着物を着るときにピアスやネックレスなどのアクセサリーはNG？
今の時代は洋服が主流で、かつてのように着物を普段着として着ることはなく、認識としては式で着用するものとされています。そして式によって着物にはルールがあり、何を着てもよいというものではありません。今回は、着物を着るときにピアスやネックレスなどのアクセサリーはNGかどうかを考えましょう。
着物を着るときにアクセサリーをつけてもよいの？
普段着物を着る機会があまりないため、入学式や成人式、披露宴などといった特別な日に着る人は少なくありません。そして式典のような行事で着る着物は、格の高いものを着るルールがあります。着物の場合、未婚女性の第一礼装は振袖、既婚女性の第一礼装は黒留袖と決まっています。髪飾りは別として、基本アクセサリーは身につけないことになっているのです。
しかしあくまで礼装としてのルールであり、振袖は成人式でも着ることが多く、その際アクセサリーを絶対につけてはいけないという厳しいルールはありません。華やかな着物を着たときには、どうしてもアクセサリーをつけたくなるものです。パーティーなどに招待されたときは、主催者の意向に沿っていれば問題はないでしょう。
着物を着るときのアクセサリーのルール
着物にアクセサリーは絶対NGであるとは言い切れず、アクセサリーの種類によってとらえ方は変わってきます。時代の流れも手伝って、着物を着たときにアクセサリーをつけることに寛容になってきたというか、アクセサリーも着物の装飾の一部とする考えもあります。それでは、アクセサリーごとに見ていきましょう。
■指輪
指輪に関しては、いつも身につけている結婚指輪は問題ありません。ただ大きな飾りがあったり派手すぎたりするものはNGで、着物に引っかかってしまう恐れがあります。なるべく平たいものが望ましく、立爪の指輪もNGではありません。
■ピアス・イヤリング
ピアスやイヤリングはつけないほうがよいです。とくに正装の場合はNGで、たとえ小さなものであってもあまりよい印象ではありません。ピアスやイヤリングを否定的にとらえている年配者が多く、できればしないほうが無難です。それでもこだわりがある人は、小さくて上品なイメージのものを選択しましょう。
■ネックレス
首元を美しく見せるためには、半衿や伊達衿を使い華やかな印象にします。首元を大きく空けることはなく、とくに未婚女性は既婚女性よりも胸元は引き締めます。
ネックレスは首につけるものなので、着物の場合つける意味がありません。ネックレスは首元を美しく装飾するためにつけるもので、着物を着たときは半衿や伊達衿が首元のおしゃれとなります。あまり格の高くない着物、おしゃれ着などを着たときは、控えめなものならOKでしょう。
■腕時計・ブレスレット
振袖や留袖など格の高い着物を着たときには、腕時計を控えるほうがよいでしょう。着物の袖口を傷つける心配もあり、手首には何もつけないほうがスッキリしてキレイに見えます。
また時計をつけるというのは、時間を気にしているというイメージがあるため、冠婚葬祭ではつけないほうが無難です。細身でデザインもシンプルな腕時計は、訪問着や付け下げ、色無地などではOKです。ブレスレットの役割は手首の装飾なので、着物を着たときはNGとなります。
着物を着るときはアクセサリーを付けないのが無難
着物にはさまざまな種類があり、格式の高いものから普段着までいろいろです。礼装とされる留袖や振袖は格式の高い着物であり、着物や帯自体に華やかさがあります。着付けのために必要な小物類にもおしゃれなものが多く、帯締めや帯揚げはアクセサリーに匹敵するものがあります。
そのようなことからも、着物にアクセサリーをつけることに否定的な意見が少なくありません。年配者の中には、着物にアクセサリーなど考えられないという人もいます。
■着物を主役に！
振袖は華やかできらびやかな美しさがあり、帯や帯締めなどでさらに美しく仕上げていきます。最近は振袖も古典柄などに人気があり、シックなものから艶やかなものまでニーズに合わせてさまざまな種類があるようです。思い思いの着物を着て、ヘアメイクを施します。
唯一アクセサリーと呼べる髪飾りをつけ、着物に見合ったバッグや草履を合わせます。あくまで着物を主役にし、小物類を合わせて着付けを完成させます。振袖以外の着物でも同じで、たとえおしゃれ着であっても、着物が主役であることを忘れてはいけません。
■着物を着るときのアクセサリーは脇役
洋服の場合は、指輪やネックレスがより美しく演出してくれます。礼服などを着たときにはルールやマナーもありますが、アクセサリーがなければ物足りないようなイメージもあります。アクセサリーが洋服を引き立て、うまくコーディネートできている感があるのです。
着物の場合は、ネックレスやピアスなどといったアクセサリーが着物を引き立てることはありません。アクセサリーをどうしてもつけたいときは、着物のよさを損なわないようなものをつけましょう。
かつて“着物にアクセサリー”は考えられなかったはずで、またそのような時代でもありませんでした。今では、着物は特別な日に着るものとなっています。美しく着飾りたいという思いが、アクセサリーをつけることにつながっていったのかもしれません。結論として、着物を着るときにピアスやネックレスなどのアクセサリーはつけないのが無難でしょう。
