着物を洗うならクリーニングに出したほうがいい?頻度や料金も解説!
着物は、美しく優美ですがとても繊細です。その美しさを長く保つためには適切なお手入れが欠かせません。一般的には、クリーニングに出すのが最善の方法とされていますが、適切な頻度や料金は一体どれくらいになるのでしょうか。本記事では、着物のクリーニング頻度や費用について詳しく解説し、着物の美しさを維持するための情報を紹介します。
どんなときに着物をクリーニングに出すべきか
着物をクリーニングにいつ出せばよいのかわからないという方も多いでしょう。クリーニングに出したほうがよいのか迷っているという方は、下記のタイミングを参考にしてみてはいかがでしょうか。
汚れやシミが目立つ場合
着物についたシミは、さまざまな種類があります。食べ物や飲み物のシミ、汗のシミ、または外部からの汚れが含まれます。
とくに、食べ物や飲み物のシミは、着物にとって大敵です。時間が経つとシミが定着し、取り除きにくくなるため、シミがついているのを発見したらすみやかに対処しましょう。
臭いが気になるとき
久しぶりに着ようとした着物の臭いが気になったことはありませんか。そんなときはクリーニングの出番です。
長襦袢や帯の不快な臭いが気になる場合も、クリーニングが必要です。とくに、季節の変わり目に着物を取り出す際、不快な臭いがすることがあります。
汗やほこり、カビなどの臭いが気になる場合は、クリーニングに出してさっぱりと清潔にしましょう。
しばらく着る予定がないとき
しばらく着物を着る予定がなく、タンスにしまってしまう場合もクリーニングに出したほうが賢明です。先述したとおり、汚れやシミを放置してしまうと、時間が経つにつれてどんどん取れにくくなります。
そのため、一見汚れがないように見えても、お手入れは大切なのです。長期間着ないときは、プロの手を借りて念入りにお手入れを行いましょう。
着物をクリーニングに出すメリット
着物のクリーニングは、自分で行うことも不可能ではありません。しかしなぜ、着物のお手入れはプロに頼むのがおすすめなのでしょうか。
ここではその理由について解説します。
着物ケアの専門知識
プロのクリーニング業者は、着物のお手入れに関する専門知識を持っています。たとえば、着物の丸洗いを依頼した場合、石油系の溶剤を使用し、洗剤を使わずに着物を洗浄します。
ここでいう「着物の丸洗い」とは、洋服をドライクリーニング形式で洗浄する方法と同じで、着物を清潔で美しく保つのに効果的です。このように、クリーニング店は一般家庭では困難な洗い方にも対応してくれます。
畳み込みや染み抜きの技術にも長けており、着物を美しい状態に保つことができます。むやみに素人が洗濯を行うと、着物に悪影響を及ぼす可能性があるため、プロに依頼することをおすすめします。
特殊な洗い方に対応してくれる
お気に入りだけど古くて汚れている着物、サイズが合わず着られなくなった着物などは、着ることを諦めてしまいますよね。そんなときは、洗い張りができるクリーニング店に依頼してみるとよいでしょう。
洗い張りとは、着物をほどいて反物状態にし、水洗いをした後「湯のし」をして、あらためて仕立て直すことです。丸洗いと比べて手間はかかりますが、カビやひどい汚れも落とすほどの洗浄力があります。
ただし、現代では丸洗いでのクリーニングが主流となっているため、洗い張りに対応できるのはごくわずかな専門の加工業者となります。
着物をクリーニングに出す最適な頻度や料金について
着物をクリーニングに出すとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、クリーニングを依頼した際の平均的な費用と最適な頻度について解説します。
着物をクリーニングに出すといくらかかる?
「丸洗い」の場合は、7,000〜1万5,000円程度かかります。丸洗いの料金は、着物の種類や状態によって異なり、高品質な素材やデザインの着物であるほど価格も高くなります。
「シミ抜き」の料金は、2,000〜8,000円程度です。シミの種類と数によって価格が変動します。悪化する前にシミ処理を早く行うことで、結果的にコストも抑えられ、着物の寿命を延ばすのに役立ちます。
次に「汗抜き」ですが、こちらは汗の汚れを高圧蒸気で処理するクリーニング方法です。料金は、1,000〜1万3,000円程度かかります。
価格の変動は、クリーニングが必要な範囲や汚れの程度に応じて発生します。「洗い張り」は特殊で、1万2,000〜1万5,000円程度かかり、他の洗い方やメニューより高めです。
しかし、着られなくなったお気に入りの着物も復活する可能性があるため、どうしても着たい着物があるという人はこちらの洗い方を検討してみるとよいでしょう。
着物をクリーニングに出す頻度
着物をクリーニングに出す頻度は、とくに汚れがなければ年に数回で十分ですが、着用後は必ず「陰干し」を行い、湿気を逃がすことが推奨されています。また、長襦袢(着物の肌着)は着るたびに洗うことが望ましいとされ、帯はクリーニングに出さなくても問題ありませんが、陰干しをして湿気を乾燥させることが重要です。
まとめ
クリーニングには料金がかかりますが、価格に見合う価値があります。どのクリーニング方法が最適かは、着物の種類や状態に依存しますが、プロの目と技術なら間違いありません。
専門知識と経験をもつプロなら、着物の素材に合わせて適切な処理を行ってくれます。着物のクリーニングは、貴重な衣類を美しく保ち、長く着られるようにするために重要なので、適度にお手入れすることを忘れないように注意しましょう。