男性着物の種類とは?魅力を引き出す着こなし方もご紹介!
男性のおしゃれ着として、着物が注目を集めつつあります。着物といえば女性の印象が強いですが、男性の着物こそ魅力とメリットが盛りだくさんです。そのよさが少しずつ伝わったからこそ、男性着物のよさが光を浴びつつあります。知れば誰でも一着は欲しくなる、男性着物の魅力について解説しました。
男性着物の種類や格とは
着物には多くの種類があり、そこには格式も存在します。決して格が高い着物だけがよいのではなく、TPOに合わせて選ぶことが大切です。どんな種類と格式があるのかを見ていきましょう。
■第一礼装:黒羽二重(くろはふたえ)五つ紋付
男性着物で一番格式が高いのは、「黒羽二重」と呼ばれる着物の五つ紋付。簡単にいうと、結婚式で新郎が着用する着物がこちら。五つ紋というのは、5か所に家紋が入った着物のことをいいます。一つ紋・三つ紋・五つ紋とあり、五つ紋が最上位となります。糸はもちろん絹を利用し、平織りなので手触りはサラサラ。羽織袴の組み合わせも凛々しく、第一礼装に恥じない装いです。
■準礼装:色紋付
色紋付は、黒羽二重に次ぐ礼装です。女性の着物に例えると、色留袖にあたる格式となります。灰色や茶色など、さまざまなカラーが見られるのがこの色紋付。五つ紋であること、色選びが適切であれば、婚礼衣装としても使用可能です。が、花嫁衣装の格式とのバランスも大事なので、やはり婚礼衣装は黒羽二重を選んだほうが無難でしょう。結婚式に招待されたときや、成人式での着用がぴったりの礼装です。
■着流し
洋服でいう私服にあたるのが、こちらの「着流し」です。普段使いをする着物なら、この着流しが一番想像しやすいでしょう。紋がなく袴をつけないため、着流しと呼ばれています。自由度が高いのが特徴で、夏は羽織を脱いでもよいうえ、素材も季節に合うものを選べます。普段使いができるおしゃれ着なら、着流しを選ぶとよいでしょう。
男性が着物を着るメリット
着物が持つ美しさは、纏うだけで人にポジティブなエネルギーを与えてくれます。「男性こそ着物を着てほしい」と思うメリットは、本当にたくさんあります。その理由について、詳しく解説しました。
■その人だけのよさを引き立てるのが着物
着物のよいところは、纏った人が自然に持つよさを引き出してくれるところです。簡単にいうと、和服はその人の繊細なよさを見抜きます。白いTシャツがしっくりこない人も、淡い鼠色やベージュを羽織ると、ハッと人が振り向く気品を漂わせます。麻の浴衣のパリッとした装いが、凛とした美しさを沿えることもあるようです。洋服には洋服のよさがあります。しかし、着物は「洋服では見えないその人のよさ」を引き出し、前に出してくれる力があると考えてみてください。
■気品を出してくれる
着物は気品を引き立てる装いのひとつです。着物を纏うと身体の線が柔らかく見え、その人の雰囲気も柔和にしてくれます。ピンとした襟や皺のない布地、着る人に合わせたかのようなしっくりした色合い、すべてが気品の源になります。スーツが「サバサバした行動派」に見せるなら、着物は優しさと知的さを醸し出してくれるでしょう。
■体型は関係なく着られる
着物は似合う人と似合わない人がいると語る人もいます。しかし実際に着てみれば「誰でも着こなせる」と気付くでしょう。体型にコンプレックスがあれば、それを上手にカバーできるのが着物のよさです。背が高く細い方はシャープに、ふくよかな方はゆとりや威厳を演出する着こなしに。その人に合う一着が必ず存在します。また着用することで、思いがけない自分の魅力に気づくこともできます。
■自分に自信が持てるようになる
着物はどれも丁寧に織られ、縫い合わせた繊細なものばかりです。人の手やアイディアが生んだ着物は、どんなものでも唯一無二の美しさがあります。丁寧に作られた着物は、人の身体や心を明るくし、自信を与えてくれます。自然と背筋がスッと伸びて、胸を張って歩ける強さをくれるでしょう。格好よくなりたいという男性にぜひ纏ってみてほしいです。
男性着物の着こなし方
男性着物を格好よく着こなすには、どうしたらよいのでしょう?これから着物を着たいと考えている男性のために、着こなし方のコツを紹介します。
■普段着なら着方は自由です
服装に格式が必要な場は別として、普段使いの着流しであれば、基本的には自由に好きなものを選べます。夏なら木綿の単衣を選べば浴衣になり、そこに襦袢を加えればお出かけ着として使用可能に。季節によって素材を選んだり足袋や羽織を足してみたり、小物を使ってのお洒落も楽しんでみてください。
■最初はセット販売の着物から
「自由に好きなものを選んでよい」といわれても、やっぱり最初に着物を買うときは緊張します。そんなときは、着物屋さんでセット販売されている着物がよいでしょう。羽織・着物・小物がセットになったものが販売されています。まずはセットから始めてみて、慣れてきたらアレンジを加えると馴染みやすいです。
■堂々と着ることが一番です
着物の着こなしで一番重要なのは、堂々と着ること。これに尽きます。着物は着る人の美しさを引き出し、最高の自分を演出してくれる装いです。ピンと背を伸ばし、自信を持って着てください。どんな体型・年齢であっても同じです。着物が持つポジティブなエネルギーを信じましょう。
着る機会が少ないと思われがちな着物ですが、普段着感覚で着用できるものもたくさんあります。慣れれば動きやすいうえ、和の色や模様や心を癒してもくれます。美術館や博物館へのお出かけや、演劇・コンサートの場で着物を着てみませんか?毎日が楽しくなるような素敵な着物を探しましょう。