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着物の羽織にはどんなメリットがある?種類や着こなしのマナーを紹介

公開日:2022/07/15  


着物を着るときのもっとも一般的なアウターといえば羽織です。色柄、素材、長さなどによりその種類は豊富にあり、それぞれに特徴があります。着物の羽織を選ぶ際に迷ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。本記事では羽織を着るメリットや種類、着こなしのマナーなどを詳しく紹介するので、参考にしてみてください。

着物の羽織とは

羽織とは、着物の上に着るアウターのことで、長さや柄、季節ごとに種類が異なるのが特徴です。羽織は洋服でいうとカーディガンのようなものなので、茶室をのぞけば室内で着ていても問題ありません。寒い季節だけでなく、通年で使えるアイテムになりますが、その役割やメリットは以下の4つです。

■防寒対策

カーディガン感覚で使えるものから、綿入りでしっかり防寒できるものまであるので、気温に合わせた調節が可能です。

■着崩れ・汚れ防止

和服で人混みに入ると、帯などが引っかかって崩れてしまうことがありますが、羽織があれば防ぐことができます。また、ホコリやチリなどの汚れ防止にも役立ちます。

■帯結びを隠せる

自分で着付けをしていて帯結びを失敗したときなど、着付けに不安を感じるときにも羽織を着れば隠すことができるでしょう。

■コーディネートの幅が広がる

着物とのコーディネートを楽しむことも、羽織の醍醐味のひとつです。色柄のバランスや、場面に合わせたおしゃれを楽しみましょう。

羽織の種類は豊富

ここでは長さ別・季節別・柄別に紹介します。まず、長さで分類すると以下の3つに分けることができます。

■長羽織

丈が膝下よりも長く、スタイルがよく見えるのが特徴です。現在では長羽織が好まれる傾向があり、多く作られています。

■中羽織

丈が膝上よりも短い羽織のことを指します。長羽織と着用シーンはさほど差がありませんが、よりカジュアルな印象になるようです。

■茶羽織

腰くらいまでの長さでマチのない羽織のことを指します。主に家庭内での防寒用に使われる羽織で、色や柄は落ち着いたものが多いです。

次に季節別では以下の4つに分けられます。

■袷羽織

裏地がついた羽織のことで、秋~春の比較的寒い季節の防寒用です。ただし、同じ防寒用でもウール生地のものは単衣仕立てが基本です。

■単衣羽織

裏地がついていない羽織のことで、袷羽織では暑く感じられる6月初旬~6月末・9月初旬~9月末などに着用します。

■綿入羽織

綿が入っている羽織のことです。防寒に特化していて、普段着や家庭用として着用します。

■夏羽織

夏用の羽織のことで、7月初旬~8月末の盛夏の時期に着用します。生地には絽(ろ)や紗(しゃ)、麻(あさ)が使われているようです。

最後に、柄別で分類すると以下の3つに分類できます。

■絵羽織

縫い目をまたいでつながっている柄を“絵羽柄”といいます。会食や観劇のような、カジュアルで華やかなよそ行きの場面に向いているのです。柄によっては卒業式などのフォーマルな場所に来ていくこともできる羽織です。

■紋付羽織

紋が入った羽織のことです。卒業式や入学式、結婚式などのフォーマルな場面に向いています。普段着用の着物の上に羽織ると略礼装とすることもできます。

■黒羽織

黒色の羽織のことです。黒の紋付羽織は戦後の時代、普段着用の着物を略礼装とするために広まりました。紋の入っていない黒羽織もあり、その場合は普段着としても着用可能です。

女性と男性の羽織の違い

羽織はもともと、江戸時代以降に町人などの男性の正装として“紋付羽織・袴”姿が一般的になるなど、男性が着用する物として発展しました。男性の正装としての羽織は現代にまで続いていて、結婚式で新郎が黒紋付を着用することもあります。

正装以外での着用場面では、着物とお揃いの羽織など、色無地のものを着用するのが一般的です。正装としての意味合いが強い男性の羽織に対して、女性用はカジュアルが基本になります。女性用の羽織のはじまりは、幕末の深川芸者からという説もあり、おしゃれ着としての着用がメインになります。

羽織の着方とマナー

■羽織の着方

まず、羽織を肩にかけるようにしたら、着物の袂をもって羽織の袖に腕を通すのです。次に羽織紐を取り付けて結んで留めます。ここがポイントですが、肩から後ろの部分の襟を縫い目に沿って外側に折り曲げます。最後に、肩より前の部分の襟は後ろ部分の襟を折ったときにできた折り目に沿っているのです。

■羽織の脱ぎ方

注意する点は、脱ぎ着の際に羽織が床につかないようにすることです。まず羽織紐をはずし、肩から肘のあたりまでするりと落とすようにします。そうしたら両手を後ろに回し、袖を合わせるようにして脱ぎます。

羽織を着用する際のマナー

前述の通り、羽織は洋服におけるカーディガンのようなものなので室内でも着用したままで問題ありません。しかし、お茶席などの訪問先では脱ぐのがマナーです。

また、近年よく着用される長羽織は、丈が長い分室内でかがんだり座ったりする際には裾を踏みやすいので、脱ぐのをおすすめします。もし脱いだ場合は、ハンガーなどにかけるのではなく袖を合わせて小さく畳み、風呂敷などに包んでおくとスマートです。

 

本記事では着物の羽織について、種類や着方、マナーなどを紹介しました。略礼装としての用途を除いて、基本的におしゃれ着としてのアイテムである女性用羽織です。季節や場面に合わせて、コーディネートを楽しみましょう。この記事が少しでも羽織を選ぶ際の参考になれば幸いです。

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