるので苦しくないはずです。
胸元はコーリンベルトで留めてみてください。
これもゴム製なのでかなり楽なはずです。
またこれだと不安定だと感じるならもう一本ゴムの伊達締めで締めるということもしてみてください。
この方法なら紐が胃のあたりに来ることもないので相当楽なはずです。
着物を着た若い女性の中には、苦しくて倒れる、貧血気味になるという方までいます。
でもそれは他の方に着付けしてもらっていても、上手に着付けができていないという証拠になります。
いくら表面上はきれいに見えても、苦しい、気持ち悪いというのでは意味がありません。
いろいろ工夫次第で苦しくないように着付けることが可能です。
昔はなかったアイテムを使うことでより苦しくない着付けを実践してみてください。