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帯留めってどう使うの?着物に個性を持たせるアクセサリーとは

公開日:2022/04/15  


着物を美しく着こなす女性は、凛として華やかですね。着物を自分らしく着こなし個性を持たせてくれる和小物が帯留めです。普段着物を着なれない人にとっては、どのように付けるのか、正式な場に付けてもよいのか気になるところですね。そんな帯留めについて紹介します。

そもそも帯留めとは

帯の中央にあるアクセサリーの一つを帯留めと呼びます。帯留めの歴史は江戸時代後期に始まり、元々は帯がほどけないようにするための留め金具でした。幕末に西洋式の軍服についていたバックルを真似してつくられ明治時代になると形や役割を変え、現代のファッション性の高いものに変わっていったといわれており、洋装でアクセサリーを身に着けるのと同じで、和装のときのアクセントとして使われています。帯締めにあらかじめ通して、使う紐通し式や帯締めを結んだ後に挟むクリップ式など装着方法にも種類があります。

素材やデザインも豊富で翡翠やダイヤ、パールなどの宝石でできたものからアンティーク、ハンドメイド、ガラスや七宝焼き、工芸的価値のある彫金、最近では人気キャラクターの帯留めなども販売されているようです。季節や着物の柄、気分にあわせたり華やかさや豪華さをまとったりして、着物の装いの楽しみを広げてくれるアイテムとして選んでみてはいかがですか。

帯留めの基本的なつけ方

帯留めを使う場合、帯締めは平たく細く短めの三分紐といわれるものを使います。これは帯留めに通しやすいことや帯留めを目立たせることが理由で、必ずしもこの幅でなければならないというわけではありません。余談ですが、舞妓さんが使っている帯締めなどは通常には出回らない太さの幅があり、帯留めは代々置屋のおかあさんが守ってきた「ぽっちり」といわれる帯締めを使うそうです。

では本題に戻りましょう。まずはあらかじめ帯締めに帯留めを通しておきます。そのままお腹で通常の本結びをします。帯締めがねじれないように注意しましょう。後で帯の下に結び目を入れ込むので、帯締めの余っている紐は小さくまとめて結んでおきます。帯締めの結び目が帯の結びの下に隠れるようにくるくると回します。帯留めの位置を調整したら完成です。

通常本結びでは帯締めの結び目は正面にあるのですが帯留めを使う場合は、本結びは帯に隠します。帯によっては正面に美しい絵柄が入っているものもあるので、帯留めは必ずしも正面でなければいけないわけではありません。帯の絵柄に合わせてバランスよく帯留めを調整してください。また、帯締めをずらすときに帯留めで帯を傷つけないように注意が必要です。

TPOに合った帯留めの選び方

何かと作法や決まりごとが多い着物ですが、これにも歴史があり聖徳太子が制定した「冠位十二階」が始まりといわれ、江戸時代に江戸城におけるマナーとして所作に関する作法、衣服に関する衣紋道が重要視され庶民に広がったとされています。そして花柳界や茶道の作法が混ざり合って存在し、厳密なルールはないのです。ただし、場にふさわしい装いやマナーはあります。その場に合った装いで着物を楽しみましょう。

ではどのようなときに帯留めをつけてよいのか、ふさわしくない場はあるのか、どんなものを選べばよいのかなど分からないことも。ここでは帯留めについてのTPOについてお話します。

基本的に和装のときはネックレスやイヤリングなどのアクセサリーはつけません。つけてもよいとされるアクセサリーが帯留め、指輪、髪飾りです。

まずは身近なお呼ばれごとの結婚式ですが、基本的に結婚式は格式の高い場になります。この場合も親族かゲストかで装いが変わります。ゲストとして招待を受けた場合は訪問着か色留袖ですが、訪問着や紋付の色無地は留袖の次に各の高い着物です。紋付でない場合は象牙や蒔絵、彫金、七宝などが礼装向きです。紋付や訪問着の場合はダイヤ、パール、サファイヤ、エメラルドなどの宝石と貴金属が上品に飾られている帯留めが最適でしょう。

親族として参列する場合は両家の考えの違いもあるので帯留めは付けないほうが無難ですが、つける場合は紋付や訪問着と同じく貴金属と宝石が飾られた上品な帯留めであれば、礼装に使うことができます。新郎新婦の母は既婚者の第一礼装とされる五つ紋の黒留袖で、帯留めは使わず金糸や銀糸で織り上げられた白の帯締めを本結びにするのが正装とされています。

新郎新婦の姉妹で未婚の女性の場合は色留袖を着るようです。この場合も帯留めは使わず帯締めを本結びにするのが一般的です。友人と観劇に行く場合や会社のパーティー、料亭でお食事など格式に関わらないカジュアルシーンであればとくに厳密な決まりはありません。

友人とちょっとおしゃれしてお出かけしたいときなどに、帯留めと帯締めのコーディネートで自分流のアレンジを楽しんでみてはいかがでしょう。粋な着こなしや蒔絵などのアートを感じるものや素材が楽しめるものなどを取り入れてみるのも、和服の楽しみ方のひとつといえるのではないでしょうか。

逆に帯留めを使ってはいけない場があるのをご存じでしょうか。それはお茶会や弔事です。お茶会では簡素を旨としていることや茶器などを帯留めで傷つけてしまうことがないよう、原則アクセサリー類の着用は禁止となっています。

ただし流派によっても考えは違うため、お茶の先生に確認するのがよいでしょう。弔事ではお悔みの場なのでアクセサリーに該当する帯留めは着けないのが一般的です。こちらも宝石の種類や略喪服ならよいとするなど考え方に違いがあるようです。TPOに合わせて自分らしく着物をおしゃれに楽しんでみてください。

 

日本の伝統文化であり、海外からも高く評価されているきもの。「女性は人生儀礼ごとに美しくなる」という言葉があります。出産や結婚、成人など人生における節目ごとに美しくなるということです。和服の絵柄や小物のデザインには意味を持たせているものもあり、まさに「詫び寂び」「花鳥風月」ですね。現代でも成人式や結婚式、お宮参りなどきものを着る機会は多くあります。和小物をうまく使って、きものや帯の美しさをより引き出してこなれ感や自分らしい着こなし、粋な着こなしを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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