
着物を大人っぽく着こなすためのポイント
せっかく着物を着るからには、いつもより背伸びして大人っぽく見せたいと思う人は一定数います。大人っぽい着物コーデを実現するには、着こなしのポイントや所作を把握する必要があります。本記事では、大人っぽく見えるためのポイントを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
大人っぽく着物を着こなすためのポイント
まずは、着物を大人っぽく着るための具体的なポイントを紹介します。
落ち着いた色の着物を選ぶ
着物を大人っぽく見せるうえで、最も簡単に印象を変えられるのが色選びです。明るくポップな色や大きな柄の着物は、元気で若々しいイメージを与えますが、時に子どもっぽく見えてしまうこともあります。
一方で、くすみカラーやブラウン、ブラックのような渋い色味は大人の落ち着きを演出してくれます。最近ではパーソナルカラー診断が広く知られており、自分に似合う色を把握している人も多いです。自分の肌に合った落ち着いた色味を取り入れることで、より洗練された印象を与えられます。
古典柄やレトロ柄の着物を選ぶ
柄も着物の雰囲気を決める大切な要素です。とくに古典柄やレトロ柄は、大人っぽい印象を与えられます。
古典柄とは、縁起が良いとされる伝統的なデザインで、亀甲、松竹梅、鳳凰、扇、短冊などがあります。由来は中国から伝わったもので、格式の高さを感じさせる柄です。
一方で、レトロ柄には明確な定義はなく、どこか懐かしさを感じさせるモチーフが特徴です。金魚や菊、牡丹など、描き方や色使い次第でモダンにもクラシックにも印象が変わります。
落ち着いた色が苦手な方には、こうした柄の力を借りるのもおすすめです。
帯をお太鼓結びにする
帯の結び方も着物の印象を左右する重要なポイントです。華やかな飾り結びも魅力的ですが、お太鼓結びにすることで、品のある大人らしい雰囲気が生まれます。
さらに、帯の色選びによって全体のバランスを調整することも可能です。たとえば、明るい色の着物には濃い色の帯を合わせて引き締めたり、逆に暗い色の着物には明るい色を使ってコントラストをつけたりすると、洗練された印象を作り出せます。
小物で統一感を出す
バッグ、草履、髪飾りといった小物も、全体の雰囲気を決定づける大切な要素です。小物の色やデザインを統一させると、落ち着きとまとまりが生まれます。
たとえば、着物の中に使われている1色をバッグや鼻緒に取り入れる、または着物の柄と同じモチーフの髪飾りを選ぶなど、細部へのこだわりが大人っぽさを引き立てます。また、伊達襟や帯揚げ、帯締めでアクセントを加えることで、さらに自分らしい着こなしが楽しめます。
髪はまとめる
最後に、髪型にも気を配りましょう。着物を着る際には、髪をまとめると大人の上品さを演出することができます。
ただし、髪をまとめる位置には注意が必要です。高い位置にまとめると若々しい印象になりやすい一方、低めの位置でまとめると落ち着いた雰囲気が生まれます。
また、髪飾りの選び方も重要で、着物の色や柄に合わせたものを選ぶことで全体の調和が取れます。
着物の着用時に大人っぽく見える所作
着物を大人っぽく着こなしていても、立ち居振る舞いが伴わないと、魅力が半減してしまいます。さらに、不適切な動きは着崩れの原因にもなりかねません。
ここでは、着物姿を美しく見せるための基本的な所作について説明します。
歩き方
着物を着ているときの歩き方は、普段とは少し異なるものです。歩幅を狭め、草履を引きずらないように意識することが大切です。足の指に軽く力を入れると、草履でも安定感が増し歩きやすくなります。
また、ゆっくりと優雅に歩くことで、全体の印象も洗練されたものになります。急いで歩くと裾が乱れたり、草履が脱げてしまったりするため、時間に余裕を持つことも心がけましょう。
車の乗り方
車に乗る際の所作は、とくに気をつけるべきポイントです。
まず、シートにお尻を先に乗せるのが基本です。このとき、振袖を着ている場合は袖をお尻に敷かないよう、前で揃えておく必要があります。
その後、着物の上前(着物の右側を覆う布)を軽く押さえながら足を車内に収めます。移動中は深く腰掛けると着崩れやシワの原因になるため、浅めに座るのがコツです。
このような動作を心がけると、エレガントな印象を保ちながら着物をきれいな状態に保てます。
階段の昇降
駅や施設で階段を使う場合、着物の裾を踏まないように注意が必要です。昇るときには、着物の上前を軽くつまみ上げて裾を持ち上げると、足元の動きをスムーズにします。
同じく降りる際も、上前をつまみ上げながらゆっくりと降りるようにしましょう。これにより、裾を汚さず安全に移動できます。つまみ上げる際は、控えめに行うことで品のある動きになります。
まとめ
大人っぽく着物を着こなすためには、色選びや柄、帯の結び方に工夫が必要です。落ち着いた色味を選ぶと、洗練された印象を与えます。また、古典柄やレトロ柄を選ぶと、伝統的で大人っぽい雰囲気が出ます。帯はお太鼓結びにし、コーディネート全体で統一感を出すため、小物(バッグや髪飾り)や髪型にも注意を払いましょう。着物着用時の所作も重要です。歩き方や車の乗り方、そして階段の昇降に気を配って落ち着いた動作を心がけることで、さらに魅力的に見せられます。