評判の着付け教室を目指したい!教室を開くときに知っておきたい「弟子」と「生徒」の違い
自分で着付け教室を開くとなったら、出来ることなら評判のよい着付け教室にしたいと願うのは当然のことです。評判をよくするためには教室を開くにあたって、弟子と生徒との違いを知り、着付け教室においてはこの違いがどのような影響を与えるかということと、いかにこれが評判を左右するかをよく理解しなければなりません。
弟子を教えるのは師匠の務めではない
どのような習い事にも当てはまることですが、弟子として迎え入れる場合、教える人は師匠となります。師匠と弟子の関係は一見すると先生と生徒と同じように思えますが、両者は似て非なるものです。
師というものは、弟子に対して教えるということをしないのが最大の特徴です。つまり、弟子は師を見て自ら師の技術や知識を学び取っていかなければならないのです。
日本の伝統芸能の多くは師匠と弟子の関係で成り立っていますが、どのような世界も師は弟子に対してできないことについては指摘しますが、どうすればうまくできるかを教えることはありません。
これは弟子が自ら考え、師の動きや動作、あるいは所作や手順などをつぶさに観察して自分のものとして行かなければならないのです。弟子入りするという言葉がしめすように、師について学びたいと自分自身が望んで師匠のそばに置いてもらい、学ばせてもらうという関係性なのが最大の特徴と言えます。
師は自分の知っていることは伝えてくれますが、うまくできるようになったり、技や技術を習得するために何らかのアプローチ方法や特定のやり方を持っているわけではありません。 師匠もまた自分自身が見て真似をし、自分なりのものを作りあげて師となったことから、伝承されてきた物事は見て覚えなさいというスタイルが典型的ですので、貪欲に学べる人でないと長続きしないでしょう。
生徒を教えるのは先生の務めであり義務
弟子と師匠との違いとして、しばしば引き合いに出される先生と生徒の関係の一番の違いは先生には生徒を教え、導く責任があることです。教えて導くことは先生の義務と言ってもよく、小学校と中学校までが義務教育と呼ばれることが如実に物語っています。
先生が生徒を教えるのは当たり前のことですので、義務教育の間は先生が教えてくれることを学ぼうと学ぶまいと、出席日数さえ満たしていれば卒業させてくれます。先生が生徒を教え、生徒は先生から学ぶという関係が変わるのは、義務教育ではない高校からです。
高校でも先生が生徒に教えること自体は変わりませんが、学ぶ気がなければ落第点となり、学年をあがっていくことができません。何度も留年したら、もはや在籍は認めないという学校もあり、これは大学にも当てはまります。
生徒に勉強の仕方を教えて導き、さらに分からないところがあれば分かるように指導するというと先生と生徒の関係は、同じように何かを教わるにしても自らで学び取り、自分で考えて身に付けなさいというスタンスの師匠と弟子とでは、大きく異なることがよく分かるでしょう。
先生と生徒の関係であっても、生徒に学ぶ気がなければいくら先生が必死になって教えても身につくことはありません。学ぶ気がある弟子の方が伸びるのか、それとも正解を示して導いてくれる先生という存在を得られる生徒の方が伸びるのかは、一概にどちらとも言えないものがあります。
評判のよい着付け教室にするにはどちらがよいのか
お弟子さんを取るタイプの着付け教室にした場合のメリットは、一対一で向き合えるために細かい部分にまで指導が出来ることです。とはいえ、着付けを習うために月謝や料金を払ってくれますので、厳格に見て学びなさいというスタイルを取ることはできないことから、生徒との中間といった感じになるでしょう。
細部にわたってしっかり指導してくれるマンツーマン指導の着付け教室が、いわゆる師が教えるタイプだとすると、丁寧に教えてもらえることがよい評判につながります。今一つという評判になる要素で最も多いのが、マンツーマンだけにどうも人として相性が合わないとか、教え方が分かりにくいと教わる側が感じた場合です。
いわゆる先生と生徒という関係での着付け教室にする場合は、複数の生徒を同時に教えるというスタイルになるでしょう。何人かが一緒になって教わるため、マンツーマンよりも緊張しなくていいという人に向く着付け教室になることから、和気あいあいとした和やかな雰囲気になると考えられ、これが良い評判につながります。
その一方で複数の生徒を教えることから、尋ねたいときに先生が他の人を見ていると待っていなければならないということになり、これが評判を悪くしてしまいます。
結局のところ、どちらにも一長一短がありますので、自分自身がどのように教えたいかによって着付け教室のスタイルを決めれば、その結果、評判は良いものもあれば悪いものも出てくるのが世の常と言えるでしょう。
誰からも評判のよいところという評価を得るのはむずかしいもので、良いと感じる人もいれば今一つと感じる人も出てくるのは避けられません。着付け教室を開く場合、自分自身がどのように教えるのが向いているかによって、弟子と生徒のいずれのタイプになるかがおのずと決まってきます。