着物美人への近道!着物を着て街を歩く際に意識するべきポイントとは?
より着物姿を美しく見せるためには、歩き方などの所作が重要なポイントとなります。せっかく綺麗な着物をきているのに、歩き方がなっていなければもったいないです。そこで今回は着物を着て街を歩く際に意識するべきポイントを、シチュエーションごとに分けてご紹介していきます。
着物着用時の歩き方に注意するべき理由
着物は一般的な洋服と比べると動きにくくて、着崩れする可能性も高い衣装です。そのため、動き方や歩き方に気をつけなければいけないのです。とくに重要なのが歩き方。江戸時代では着物が崩れないように、右手と右足、左手と左足を同時に出して歩く方法で歩いていました。
現代ではそのような歩き方の風習はなくなりましたが、意識しなければ着物が崩れてみっともない印象になってしまうでしょう。趣があって上品な印象のある着物だからこそ、歩き方には気をつけなければいけないのです。
着物着用時の歩き方のコツ
着物を着たときの歩き方のコツとしては3つあります。
1つ目は歩幅を狭く取ることです。前に出した足のかかとと、後ろのつま先の感覚がおよそ10センチになるように意識しながら歩いてみてください。
2つ目は重心をつま先にかけることです。つま先に重心を置くことでかかとを引きずるような歩き方にならないので、草履が擦ったような音がしなくなります。
3つ目は内股で歩くことです。内股を意識することで自然とつま先に重心を置くような形になりますよ。ちなみに室内では、足をするような感じで歩くのがマナーです。いわゆるすり足ですね。和室の場合は畳のヘリを踏まないこと、座っている人の前を通らないことが一般的なマナーとなっています。
また、着物姿をより美しく見せたいなら上前を抑えるのがおすすめです。右手で上前を軽く押さえるように歩くことで、風が吹いたり、急ぎ足で歩いたりしても裾がめくれ上がる心配がありません。荷物は左手で持って、さりげなく右へ手で上前を押さえるように歩くと奥ゆかしい印象にもなります。
着物を着た状態で階段を上る際に意識するべきポイント
着物着用時は歩く際もコツがいるのですが、階段を上る際にも意識しなければいけないポイントがあります。階段では裾を誤って踏んで転倒する危険性が高いです。転倒すると着物も汚れるうえ、怪我をする可能性も高いので注意しなければいけません。
また、駅や人が多く集まる場所だと、人に裾を踏まれる可能性もあるので、そちらも充分に注意しておかなければいけないのです。着物を着たまま階段を上る際は、右手で裾を軽く持ち上げましょう。持ち上げすぎると足袋や地肌が見えるので、みっともない印象になってしまいます。歩きやすいように足元の草履が見える程度で充分です。そしてつま先に重心をかけながら上がると、かかとも上がるので地肌が見える心配もありません。
ちなみに振袖の場合は両方のたもとを重ねて左手にかけて持つと、汚れる心配もありませんよ。階段を上る際は、できるだけ手すりもしくは壁側に寄りましょう。隅のほうに行けば階段を上るのが遅くても周りに迷惑がかからないうえ、人に裾を踏まれる心配も少ないでしょう。
着物を着た状態で車に乗り込む際のポイント
何気なく車に乗り込むと、着物が大きく崩れる場合があります。着物着用時は車に乗る際も意識するべきポイントがあるのです。頭や足から入れて車に乗ると着物が崩れてしまうので、お尻から入るようにしましょう。大きな荷物は先に入れます。
そして袖が邪魔にならないように体の前で揃えて、裾が乱れないように右手で軽く持ち上げて横向きに腰かけます。髪の毛が車にぶつからないように頭を下げて、足をそろえたまま体を90度回転させましょう。正面を向いたら裾を整えて、帯が崩れないように浅く腰かけてください。車から降りる際は反対の流れになります。
ちなみにこの車の乗り方は着物だけではなく、一般的な洋服の際でも上品な振る舞いに見えるので、ぜひ参考にしてみてください。また、体を90度回転させるときに足を揃えなければ、裾が乱れる可能性があるので注意が必要です。足をそろえたままぐるっと90度回転させることがポイントですよ。
ただし、勢いに任せて回転すると上品な所作には見えないので、スマートに体を移動させることがコツ。後ろに帯の飾りがないとしても、背もたれに背中をつけることで着物が揺れる可能性もあるので、できるだけ浅く腰かけることを意識してみてくださいね。
今回は着物着用時の歩き方や、階段の上り方、車の乗り降りの仕方などについてまとめました。せっかく着物を着ているのに、所作やマナーがなっていなければ、上品に思われるどころかはしたない印象に見られる場合もあります。着物は奥ゆかしさを感じられる衣装でもあるため、それに見合った行動をすることが大切です。最初は歩き方に慣れないかもしれませんが、コツをつかめばスマートに歩けるようになるでしょう。着物と美しい所作を身に付けて、より上品な姿をお披露目してみてくださいね。