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着物を着る上で欠かせない足袋とは?着付けの基礎知識を確認しよう!

公開日:2022/06/01   最終更新日:2022/06/24


着物を着たとき足袋がきれいに履けているかどうかは、意外に目立つことをご存じですか?足袋のつま先までしわなく指が入っていると、着物が引き立ちます。とくにお茶席などでは、足元が気になりますよね。そこで今回は足袋のきれいな履き方や長持ちするお手入れ法を解説します。

足袋の基礎知識

足袋は着物を着たときの靴下の役割をしています。きれいな足袋の履き方をするためには、自分のサイズにあったものを選びましょう。靴のサイズより少し小さめのものを選ぶと、しわなく履けるのでおすすめです。

■足袋の部位の名前と役割

鼻緒が入るところを鎌、足首のところは筒、足袋の裏は底といいます。足の親指が入る側を「内甲(うちこう)」、親指以外の4本の指が入る方は「外甲(そとこう)」といいます。足首の金具部分は、こはぜといって反対側の掛け糸に差し込んで留めるものです。このこはぜは、4枚と5枚のものがあり、4枚のものが一般的です。5枚のものは、4枚のものより2cmほど丈が長くなるので、着物の裾から肌が見えにくいことから、主に舞踊家に使われています。

■足袋の履き方

何も考えずに足袋を履いてしまうと、指先がきれいに入ってなかったり、正座がきつかったりということがおこります。きれいに足袋を履くには、まず、足袋を半分折り返します。半分にすることで、足がまっすぐ足袋に入りやすくなるからです。つま先がしっかり入ったら、足首の筒の部分を引き上げます。このとき、かかとを足袋のかかとときっちり合わせましょう。足首まで引き上げたら、甲側のしわを伸ばします。

次は、こはぜを下から留めていきます。掛け糸は2本あり、基本は外側の掛け糸にかけますが、きついようなら内側に留めます。足首まわりに指が一本入るくらいだと、正座をしてもきつくなりません。コツは、一つひとつの手順を確認しながら履くことです。着付けは、足袋を履くところから始まります。なぜなら、足袋を履くときの体を屈める体勢が、着崩れの原因になってしまうからです。まず、足袋を履くところから、一つ一つをきっちり仕上げていきましょう。

■足袋に関するマナー

足袋は汚れやすいので、お茶席やお座敷などかしこまった席にあがるときは、替え足袋を持参しましょう。替え足袋を小袋に入れておき、お茶席やお座敷に入る前に履き替えます。帰るときは、また履き替えて持ち帰ります。

足袋の種類

足袋といっても、さまざまな種類があります。着物の格にふさわしい足袋を選んで、失礼のないようにしましょう。

■白足袋

白足袋は、礼装、街着のどちらでも使えます。しかも1年通して使える、一番ポピュラーな足袋です。生地は正絹、綿、伸縮性のあるポリエステルやナイロンなどが使われています。正絹は、肌触りがよく光沢があります。婚礼衣装に使われることが多いです。よく見かける白足袋は、綿素材のもので、ブロード織とキャラコ織があります。

キャラコ織のほうが緻密な生地でできています。裏地は晒とネルがあり、保温性の高いネルは冬用として重宝します。伸縮性のあるポリエステル、ナイロンの足袋は、和装初心者や外反母趾の人でも履きやすい足袋です。そのほかに、足袋の上に履いて汚れを防ぎ、保温用としても使える足袋カバーもあります。

■季節に合わせた足袋

麻やレースでできた足袋は通気性がよいので、夏用として、また、浴衣を着たときなどに使われます。別珍足袋、フリース足袋は冬用の足袋です。保温性が高いので冷えやすい足元にはとても便利ですね。

■色足袋

汚れが目立たないので、カジュアルに着物を着たいときにおすすめです。小紋、紬、木綿、ウールなどの着物に合わせます。格式の高い料亭やホテルでの食事、かしこまった場所にはふさわしくないので、白足袋にしましょう。

■柄足袋、刺繍足袋

もっともカジュアルな足袋です。レトロな小紋柄やワンポイントの刺繍など、さまざまあるので着物に合うものを探してみてはいかがでしょうか。街着として着物を着るときの楽しみの一つになりますね。

足袋のお手入れ方法とは

足袋の履き方も大事ですが、清潔感も重要です。足袋を履いたあとはお手入れをしっかりしましょう。足袋の汚れは落ちにくいので、脱いだらできるだけ早めに洗いましょう。

■お手入れ方法

洗濯方法は手洗いがおすすめです。手洗いなら、型崩れやこはぜが傷むのを防いで、足袋が長持ちします。まず、洗面器に水かぬるま湯を入れて洗剤を溶かします。こはぜが金属なので、漂白剤は避けましょう。洗剤液の中に足袋をしばらく浸したら、底に石けんをぬってもみ洗いやブラシで汚れを落とし、念入りにすすぎます。

洗濯機で洗うときは、ネットに入れて型崩れを防ぎます。乾燥機は足袋が縮むことがあるのでやめましょう。干すときは、底地、立甲の縫い目、足首の筒の部分を丁寧に伸ばしたり叩いたりしてしわを伸ばし、足首の部分をはさんで足を入れた形にします。こうすることで、アイロンの手間がいらないほどきれいに干せます。

 

足袋がきれいに履けているだけで、着物を着たときの印象がぐんとよくなります。足袋を脱いだら、早めにお手入れをして長く使いたいですね。めんどうくさく思うかもしれませんが、着物の着付けは、一つひとつの手順を丁寧にこなしていくことも楽しみの一つです。着付ける着物にふさわしい足袋を選んで、丁寧なおしゃれを楽しみましょう。

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