着付けで衿が詰まる場合の対処法
着付け教室で着付けを習っているのに、なぜか衿が詰まるということはありませんか?
基本通りに着付けているのに、なぜか着付けをしてしばらくすると衿が詰まり首回りが苦しいということもあります。
また衿が詰まると首が短く見えるのでそれだけでも苦しく見えてしまいます。
これは初心者に多い失敗です。
そこでここでは着付けで衿が詰まる場合の対象法についてご紹介します。
もちろん着付け教室で習っている方はおさらいとしてご覧ください。
襦袢の衿・着物の衿が詰まらない方法とは
〇初心者に多い悩み「衿が詰まる」
美容衿という飾り衿があります。
これはこれで素敵でなかなか衿元をきれいに見せてくれます。
しかしこの美容衿のために衣紋がうまく抜けないという声を聞くことがあります。
これは美容衿が問題になって抜けないのではありません。
この美容衿に限らず、普通のお襦袢でも衿が詰まるという方が意外と多いと聞きます。
これは着付け初心者に意外と多い悩みのようです。
すでに着付けをしている途中で詰まっているという方もいるようです。
しっかり余裕をもって衿を抜いているのにどうして詰まってくるのでしょうか。
これは動いていると少なからず詰まるのは仕方ありませんが、絶対に詰まらないようにする方法があるはずです。
そしてこれからご紹介する方法なら、誰でも衿を詰まらないように着付けすることが可能です。
逆にこの方法で詰まることはないはずです。
そうでなければ衣紋抜きを維持できないはずだからです。
〇詰まらない方法・準備
まず腰紐を片方が少し短くなるように半分にしておきます。
そして二つに折ったとき、輪のほうが短くなるように半分にします。
こうすると3段階の長さがついたことになります。
そしてこれを襦袢の身頃(美容衿として考える場合は衣紋抜きのところ)に直接つけるようにします。
このとき向きはどちらでも(左右どちらでも)かまいません。
輪がどちらに向いても大丈夫です。
通常抜くときは20㎝か多めに抜きたいという方は15㎝が目安になるはずなので、衿付けから下がった背中の中央につけます。
実は15㎝だと結構抜けていますのでご注意ください。
人によっては抜きすぎという印象を与えることになります。
これは安全ピンか縫い付けるようにしておくと便利です。
つまりは安定してつけるようにしておいてください。
〇衣紋抜き
お襦袢にたまについている衣紋抜きは実際に利用するとき不便だという声を聞きます。
これは衣紋抜きを通す紐の位置がなぜか低いからです。
もしこれを利用するとどうしても上手に衿が抜けないという方もいらっしゃいます。
外すというのも手かもしれませんが、お襦袢に直接縫い付けるほうがよっぽど良い方法です。
お襦袢に縫い付けるのが嫌な方は、この衣紋抜きに直接縫いつけるようにしてもよいでしょう。
〇着付ける
いよいよこれから着付けていきますが、お襦袢を羽織ったとき、衿の中心を体に合わせて抜き具合を決めていきます。
このとき一方の手で後ろをつまんで衿を抜くようにします。
ちょっとここからが複雑ですが、抜き具合の感覚を決めたら、後ろをつまんでいる手でそのまま背を押さえて、衿をつまんでいた手を後ろに回してしまいます。
手を離しても片方で背を押さえるので衣紋はずれていないはずです。
いないはずというのは押さえ方が緩いとずれるからです。
しっかり押さえておきます。
そして両手を後ろに回したら、左右の手で垂れている紐(自分で縫い付けた紐です)をつかんで、滑らせるように脇に紐をもっていきます。
そして身八ツ口から手を差し入れて、2本になっている紐の長いほうをわっかに通して引きます。
このとき結びやすい位置で結びます。
このときはぐっと結ぶ必要はありませんが、あまりにも緩いときれいに抜けないし詰まってしまうので適度な強さにしてください。
わっかに紐を通して引いて調節した後は何度か調節してみてください。
脇に行き過ぎた場合はわっかが長いということなので調整してみるとよいでしょう。
背中の中心から胸になる長さがちょうどよいはずです。
こうすると胸の下でしっかり止まるようになり固定されます。
紐が上にいくこともないので衿が前に詰まることはないはずです。
後ろで紐を留めている場所がある程度のところでとどまっているはずです。
ただし紐をゆるくしてしまうと前に動くことがあります。
また後ろに留める位置が多少低いと余裕が出てしまうので、これも衿が詰まることになります。
これは逆にきつくしすぎると衿が抜けすぎてしまうので注意が必要です。
お襦袢の衿がきれいに抜ければ上に着物を着ても衿が詰まるということはなくなります。
後は紐や伊達締めで押さえるようにすれば完成です。
また初心者でここまでするのがむつかしい場合はコーリンベルトを使う方法もおすすめです。
胸にボリュームのある方は胸をつぶす(さらしでまくなどして)衿が開くようにしない工夫も必要です。
本来コーリンベルトはお襦袢には使いませんが、別に使ってはいけないという決まりもないので、少しきつめに使うと衿の開きは改善されるようになります。
衿が詰まらないようなコーリン和装締めというアイテム
これを使うと着付けに慣れていない方でも上手に衿を詰まらせない着付けができます。
便利な胸紐版です。
このコーリンベルト和装締めは両方の衿先にこのコーリンベルトのクリップをつけて後ろで交差させて前にもってきて、前で留めるだけです。
このアイテムは通常のコーリンベルトでも十分ですが、これなら専用の和装締めという機能があるので、前身頃もしっかり押さえることが可能です。
これが二つあるとお襦袢と着物両方に使えるし、先ほどご紹介した面倒な方法も必要ありません。
着物専門店やインターネットでも販売されています。
外にお出かけして衿が詰まった感じがしたら、お襦袢の後ろ身頃をお尻の下に引いて調整してみてください。
あくまで調整はおトイレなどで行ってください。
ここのポイントはあくまでお襦袢の身頃を引くということです。
トライしてみてください。
楽になるはずです。