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若い人が着物をなかなか着ない理由とは?

公開日:2020/06/01   最終更新日:2020/06/10

文化で欠かせない衣類、日本なら「着物」を着る人は年々減っているといいます。そのなかで特に多いのが若者の着物離れで「成人式でしか着たことがない」という人も少なくありません。一体どのような理由があって若い人が着なくなったのでしょうか。

着るのが難しいイメージ

まず一番に挙げることができる理由に自装することができないことがあります。自装とは、自分で衣類を着ることができないという意味で、実際に経験者に着付けてもらえなければなりません。

毎日着付けてもらうのは大変な負担ですし、当然旅行先でも着物を着ることはできません。そのため、着物を着るのを敬遠してしまう人が増えているのです。そして、着るのが難しいというイメージが定着してしまいました。

しかし、難しいと感じるのはただ単に不慣れなだけであって、毎日着るようになれば次第に慣れ、それほど難しいと感じることはなくなります。実際に昔の人は一人で毎日着てきたのですから、簡単に自装できるような作りになっているのです。

では、着慣れるためにはどうすればいいのかというと、一番苦労するのが帯の結び方です。基本的な結び方である一重太鼓結びと二重太鼓結びをしっかりマスターするようにすると、次からはいろんな結び方がアレンジできるようになるでしょう。

購入するためにはお金がかかる

着物を着る若い人が少ない理由の2番目に、お金がかかることを挙げることができます。そもそも着物とは一体何かと言うと広義的にはいろんな表現ができるでしょうが、簡単に言えば訪問着なのです。洋服で言えば、ドレスやスーツといったフォーマルな位置づけです。

カジュアルなものならば安いものでも十分ですが、フォーマルとなるとやはりしっかりとしたものを選ぶ必要があるでしょう。さらに小道具なども加えるとトータルで数十万円もかかることもあり、他の衣類に比べても値段が高くなってしまうケースが少なくありません。

若い人の多くは、学生・新社会人で収入がない(もしくは少ない)ため、高価な衣類には手を出しにくいです。それが和服離れの原因になっています。では、どうすればいいのでしょうか。

一つの方法として、親からのお下がりを貰い受けるのがあります。現代の若い人からするとお下がりというと敬遠してしまいがちですが、昔から高価な和服は子供に引き継がれていくのが一般的でした。さらに、最近ではそのお下がりに小物を加えて現代調にアレンジする人も少なからず増えてきています。

そして、もう一つの方法として、夏限定ですが浴衣を多用するというのも悪くありません。浴衣も立派な着物の一種で、比較的安い値段で購入できますし、比較的に簡単に自装しやすいので、若い人でも着やすいでしょう。またレンタルを利用するのも良いでしょう。成人式などのニーズが高まるときはレンタル料も高くなりますが、逆にそれ以外の時季は比較的にリーズナブルな料金で借りることができます。

流行性が乏しく管理の手間がかかる

3つ目の理由としては、管理に手間がかかることが挙げられます。仕舞う専用の箪笥が必要ですし、虫食い対策なども欠かさないといけないため、所有するのは何かと大変です。そのため、先ほど述べたようにレンタルを活用するのがとても便利です。

普段は着物のレンタル業者が管理しているため、手間がかかることはありません。また、いろんなデザインのものを着ることができる楽しみがあるのがレンタルの良さです。

最後の理由としては、大勢の人が着ないことが挙げられます。多くの人は誰しもファッションの流行を気にしたがるもので、特にその傾向は若い人に現れます。周囲の友達はみんな洋服なのに自分だけが和服となると、ちょっと気後れしてしまう人もいるでしょう。

さすがに個人の力でブームを作り出すことは難しいですが、着物を着やすいイベントは年にいくつもあります。成人式だけでなく、お正月やお祭りなどなら和服を着ていても何ら違和感を抱かないでしょう。そのようなイベントを少しずつ増やすことで若い人が少しずつ和服を着るようになるのかもしれません。

また少しずつですが国内外から和洋折衷のデザインの衣類も増えてきているようです。案外と、ふとした切っ掛けで和服のブームが起こる可能性もあり、若い人からも和服の市民権が得られる可能性も秘めています。

 

ここでは、若い人が着物を着ない理由として「自装の難しさ」「金銭がかかる」「管理の手間がかかる」「大勢の人が着ない」の4つのポイントを挙げました。その共通項にあるのは、先行イメージで実際に着る前からハードルが高まっていることが推察されます。それぞれ解決するのは簡単ではありませんが、浴衣やレンタルを利用することによって、少しずつハードルの高さを下げていくことで着る人が増える可能性も十分に考えられます。

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