着付け技能士ってどんな資格？取得するメリットについても紹介
着付け技能士とは、着付けの技術や知識が一定水準以上であることを証明する国家資格です。この資格を取得することで、着物の着付けだけでなく、その歴史や文化にも精通し、伝統を継承する役割を果たせます。また、着付け技能士としての認定は、着付け関連の仕事や教育の機会を広げ、専門家としての信頼性を高めることができます。
着付け技能士とは
着付け技能士とは、着付けの技術や知識が一定水準以上であることを証明する国家資格です。
着付けに従事する者の技術の発展と社会的な地位向上を目指し、2009年に職業能力開発促進法によって制定されました。この資格は、着付け技術の向上や普及、伝統文化の継承を促進することを目的としています。ただし、注意すべきは、着付け技能士は講師の資格や認定ではないということです。
あくまで技術水準を示す資格の一種であり、着付け技能を証明することが主な目的です。そして、着付け技能士の国家資格を取得するには、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。1級と2級の等級があり、知識の範囲や技術の難易度によって区別されています。
資格を取得すると、「1級着付け技能士」もしくは「2級着付け技能士」という称号を名乗ることが可能です。学科試験では、着物の畳み方から帯の種類、礼儀作法など、幅広い知識が問われます。2級では基本的な知識が、1級ではより詳細で難易度の高い知識が要求されます。
試験時間はどちらも60分で、合格基準は1級が70点以上、2級が60点以上です。一方、実技試験は、指定された着物を制限時間内に着付けるという出題方式です。着物や小物類、モデルなど、試験に必要なものは受検者が用意する必要があります。
時間管理や技術力、細部への注意などが評価されます。これらの試験を通じて、着付け技能士は高度な着付け技術を証明し、着付け業界や関連分野での信頼と尊重を獲得できるのです。
着付け技能士の資格を取得するまでの費用や期間
着付け技能士の資格取得には、一定の費用と期間がかかります。
学科試験と実技試験の受験費用は、1級・2級ともに学科試験が8,900円、実技試験が23,000円です。支払いは受検の申込後に銀行振込でおこない、「受領印が押された振込金受取書」または「ご利用明細書の原本又は写し」を申請書に貼付します。
そして、実務経験のみで資格を目指す場合、1級の取得には約5〜6年の時間が必要です。専門学校や職業訓練校を卒業したり、美容師免許を持っている場合は、必要な実務経験を合わせて約3〜5年の期間が必要です。国家試験の申込から資格取得までの期間は、通常8〜10か月程度です。
もし、学科試験に合格して実技試験に不合格だった場合、翌々年度内に再受験すれば学科試験は免除され、実技試験だけで済みます。また、特定の免許や職務経験を有する場合は、試験免除が適用されることもあります。これらの制度を利用することで、効率的に資格取得を目指すことが可能です。
着付け技能士の資格を取得するメリット
着付け技能士の資格取得には多くのメリットがあります。
第一に、資格を持つことで着付け技術の専門家としての信頼性が高まります。このため、着付け業界や美容関連の仕事での就職や独立開業が容易です。また、資格取得によって、着付け技術の向上や継承に貢献することが期待されます。
さらに、着付け技能士としての資格を持つことで、着物文化や伝統を広める活動に参加する機会が増えます。地域のイベントや文化祭での着付けデモンストレーションなど、着物文化の普及に貢献できる場がひろがるでしょう。
また、着付け技能士の資格は、個人のスキルアップや趣味としての着付けにも役立ちます。自身や家族の着付けをおこなう際に、プロの技術を活かしてより美しい着姿を実現することができます。
さらに、着付け技能士としての資格は、着物関連のイベントやコンテストへの参加資格としても認められ、着付けの技術を競い合う場にも参加できます。
このように、着付け技能士の資格取得は、着物文化の継承と発展に貢献するだけでなく、就業や趣味としての幅広い活動の可能性を開くものです。
着付け講師として働くためには
着付け講師として働くためには、さまざまな資格がありますが、なかでも和装師範認定証がおすすめです。
和装師範認定証を取得すると、着付け教室の講師やきものスタイリストとして活躍することが可能になります。和装師範資格は、着物文化や着付けの専門知識を習得し、その技術を指導する能力を有することを証明します。
着付け技能士と和装師範を合わせて取得することで、着物関連の仕事や活躍の場が大きく広がるでしょう。
まとめ
ここまで着付け技能士の資格取得や取得することのメリット、着付け講師としての活動するためにはなどについて述べてきましたが、着付け技能士と和装師範を組み合わせることで、より幅広い着物関連の仕事や活動が可能になります。このような資格や知識を身につけることで、着物文化の継承と発展に貢献し、さまざまな人々に着付けの楽しさや美しさを伝えることができます。自身の着物のへの熱意を、まずは資格取得のために活かしてみませんか。
