着付け教室では、着物を購入しなければいけない?
数多くあり、今では広く門戸が開かれた着付け教室ですが、実際に利用してみるまでは「どんなふうに教えてもらえるのかわからなくて不安」と感じる人も多いですし「高い金額で着物を買うのは無理」といった声も聞かれます。
そこで、こうした着付けの教室ではどのようなことを教えてもらえるのかを始めとして、着物の購入義務があるのかといったことについてもご説明しましょう。
ワンコインで着付けができるようになる
20~30年前までは着付けを専門とする教室は月謝が高く、10000~30000円ほどの料金を払わなければ利用できない所もありました。
しかし、現在は1回500円といったリーズナブルな価格で利用できる教室もありますし、中には月謝料金や登録料が必要ない教室もあります。
しかも、着物離れの深刻化が進む現代に併せて、着物への興味がない人でも利用できるようにと、着付けの際は手ぶらでOKという所も少なくありません。
教室に行けば自分好みの柄や色の着物を選んで着られますし、長襦袢や足袋といった着付けの必需品も無料ないしは低価格でレンタルできるところもあるほどです。
さらに「着物を着てランチを食べる」あるいは「教室全体で開催される着物コンテストに出場」といったプログラムを用意している所もあり、着付けモデルのように着物を着てランウェイを歩いたり、写真を撮ってもらえる教室も増えてきています。
さらには、コンテストの上位入賞者が教室で配布されるカタログに掲載されたり、商品がもらえるといった特典を受けられることも多く、これまでにない経験をしたいからと言う理由で着付け教室を選ぶ人もいるのです。
しかも教室の中にはチケット制を導入している所もあり、自分の行きたいタイミングで勉強できるシステムを導入している教室もあります。
これなら仕事や育児で忙しくても隙間時間に通えますし、時間的精神的な負担も少なくて済むというものです。
知っておきたい着付け教室のしくみについて
とはいえ、こんなにも沢山のコンテンツやサービスが利用できるのに無料だったり料金が安いのはなにか裏があるのではと考えてしまうのも当然です。
よく「着付け教室では超高額な着物を購入しなければならない」と言われ、それが低料金を実現しているといわれますが、それは誤った知識です。
実際に押し売りをされることはなく、そもそも買うかどうかは自分の意志で決められます。
もちろん、教室の中で販売会が実施されることもありますし、着物を着て出かける際に展示会や呉服店などがルートに組み込まれていることもあるでしょう。
しかし、そこでの購入を義務付けていることはありませんし、自分で良いと感じられるものがなければ買わなくてもOK。
「でも買うつもりがないから見たくない」というのはあまり良いことではありません。
洋服とは異なり、着物は何度も目にすることでその価値が見極められるようになったり、自分なりに好きな柄や布地が分かるようになるものです。
ウィンドウショッピングをするような感覚で参加してみることで、着物の知識も増えますし、気に入った一生モノの着物と出会えるチャンスもあるかもしれません。
良いものに触れて研鑽を積むことも大切
今は書籍や動画などで着物の着方や知識をみにつけることもできますが、やはり何十年と着物を着てきた人からの指導にはより重みがあります。
自分では綺麗に着られていると思っていても、帯がズレていたり、着物の柄が合っていない、というのはよくあることです。
更に悪いことに、自分では自分の着姿の乱れや間違いなどに気づきにくいため、間違った着方で外出してしまったり、人から笑われてしまうこともあるでしょう。
そして、着物は保管が難しいのも特徴のひとつです。
呉服店のような専門店で買っていれば正しい保管方法や手入れ方法を知れますが、独学では限界があるため、せっかく高価な着物を買ったのにすぐにダメにしてしまったなんて事になりかねません。
さらに、専門店では着物の組み合わせや予算・目的に合わせた着物を見繕ってくれることもあります。
購入だけでなくレンタル対応している所も多いため、あまりお金はかけられないという人こそ専門店に足を運ぶほうが良いかもしれません。
正しい知識を身につけるという意味でも、経験のあるプロから直接指導を受けるのが1番です。
サービスが充実しており、日常生活ではできないような体験ができたり、書籍などでは知りえないような知識を身につけられるのが着付け教室の強みです。
料金が安く、押し売りのようなこともありませんから、お試しという感覚で利用してみるのも良いかもしれません。
もちろん着物に関する知識がなくても大丈夫、英語教室などと同じように教室を受講者のレベル別に分けている所も多いですし、自分のように何も知らない人とだからこそ親しくなれるという良さもあるでしょう。
日本古来の伝統でもあり、一度は身につけておきたいと思うのも当然です。
ハードルが高いと感じるかもしれませんが、一歩踏み出して着物の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。