自宅で着付け教室を開業する方法について詳しく解説!
今や着付け師の働き方は、多様化しています。大手が運営する着付け教室に勤めるのはもちろん、フリーランスとして出張着付けを行う人、そして自宅で着付け教室を開く人など、さまざまです。この記事では、主に自宅で着付け教室を開業する方法について、詳しく解説します。これから着付け教室を開業したい方は、ぜひ参考にしてください。
着付け師に向いているのはどんな人?
ここでは着付け師に向いている人の特徴について、まとめています。
■着物が好きな人
着付けの技能があれば、誰でも着付け師になれます。しかし、着物のよさや日本文化の素晴らしさを伝えていくのも大事な仕事なので、着物を好きであることがもっとも重要なポイントといえるでしょう。何より、自分の好きなことを仕事にすることで、自らの能力を発揮しやすくなります。
■コミュニケーション能力がある人
着付け教室は、人を相手にした商売です。いかに立派な技能を持っていても、それを相手に分かりやすい言葉で伝える力がなくては、成り立ちません。また、生徒さんと仲良くなることも、大切です。よって、ある程度のコミュニケーション能力も必要だといえます。
■精神的に強い人
着付け師は平均年齢も高く、昔からの年功序列制度が残っているケースが多いです。自分よりも業界経験が長く、年齢層も高めの人たちに囲まれることで、圧倒されてしまう人もいるかもしれません。しかし、生き残っていくためには誰が相手であっても、伝えるべきことはきちんと伝えられる強さが必要です。
■指先が器用な人
紐や帯の結び方をマスターするには、ある程度指先が器用な人の方が有利です。また、生徒さんが上手に着られない場合は自分から近づいていき、着物や帯などを直してあげることもあります。限られたレッスン時間内で手早く行うためにも、指先が器用な人が向いているといえるでしょう。
自宅で着付け教室を開業するためには?
最近では、自宅で着付け教室を開業する人も増えています。では、自宅で着付け教室を開業するためには、何をすればよいのでしょうか?
■自宅で開業するメリットは
個人で好きなように運営できるため、開講する日時を自分の都合で決められます。よって、自由度の高さが最大のメリットです。また、テナントを借りる必要がないため家賃など固定費を浮かせられるため、経済的にも有利といえます。
■和室があるかどうかを確認
着付け教室を開くには、和室が必要です。レッスンの際は生徒さんも足袋を履いて参加するため、畳のある部屋が望ましいでしょう。よって、自宅に教室として使えそうな和室があるかどうかを、確認しておきましょう。もし、和室がない場合はリフォーム工事をすることになります。
■開業届を税務署へ提出する
個人で着付け教室を開く際は、個人事業主として開業届を最寄りの税務署へ提出することになります。やり方は簡単で、事業を開始してから1か月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するだけです。なお、用紙は税務署または国税庁のホームページよりダウンロードすることができます。
■大家さんに許可をとろう
着付け教室を開くと、生徒さんなど多くの人が自分の家に出入りするようになります。よって、賃貸住宅の場合は勝手に開業するのではなく、必ず大家さんに許可をとりましょう。また、家族など同居人がいる場合は、事前に話し合いをして理解を求めておくことも大切です。
出張着付け教室を開業するという手も!
着付け師として働く場合、自宅で開業する以外に出張着付け教室を開業するという手もあります。
■出張着付け教室とは?
自分がお客様のところへ、出張して伺う形式の着付け教室です。出張が前提となるため、大手が運営する着付け教室に勤めたりテナントを借りたりする必要がありません。身ひとつで開業できるという、メリットがあります。
■潜在顧客がたくさんいる
出張着付け教室は介護や子育てで家を空けられなかったり、仕事の時間が不規則で決まった時間に教室へ通えなかったりする人から需要があります。よって、生徒さんに教室へ来てもらう着付け教室と違い、出張着付け教室にはたくさんの潜在顧客がいるといえるでしょう。
■新鮮な気持ちで取り組める
出張着付け教室だと毎回違う現場へ伺うことになるため、新鮮な気持ちで取り組めます。現場で出会う生徒さんの層もその都度変わるので、「今日はどんな人たちに会えるかな?」とワクワクした気持ちで取り組めるのが大きな魅力です。
着付け教室開業後のおすすめ集客方法
どんな商売であっても、開業後に集客がうまくいかず挫折する人は後を絶ちません。では着付け教室の場合、開業後はどうやって集客すればよいのでしょうか?
■チラシを投函しよう
古くから使われている手法が、チラシなどの投函です。近隣に教室の存在を知ってもらうとともに、チラシを持参した方に割引キャンペーンやちょっとしたプレゼントを用意するなどの方法で、効果的に集客が見込めます。
また、インターネットを使わない世代の方にも情報を届けられ、手元に保管してもらいやすいといったのも大きなメリットです。
■Webツールを活用
近年ではネット環境の浸透により、Webから教室を探す人が増えています。SNSやホームページ、または無料で個人事業主が使えるWebツールをどんどん使用し、集客に励みましょう。日本全国からアクセスしてもらえるので、多くの人に教室の存在を知ってもらうチャンスです。
■体験レッスンを行う
たとえば「60分間のレッスンのうち、最初の20分間だけ1回のみ無料」など体験レッスンを取り入れることで、実際の雰囲気やどんなことを学べるのかを生徒さんに体感してもらえます。「体験レッスンがよかったから入学を決めた」というのもよくあることなので、積極的に導入するとよいでしょう。
自宅で着付け教室を開業する方法について、詳しく解説しました。日本人の着物離れは進んでいるものの、特別な衣装として成人式や結婚式などのハレの日に着物を着たり、和の心を楽しむ趣味として日常生活に取り入れたりするために、着付けを習いたいという人たちは今もいます。また、着付けのできる美容師も減っているため、着付け教室の需要は今後も高まっていくといえるでしょう。ぜひ、自宅で着付け教室を開いてみませんか?