春にぴったりの着物とは?コーディネートのポイントをご紹介!
新しい1年が始まる春に、少し気分を変えて着物にチャレンジしてみませんか。新学期の行事に着物で参加する方が増えてきています。着物を着てみたいけど春にぴったりな着物がわからない方、着物のコーディネートがわからず諦めてしまった方も多いと思われます。本記事でポイントを押さえて、自分らしい着物コーデにしていきましょう。
春におすすめの着物とは
春は袷(あわせ)の着物が基本となります。着物は春らしい色や柄、行事を意識することがポイントです。まずは、着物の袷について解説します。
着物の袷(あわせ)について
着物には「単衣(ひとえ)」と「袷(あわせ)」の2種類があります。単衣は着物に裏地がついていない1枚のものであり、袷は裏地がついた2枚になっているものです。基本的には、10月〜5月の期間は袷を着用します。6、7月と9、10月は単衣を着用し、7月〜9月の暑い時期には「薄物」と衣替えすることで快適に過ごせます。そのため、肌寒い春の場合は袷を着用することが一般的であり、快適に過ごせるのです。
春におすすめの着物の色と柄
次に着物の色や柄について解説します。四季の風物詩を大切にしている日本では、春をイメージする色や柄があります。着物も同じく、視覚から春を感じられるものを意識するとよいでしょう。
春にぴったりの色とは
春といえば、桃の花や桜といったピンクや黄色系統や、初夏である菖蒲や藤の紫色、新緑のグリーン系統をイメージします。春の明るく淡い色調(パステルカラー)や、くすみのある色調を自然に合わせて変化させると、迷うことなく選べるでしょう。
春にぴったりの柄とは
春の柄の王道といえば桜です。新しい門出を連想させるので、卒業式や入学式シーズンにぴったりです。ほかにも、やさしい桃の花や華やかな牡丹、杜若などの春に開花させる花が描かれているものを選択するのがポイントです。明るくやわらかい色合いが、春を連想させるコーディネートのコツです。
また、藤や菖蒲も春におすすめの柄となります。桜や桃の花などのピンク系統の可愛らしさと対照的に、落ち着きのある色調が大人らしいクールな印象を与えます。
春にぴったりの着物コーディネート
春らしさを感じさせる着物のコーディネートは、色や柄だけではありません。あえてシックな印象の着物を選択し、小物に春らしさを取り入れてコーディネートする方法もあります。
帯揚げや帯締めでバランスを整える
帯周りの小物は3種類あり、帯の下には「帯揚げ」、帯の上に「帯締め」と「帯留め」があります。
帯揚げは、帯からチラリと見えている帯枕を包むための飾り布です。着物の色が濃ければ、淡い色の帯揚げにするなど、対称的な色や明度にすることで強調され、印象が引き立ちます。さらに、帯揚げの布の素材は多種多様なため、個性を出して印象を高めるのもよいものです。
帯結びは、帯の中央に巻かれる紐のことです。帯締めは基本、帯揚げの色と合わせると失敗しません。帯の仕上げに帯留めで、着物センスを上げましょう。
帯留めは、ベルトで例えるとバックルのような装飾品です。花や蝶など好みの物を選ぶとよいでしょう。
半衿(はんえり)も季節感を出すポイント
半衿は、着物の下に着る長襦袢が汚れないように保護する役割を持っています。それだけではなく、半衿も春の印象を与えるポイントです。
春に用いられる半衿の素材は、「塩瀬羽二重」や「縮緬(ちりめん)」です。白や色の淡いものが春には多く、白地が一般的なスタイルとなっています。印象を高めたい場合では、春に開花する花やカラーが刺繍されたものを着用すると、一層おしゃれになります。
羽織りも活用する
少し肌寒い春の季節に活躍する羽織もまた、着物をおしゃれに着こなすアイテムです。羽織は、カーディガン感覚でカジュアルな雰囲気になります。
また、羽織の代わりにショールを使用する方もいて、ショールの素材によって、全体的な印象も大きく変化します。着物と合わせることで、明るい印象にもなりますし、大人っぽい上品さを表現することもできます。
羽織を活用することで、コーディネートを楽しめます。また、着物の形崩れや汚れを防げるため、一石二鳥なアイテムです。
流行りの洋風コーデ
最近では、着物に洋風を取り入れた「レトロモダン」が流行しています。着物の生地がレースになっているものや、長襦袢の袖元や裾がレースになっているものがあります。革のかばんやブーツを合わせて和と洋を混合させた、洋風コーデが若者の間で流行っています。
また、着物は特別感があって硬い印象を与えますが、スニーカーと合わせることで身近なファッションへと変化します。ほかにも、帽子を着用して大正ロマンの雰囲気を出すなど、コーディネートの幅が広がっています。
まとめ
春のコーディネートのポイントは、春を意識することです。春を連想したときに思いつく花や色、行事を意識して着物を選んでいくと上手くいきます。着物のコーディネートのコツは、全体的なバランスです。
着物だけではなく、小物を合わせて自分好みに仕上げていきましょう。着物は歴史がある古典的な衣装ですが、最近はファッションとして割と自由に楽しむ傾向へと変化しています。新たな1年に、自分らしい着物コーデを発掘してみてはいかがでしょうか。